デジタル社会で出てきた特徴の一つとして、「参加の容易さ」があります。SNSがその動きに拍車をかけました。つまり、誰でも、何かについて、何か一言言える、という世界が出現しました。ときとしてそれが「炎上」したりして、社会問題にもなったり、人を傷つけたりしています。誰でも何か言う権利があるのはとても民主的なことだと言えますが、それがヘイトのような言論まで野放しにされたり、匿名で誹謗中傷が行われるようになってくると、この特徴が仇になることもあるでしょう。
Yahoo!のやっているサービスの一つにニュースにコメントをつけられる機能があります。通称「ヤフコメ」。話題のニュースには多くのコメントが付き、時としてこのコメント欄は「荒れる」ことでも有名です。どこの誰が言っていることかは全くわからないし、玉石混交で、中には光るものもあるかもしれませんが、多くの石の中から玉を探し出す作業をやるほどヒマではないので、この手の匿名コメントは私は一切読まないことにしています。
朝日新聞デジタルにもニュースにコメントがつく仕組みがあります。これは紙の新聞にはないので、デジタル独自の機能です。「コメントプラス」と呼ばれ、2021年6月から始まったものなのですが、誰もが書けるものではなく、それぞれの分野の専門家たちが、自分の守備範囲に関わる記事ついて、専門家の立場からその知見を活かしたコメントをするものです。コメントをする人たちの中には、朝日新聞の記者も、社外の人もいます。8月末現在、コメンテーターは総勢124人となっています。
内訳は、フリーのジャーナリスト、経営者、弁護士、研究者、芸人、朝日新聞記者などさまざまです。例えばウクライナ関連の記事に駒木明義さん(朝日新聞論説委員、ロシア、国際関係) や、小泉悠さん(東京大学先端科学技術研究センター講師)、佐藤優さん(作家・元外務省主任分析官)がコメントを付けます。それらはニュースの背景を解説したり、独自の読み解きがあったり、一次情報のニュースに加えて、有識者たちがそのニュースをどう見ているのかがわかるのが理解を大きく深めます。
もう一つ、デジタルならではのサービスに、「スクラップ」と「MYキーワード」があります。スクラップはハサミとのりがいらない切り抜きです。保存したい記事があれば、はさみマークをポチっとクリックすれば、保存されます。切り抜いた記事は一覧で表示されますが、あまりにたまったら検索することもできるので、「あれ、どこにしまったかな?」ということがありません。「MYキーワード」は自分の気になる言葉を登録しておくと、見出しや本文から関係する記事を選び出し、自動的に一覧にしてくれます。スクラップは場所を取らず、手間もかからず、手も汚れない。「MYキーワード」は意外なところに隠れていた、自分に関心のある記事を見つけだしてくれたりします。
どれもデジタルならではの機能です。ぜひデジタルの醍醐味をお楽しみください。
本連載では、紙の新聞と紙でないもの、つまりデジタルな新聞について色々と思うところを書いてきました。今回はその最終回となります。読む
朝日新聞朝刊に連載されている根強い人気を持つ連載コラムが「料理メモ」です。季節のちょっとしたお料理のレシピが毎日載っています。読む
ネット上には動画のコンテンツが増えています。特に、TikTokなどに代表されるスマホで見られるショート動画は、自分の好みに従って次から次へと表示されてついつい見てしまい、気がつけばあっと言う間に1時間!読む
新聞の切り抜き、やってますか?私も昔はよくやってました。そう、「昔は」です。私の場合、必須だったのは定規です。読む
朝日新聞の音声配信メディア「朝日新聞ポッドキャスト」で、昨年11月に意欲的な試みが行われました。2022年にデビュー50周年を迎えたユーミン(松任谷由実)を特集した、「ユーミン: ArtistCHRONICLE」です読む
紙の新聞の紙面は面積に限りがあります。週刊誌のような長い記事にはなかなかお目にかかれません。読む
新聞は読むもの、見るもの、と思っていませんか?今日はそれにプラスして、「新聞は聞くもの」というお話を読む
デジタル好きで、活字は紙で読むよりも、パソコンやスマホの方が読みやすいと思っているのですが、そんな私でも絶対に紙の方がいいと思っているのが、情報の一覧性です。読む
今は昔、昭和の風景を一つ。早朝に新聞受けに新聞が入るコトンという音がします。家の中で早起きした誰かが、それを取りに行きます。読む
ニュースの見方が深まる「コメントプラス」、自分の記事コレクション「スクラップ」「MYキーワード」
デジタル社会で出てきた特徴の一つとして、「参加の容易さ」があります。SNSがその動きに拍車をかけました。つまり、誰でも、何かについて、何か一言言える、という世界が出現しました。読む
昔、セイロンに3人の王子がいたそうです。この王子たち、みんな整理整頓が苦手で(私みたいです)いつも何かを探していました。読む
朝日新聞が提供するデジタルコンテンツの中で、個人的にいちばんはまっているのが、「朝日新聞ポッ読む
みなさまこんにちは。本誌の特集の編集を担当しています吉村です。この度、このコラムの執筆を担当することになりました。Paper & Digitalというタイトル、新聞は紙だけではないという意味を込めました。読む