心のこもったおもてなしで、いかに地元の魅力を体感してもらうか――。新幹線の乗り入れは「100年に一度」級の大きなチャンスです。それぞれの立場で準備を進めているお二人にお話を伺いました。
一般社団法人北斗市観光協会 事務局長 吉村純一さん(64)
北斗市観光協会は、JR新函館北斗駅と併設された『北斗市観光交流センター』の指定管理にあたる。1階のアンテナショップ『ほっとマルシェおがーる』や2階の観光案内所など4施設を運営。「1便731人乗り、1日13往復となる新幹線ですが、実際に当駅でどのくらいのお客様が降りるのか、予想はつきません。まずは地元の見どころを巡るタクシー観光プランを商品化し、積極的にご案内していきます」。
また、周辺自治体や東北3県との相互交流を図り、さまざまなツアーを企画するなど、準備は着々と進行中。「農業や漁業をはじめ、宿泊、飲食、観光と地元の期待は高まっています。そしてもちろん、新しい駅は市民の皆さんもたくさん利用しますので、末永く愛される魅力づくりに力を入れていきたいですね」。
北斗市上磯駅前商店会 会長 伊藤輝さん(48)
北斗市上磯駅前商店会には27店が加盟。毎月第3日曜日のフリーマーケット「青空市」をはじめ、これまでは主に近隣の方々を対象にイベントを開催してきた。
「新幹線の開通は私たちにとっても、100年に一度の大行事。でも商店会としては『さてどうしよう?』という戸惑いからのスタートでした。海外や本州のお客様にどう上磯の魅力をアピールするか――。やはり地元商店ならではの温かいおもてなしでお出迎えしようと考えています」。
また、北海道新幹線の開業に伴い、JR北海道から経営分離し、江差線の全区画(五稜郭駅-木古内駅/38.7km)の運営を引き継ぐ第3セクター方式の鉄道事業者「道南いさりび鉄道」への期待も大きい。「観光ニーズの細分化を踏まえ、『チーム道南』の自治体が協力して、趣向を凝らした観光コースをご用意できればと思っています」。
2016年2月28日 特集138号 ※記事の内容は取材当時のものです。