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>HOME >特集一覧 >VOL160「北竜町産「燦燦ひまわり油」」(2017年12月17日)
特集「北竜町産「燦燦ひまわり油」」の表紙の写真です

「燦燦ひまわり油」の原料は、北竜町で作られたひまわりの種子を使い名寄市内の小さな工房で搾油されます。丁寧に時間をかけてろ過することで、良質なオイルが精製されます。

一番搾りのみを使用した「燦燦ひまわり油」は、搾油・ろ過後、さらに大手食品メーカーで精製することで、太陽と大地の恵みがたっぷりつまった自然な味わいで、サラッとした仕上がりになっています。バターの代わりにパンに付けて食べたり、ドレッシングにしたり、生でも、炒め物でも幅広く使用できます。


13年ぶりの挑戦でかなえた自信と品質。
日清オイリオグループと連携し、再スタートした北竜町のひまわり油。

北竜町がひまわり油を生産するのは2度目。北竜町単独でのひまわり油生産事業を終了してから13年後、大手食品メーカーと連携し、2016年に再始動。こうしたパートナーシップにより、画期的なひまわり油が2017年2月に生まれたのです。

良質な原料作りやひまわり油の製造に向け、北竜町は酪農学園大学(江別市)と共同研究を進めています。最良の状態でひまわりの種子を収穫するため、大学の研究室で、油分や成分分析を行っています。


「北竜町ひまわり油再生協議会」の主要メンバー。中央:北竜町 佐野豊町長、左から3番目:日清オイリオグループ(株)常務執行役員 岡雅彦氏、右から2番目:総務省地域力創生アドバイザー 曽根原久司氏、同3番目:(株)マーケティングフォースジャパン 横山秀樹社長。

良好な環境で育ったひまわりは、7月下旬から8月初めにかけて、大輪の花を咲かせます。


ひまわりのまちにはひまわりの特産品が必要

 北竜町がひまわりのまちとして歩みだしたのは、1980(昭和55)年のことでした。東欧を視察した農協職員が、ひまわりが広がる美しい景観とひまわり由来の健康食品に着目し、それが農協女性部による食生活の改善運動「家族の健康を守る運動」へと引き継がれ、422戸4.2ヘクタールのひまわり畑が鮮やかに出現しました。/p>

 そして北竜町単独で製造を始めたひまわり油は、町内消費だけではなく一般販売も開始。ひまわり畑の面積もどんどん広がって北竜町はひまわりの名所として知られるようになります。しかし、当時のひまわり油はにおいが強く、販売は伸び悩み、さらに搾油工場の老朽化も伴って、平成15年にやむなく中止。すると観光客からは、「ひまわりを見に来たのに、ひまわりにちなんだ食べ物やお土産品がないこと」に不満が出るようになりました。町として特産品開発に悩んでいた折…。

 地域活性化に貢献したいと意向を持つ「日清オイリオグループ」と、「ひまわりのまち北竜町」のマッチングが実現。植物油メーカーから長年蓄積したノウハウを提供してもらえるなど、ひまわり油復活に向けた連携体制が整いました。

力強いパートナーと共に再起を

 こうして2016年、3戸6ヘクタールの畑で、新たな油用ひまわりの栽培がスタート。ひまわりの栽培に使用する種子は、アメリカ原産の高オレイン酸が特徴の「コバルトⅡ」を採用。手探りの中、この品種が最大限力を発揮できるよう、昔行っていた栽培方法も見直しました。5月上旬に種をまき、除草剤を使わず手作業で雑草を取り、また、酪農学園大学(江別市)の協力を得て、原料の油分や成分分析を行うなど、良質な原料作りのために手間をかけて育てたひまわり。2年目の今年は昨年以上に量・質ともに良い種子が収穫されました。

 農家の人々が努力をして育てた申し分のない原料を、いよいよ最高のひまわり油にする。その肝要の工程は、搾油を担う工房に掛かっています。搾油設備を持たない北竜町が搾油のために提携したのは、名寄市の「ひまわり工房北の耀(かがや)き」です。大手食品メーカーと道内の搾油工房、そして大学の研究室との複数のパートナーと共に、国内では類を見ない高オレイン酸で、サラッとしたひまわり油を製造することに成功しました。


