「本」は文化や教育の基礎であり、読書を普及させ書籍を身近な存在にする図書館は地域の重要な存在である。設立を企図し、自ら、或いは仲間を集めて実現しようとする情熱と運動が明治初期から連綿と続いてきた。著者は、歴史に埋もれつつあるこうした営み(史料)を掘り起こし、淡々と記録していく。その中には、高潔な寄附や自己犠牲、議論や試行錯誤があり、現代の様々な問題解決につながるであろう知恵や箴言が含まれている。貴重な労作だ。
著者 藤島隆
出版 中西出版
発行 2022年7月1日
価格 1,980円
北海道に対する理解と愛着を深め、その強みを生かして「世界の北海道」づくりに寄与する人材育成のため、年に1~2冊発行する「ほっかいどう学」。道内の高校・大学や図書館に配布するシリーズで「牛乳」「日本酒」に次ぐ3作目だ。栽培できないため石高評価「ゼロ」だった江戸期から、今日では質量ともに新潟県と並ぶ地位を築いてきた歴史を、先人の試行錯誤や開発・土地改良、品種開発や生産販売戦略に至るまで詳しく解説する。資料も充実。
著者 平工剛郎、北倉公彦、林信雄ほか
出版 (一財)北海道開発協会
発行 2022年2月
価格 非売品(協会HPでDL可)