AFC アサヒファミリークラブ

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愛別、迫力のきのこ。

45年前、減反に悩んだ父はきのこを選んだ。
愛別のきのこ、ここに始まる。

舞茸、英語ではHen of the Woods(森のめん鶏)というらしい。確かにこのくらい大きいと鶏に見えるかもしれない。

45年前、減反に悩んだ父はきのこを選んだ。
愛別のきのこ、ここに始まる。


 旭川から北東へ約30キロ、網走へ通じる国道39号線、通称「大雪国道」を車で走ると、45分ほどで愛別町に着く。人口約3,000人。「きのこの里」として名高い。愛別町ときのこの歴史は四十数年前にさかのぼる。

 当時、愛別で米農家を営んでいた一戸の農家があった。昭和25年生まれの矢部信一さんだ。国の減反政策によって米づくりの縮小を余儀なくされる中、新たな活路として考えついたのがきのこだった。もちろん知識はない。きのこの本場、長野県に友人と二人で出向き、3ヶ月程みっちり滞在。その後も数えきれないほど足を運び、ノウハウを学んだのが最初だった。
 1973年、エノキの栽培をスタート。きのこの里愛別はここに始まる。現在、エノキは道内の9割、ナメコは8割を産する一大産地となった。


矢部きのこ園前。
雪が解けるとどんな風景が見えるのだろう。

まるで
工場のような

 事務所のストーブにあたりながら、話してくれたのは、矢部きのこ園の現在の社長、息子の矢部大輔さんだ。「工場」と呼ぶのがふさわしそうなきのこの育つ現場を案内してもらった。施設は約1,000平米の広さがある。1996年から舞茸に移行した。今はキクラゲも作る。

 まずはきのこが生える土台となる「菌床」が必要だ。カバの木のおがくず、大豆の搾りかすなどが元となる。床下に備えられた巨大な撹拌装置で材料を混ぜ合わせ、高圧殺菌釜へ。温度と圧力で減菌する。できた菌床の元は、牛乳パックを4本まとめたくらいの大きさのビニールに詰められたブロックに固められ、きのこの元となる種菌を植え付けられ、「培養室」に送られる。
 舞茸の培養室に入る。薄暗い倉庫のような空間。通路の両側に作られた棚に、ビニールに入った土色のブロックがずらりと並ぶ。まだきのこは影も形もない。全部で2万6千個ほどあるという。袋の上部には不織布で作ったフィルターがつけられ、ここを通して菌が呼吸する。
 室内の環境は1年中温度23〜24度、湿度は65%だ。冬は暖房、夏は冷房が必須。温度湿度の管理はいちばん重要な部分、と矢部さんはいう。湿気を保つために、定期的に天井部分に設置された超音波加湿器が霧を噴き出す。



培養室の菌床。まだきのこは影も形も無い。


だいぶ菌が育って白くなってきた。


 近づいて菌床をよく見ると、ところどころ白くなっている。きのこの発生源となる種菌の周りに菌糸が育ってきたところだ。矢部きのこ園の舞茸の種菌は「M52」と呼ばれる種類。扱いが難しいが、肉厚でよい舞茸ができるのでこれを選んだそうだ。菌床はここで44〜45日を過ごす。


発生室。湿度99%、気温20度。ひんやりとしたミストサウナのようで実に気持ちがよい。

きのこは
霧の中で

 培養室を抜けて廊下へ。次の部屋は「発生室」だ。文字通り、ここできのこが生えてくる。扉を開けると、一面霧がかかったようで遠くが見えない。湿度は99%、気温は20度に保たれている。霧深い森に迷い込んだような感覚だ。実際にきのこが育つ自然環境に似ている。約6,000個のブロックが並べられた棚のあちこちから、銀色の太いホースのようなダクトが出ている。室内の空気と湿気を含んだ空気を循環させているという。「真気栽培」と呼んでいる。
 きのこの発生をコントロールするため、特殊な波長を放つ蛍光灯が天井から青白い光を放つ。培養室では土色だったかたまりは、この部屋ではもう菌糸に覆われ真っ白だ。10〜14日で、きのこは大きく成長し、収穫される。種菌の植え付けを調整し、一日に舞茸約200〜300Kg、キクラゲ約8〜10Kgを収穫する。舞茸はその大きさに驚く。ブランド名の「幻味舞茸」は父が名付けた。



舞茸は菌床の上に生える。


きくらげは横から出てくる。なぜ「木耳」なのか納得。


出荷準備の整った舞茸を持つ矢部大輔さん。

 「いずれは加工品を作りたかった」と、自社ブランドとして立ち上げたのが「きのこライスの素」だ。矢部きのこ園で育てた舞茸、キクラゲを、バター、コンソメ風味でアレンジ、ピラフ風に仕上げた。製造は遠軽町の白楊舎。知る人ぞ知る、混ぜご飯の素で人気のブランドだが、初めての洋風。着想から2年、開発に1年かけて完成にたどり着いた。
 洗った米に混ぜ込んで一緒に炊いてもよし、炊き立てのご飯に混ぜてもよし。簡単、便利である。味付けされた舞茸、キクラゲ、鶏肉とみじん切りのニンジンがアクセント。ピラフと呼ぶのがぴったりだ。くどくなく、優しい味。好みの具材を足すのもいい。


購入
できます

朝日新聞ご購読者様のためだけに詰め合わせた特別セットをご用意しました。缶詰の「きのこライスの素」、舞茸、きくらげを組み合わせました。大きな肉厚の舞茸、みずみずしい生きくらげ、炊きたてご飯(2合)に混ぜるだけで本格的なきのこピラフができる缶詰、3種の味をお楽しみください。

■ご購入はこちらから…キタ★マルシェ北海道179


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