酪農経営に破綻したことで既存農業の在り方をゼロから見つめなおし、無肥料・無農薬農業にたどり着いたファーマーの半生記。テンポのよいその語り口は、悲劇も肥しに変えて前に進む著者の姿勢と、学びなおしから得た科学的思索と哲学的確信とが相まって、分かりやすく痛快。農と食に関する病理、問題点をこれほどまで分かりやすく指摘する本は貴重だ。解決に向かって己の道を歩む今後の姿を、将来、続編にまとめていただければ更に嬉しい。
著者 駒井一慶
出版 寿郎社
発行 2022年1月31日
価格 1,650円(税込)
著者はロシア近現代史、特に庶民や少数民族の社会運動を緻密に分析した歴史学者(静岡県立大学名誉教授)。朝日カルチャーセンター札幌教室で行った講義を全面的に改訂増補しまとめた1冊だ。日本(北海道)との「合わせ鏡」としてロシア史を視座に据え、16世紀以降の版図拡大と近代化から、プーチン政権の20年間までを詳述する。ウクライナ侵攻がなぜ起きたのか、その深層や背景の理解にも大いに役立つ。問合せは著者011-372-0521まで。
著者 西山克典
出版 北大生協 印刷・情報サービス部
発行 2022年4月18日
価格 私家版(増刷予定)