自然な味わい! サラッとしたひまわり油で料理がいっそうおいしくなる

 「燦燦(さんさん)ひまわり油」は添加物を一切使用せず、一番搾りのみを使って製造しています。日本で唯一の高オレイン酸タイプ。さらにビタミンEはオリーブオイルの約8倍含まれています。生でも、炒め物でも使える万能調理油です。

北竜町おすすめ[基本のドレッシング]
[材料] ひまわり油 大さじ3
レモン汁 小さじ2
塩 小さじ1/3
コショウ 少々
[作り方] 材料を混ぜるだけ
●基本のドレッシングに、白ワインビネガーと刻んだ野菜を混ぜてイタリアン風にしたり、しょうゆを加えて和風にしたり…。アレンジは自在です。

ライスサラダ

タコのカルパッチョ


今後が楽しみ、ひまわり油のラインアップ

 2018年春までには、お試し使いやお土産にぴったりのミニサイズボトルが2種、登場する予定です。それは定番の「燦燦ひまわり油」と、色も風味も濃厚な新商品「焙煎ひまわり油」。好みや料理に合わせて選べるようになります。

 また、食用以外の用途(美容向けオイルなどの原料)開発の研究にも取り組んでいます。

来年夏に出掛けよう「第32回ひまわりまつり2018」
会場:北竜町ひまわりの里 期間:7月中旬~8月中旬

 北竜町の観光ひまわり畑「ひまわりの里」は、150万本という日本最大級の規模で知られる名所です。今年も35万人を超す来場者でにぎわいました。まつり期間中は連日、大人から子供まで楽しめるイベントが盛りだくさん。来年の夏はぜひ、北竜町で黄色い風景に染まりましょう。

ひまわりの里で咲くひまわりは、油用ひまわりとは異なる品種です。ひまわり迷路(有料)は大人気。

アグリファイター・ノースドラゴンに会えるかも!? 入場無料、まつり期間中は無休。


最上級の種子から生まれた最上級の無添加ひまわり油。

1:1回に搾油できる量の20kgを計量します。

2:油を搾りやすくするため焙煎(ばいせん)を行い、搾油機で圧搾します。


3:搾油後、1週間静置し、上澄みの油を使い、さらにろ過作業を繰り返し行い、黄色に輝く原油が完成。

4:北竜町が搾油を委託している「ひまわり工房 北の耀き」工房内。手前右が焙煎機。


圧搾によって無添加な原油を製造

 秋。北竜町内で収穫されたひまわり種子が、提携先である名寄市の「ひまわり工房 北の耀(かがや)き」へ運ばれ、搾油が行われます。工房内は芳ばしいひまわりのナッツの香りがいっぱい。この工房で行われる搾油は、原料に圧力をかけて搾り出す「圧搾製法」のみで行われおり、油を抽出するための溶剤は一切使用していません。また、一番搾りにこだわり、出来上がる油の量は、種子全体量のわずか3割ほど…。搾った油は、滓(おり)や白濁の原因となるリン脂質、天然のワックス成分を取り除くため、時間をかけて丁寧にろ過します。

 そのため、1回の工程で原油が完成するまで、3週間もかかります。これを何回も繰り返し、搾油作業は来春まで続きます。

 黄色に輝く貴重な原油は、日清オイリオグループ(株)堺事業場へと送られ、さらに精製されて「燦燦ひまわり油」が完成します。

国内産の高オレイン酸ひまわり油は希少価値

 国内で消費されるひまわり油は、食用油全体の0.02%。そのほとんどが業務用で、しかも原料は輸入品です。国産原料で作られているひまわり油は、数種類しかありません。ひまわり油は、オレイン酸主体のタイプ、リノール酸主体のタイプ、2つの中間タイプに分類されますが、オレイン酸主体のタイプでひまわり油100g当たり80%程度の高オレイン酸タイプを作っているのは、ごくわずかです。

 オレイン酸といえば、血中の悪玉コレステロールを減らす働きで注目されています。また、ひまわり油はビタミンEが豊富でオリーブオイルの約8倍も含んでいます。これだけでも貴重ですが、さらに大手食品メーカーの精製技術を用いることで、自然な味わいにサラッと仕上がった「燦燦ひまわり油」は、日本で唯一の万能調理油といえます。

北竜町役場 企画振興課
雨竜郡北竜町字和11-1
TEL0164(34)2111(代表)
http://www.town.hokuryu.hokkaido.jp/


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2017年12月17日 特集160号 ※記事の内容は取材当時のものです。
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