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>HOME >みずうみへ行こう >「倶多楽湖」(2018/8/20)

アイヌの人たちは湖のことを「ト」とよびました。「ととき」は湖のゆったりとした時を楽しむシリーズ。毎月道内の湖畔の風景をお届けします。一息つきたいあなたへ、湖畔時間の便りです。ちょっとひと休みしましょう。

vol. 5
倶多楽湖

 地図で見ると、登別温泉のそばにコンパスで丸く円を描いたような、まん丸の湖がある。倶多楽(くったら)という変わった音の名前は、アイヌ語で「イタドリの群生するところ」を意味する「クッタルシ」から来ているという。イタドリは漢字で書くと「虎杖」。近くの「虎杖(こじょう)浜」はこれを音読みしたのである。

 西側の湖畔に通じる観光道路が湖のそばまで導いてくれる。舗装されてはいるものの、湖に近づくにつれて道はどんどん狭くなり、すれ違いの待避所がところどころに現れる。生い茂った樹の陰からわずかに湖面が見えてくる。唯一、湖畔に降りられるところに駐車スペースがあり、レストハウスがあるが休業中で、湖畔で営業している施設は何もない。透明度は摩周湖に次いで全国2位なのだというが、訪れる人は圧倒的に少なそうだ。

 湖畔から登別温泉方面に抜ける道路わきに展望台もあるが、湖はその一部を見せてくれるだけだ。丸い形を見るには鳥の目が必要らしい。ここを過ぎると道路はようやく少し広くなり、硫黄の匂いが車の中でもプーンと感じられるようになると、もう温泉街だ。「アイヌ神謡集」を編んだ知里幸恵の「銀のしずく記念館」も市内にある。

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みずうみへ行こう バックナンバー

みずうみへ行こう vol.13 2021年3月16日

ペンケトー、パンケトー

阿寒湖の温泉街から弟子屈に続く国道241号を約20分ほど走ると、道路脇に双湖台という場所がある。名前の通り、ここから二つの湖が見えるらしい。読む

みずうみへ行こう vol.12 2021年2月16日

ポロト湖

見事な借景だった。窓の外に見えるのは、白老のポロト湖。全面結氷している。読む

みずうみへ行こう vol.11 2021年1月18日

然別湖

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みずうみへ行こう vol.10 2021年1月18日

糠平湖

 上士幌から層雲峡に向けて北上する国道273号沿いにこの湖はある。読む

みずうみへ行こう vol.9 2018年12月17日

ウトナイ湖

 苫小牧にあるウトナイ湖は、渡り鳥の聖地だ。読む

みずうみへ行こう vol.8 2018年11月19日

摩周湖

必ず「霧の」という枕詞がつくほど、摩周湖と霧は関係が深いらしい。だが、この日はよく晴れていた。夏に訪れたときも快晴だった。読む

みずうみへ行こう vol.7 2018年10月15日

シラルトロ湖

 シラルトロ沼とも呼ばれるこの湖は釧路湿原国立公園の中、標茶町にある。読む

みずうみへ行こう vol.6 2018年9月18日

屈斜路湖

 道東、弟子屈町にある日本でいちばん大きなカルデラ湖だ。読む

みずうみへ行こう vol.5 2018年8月20日

倶多楽湖

 地図で見ると、登別温泉のそばにコンパスで丸く円を描いたような、まん丸の湖がある。読む

みずうみへ行こう vol.4 2018年7月17日

忠別湖

旭川や美瑛方面から旭岳や層雲峡に行く途中に見えるのがこの湖だ…読む

みずうみへ行こう vol.3 2018年6月18日

シューパロ湖

国道452号、夕張市から旭川へ通ずる道で、車を降り、シューパロ湖を見下ろした…読む

みずうみへ行こう vol.2 2018年5月21日

支笏湖

札幌方面から支笏湖へ向かって国道453号を走る…読む

みずうみへ行こう vol.1 2018年4月22日

洞爺湖

湖の上を、走る人を見た。柔らかな針で縫うように。読む

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