このWebサイトの全ての機能を利用するためにはJavaScriptを有効にする必要があります。
>HOME >特集一覧 >VOL.211「馬には乗ってみよ」(2022年3月22日)
馬には乗ってみよ

馬には乗ってみよ

競走馬の余生と共に43年

 恵庭市にあるすずらん乗馬クラブは今年で創設43年目を迎える。積もった雪の向こうに、乗馬を楽しむ人の姿が見える。数頭の馬が規則正しく円形の馬場を回っている。リアルなメリーゴーラウンドみたいだ。例年にない大雪で、遠くからは鞍に乗った人と馬の頭しか見えないほど雪は深い。聴こえるのはリズミカルな馬の足音と、指導員の声、馬の呼吸。周りには平原が広がる。JR恵み野駅から徒歩10分のところにあるとは信じられない。

初めて触れた馬の暖かさ

 すずらん乗馬クラブは、現代表の濱田桂子さんが設立した。濱田さんの馬との出会いは10代のころに遡る。

 父の知り合いが日高にいて、牛の牧場に連れていってもらった。そこに馬がいた。思わず「触っていい?」と聞くと「いいよ」と言われて、抱きついてみたらものすごく暖かかった。「またがって歩いてみるかい?」と言われ、鞍もなしで馬に乗った。「何歩か歩いただけなのに、その暖かさにすごく感動してしまって」と濱田さんは当時を振り返る。牛乳を運ぶために飼われていた馬だと後で知った。

 本人いわく「スキーもスケートも鉄棒も縄跳びもできない運動音痴」が馬に魅せられた運命的な出会いだった。その後、自分でも乗馬クラブに通うようになり、東京に出て乗馬の学校に通うまで夢中になった。

 そこで出会ったのは、今すずらん乗馬クラブで調教師、指導員を務める川端鎮明(まさあき)さん(表紙写真)だ。初めて川端さんの調教した馬に乗ったときのことを濱田さんはこう語る。

 「またがってみたけど、全然思うように動かないんですよ。でも川端先生が乗ると馬が回転木馬のように動く。ああいう風に乗れるようになりたい、川端先生の作った馬に乗りたい、と思いましたね」。

 濱田さんは川端さんのことを今でも「先生」と呼ぶ。その思いは叶い、東京出身だった川端さんは、結局クラブの開設時から関わることになり、北海道に移住する。

ひづめはとても大事
ひづめはとても大事。入念に手入れをする。蹄鉄が凍りつくので冬は「裸足」だ。

馬を「作る」ということ

 「乗り手の指示に従って馬が躍る」。川端さんはよく言われる「人馬一体」という言葉をこう表現した。東京の乗馬クラブに10年ほど在籍し、調教や指導員の資格を取った。「馬を作る」と川端さんは言う。「小学生に大学生なみのことをさせるようなもんです」と言い、それには最低でも半年、馬術競技用の馬では数年かかることもあるという。馬が乗り手を受け入れる信頼関係を構築しないと、それはできない。競技用の馬も何頭も育て、自身も競技に出場していた。
 「ええ、ここにいる馬の性格は知り尽くしていますよ」と笑う。
 馬にも性格のいい悪いはあるのだろうか?
 「もちろん。性格は目を見るとだいたいわかりますね。でもやっぱり乗ってみること」と川端さん。
 「それはもう芸術作品を作るにも等しい仕事。深すぎます」と語る。
 すずらん乗馬クラブにいるのは引退した競走馬が多い。これまで早く走ることを教えられてきた馬に、違う世界を教えるのも腕の見せ所だ。

3頭の馬から始まった

 濱田さんが馬と一緒にいたいと思って場所を物色していたとき、たまたまある牧場で3頭の馬に出会った。買ってくれないか、と持ちかけられる。

 「私が買わなかったらどうなります?」と聞くと、「ああ、肉になるよ」とそっけない答え。

 すぐ購入を決意。牧場の周りは原野。当時は駅も近くに無く、どうやって事業をするのかの計画もなかった。

 「結局あの馬たちを助けたかったのですね。あの3頭がいなかったらどうなっていなかったかわからない」と濱田さん。馬に会いたい、一緒にいたい、いろいろな人にその素晴らしさを知ってもらいたい、との思いは今も変わらない。馬は24頭になったが、利用料金は40年以上変えていない。

時代と共に広がる客層

 最初は趣味で始めたようなもの、というクラブもだんだんと口コミで客が来るようになる。当時はまだ高尚な趣味というイメージが強かったこともあり、顧客はもっぱら富裕層。財界人などが知り合いを連れて訪れるようになり、事業化のアドバイスをくれるようになった。

 時は流れ、クラブの客層は昔とは大きく変わった。馬に乗りたい、とやってくるのは、会社員、学生、定年後の人などで、女性の多さが目立つ。首都圏のクラブに比べたら料金はかなり安いので、東京から日帰りで乗りに来る人もいるし、悩みや生きにくさを抱えた人が、馬に癒やされることもあるという。

 札幌市の江口千豆子さんは33年間クラブに通っている。最初は当時小学生だった子どもが馬に乗りたくて連れてきたが、自分が楽しさにはまった。10年ほど前からは定年退職した夫と一緒に楽しむようになったが、それまでは25年間JRで通った。「単なる乗馬を越えた馬とのつながりでしょうか。うまく動かないときには、馬に取って受け入れられないことがあるということ。人間に原因があるということもだんだん分かってきました」と語る。

サナティオ号
馬場を軽快に走っていたのは「サナティオ」号。「ディープインパクト」の子どもだ。競走馬を引退し、第二の「人生」をここで生きていく。馬名はラテン語の「癒やし」に由来するそうだ。

馬に乗ってみた

 さて、ここまで話を聞いたら、筆者もぜひ馬に乗ってみたくなった。「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」だ。馬は小さいときに引き馬に乗ったくらいの経験しかない。

 「できるだけ性格のいい馬で」とお願いしておいた。やってきたのは「セレスエンブレム」号。20歳になるオスの栗毛。優しくておとなしそう。

 「では乗ってみましょうか」という指導員の指示に従って、木製の二段ほどのステップから馬にまたがる。「乗るときはたてがみをぎゅっとつかんでね」と。馬が痛がるのじゃないかと思ったが大丈夫らしい。

 鞍にまたがる。あぶみに足を入れるのも指導員さん任せ。ああ、視線が高い。目に入るのは馬の長い首とたてがみ、ぴんと立った耳。

 乗馬姿勢、手綱の持ち方等を教わり、円形の馬場へ。指導員さんが手綱を持っていてくれるので安心だ。「じゃあ、自分で動かしてみましょう。かかとで馬のお腹を蹴ってください」。

 え?蹴っていいのかな?

 ドン。動かない……。「まだまだ弱いですね〜」。

 ドン!ドン!反応なし……。「まだまだ!」と言われるものの、痛くないのだろうかと思ってしまう。そうとう強く合図してようやく動きだした。

 「歩いているときも蹴っていいですよ」と言われる。蹴るとちょっと馬の動きに勢いがついて軽快になるように感じる。「じゃあ、止まってみましょう。手綱を手前にゆっくり引いてみてください。上に引かず水平に」。

 ぐぐぐっ、とブレーキがかかったように馬が止まった。表情は見えないけれど、何かコミュニケーションしている気分になる。「じゃあ、お尻を浮かせて立ってみましょうか」と次のステップ。これがいちばん難しかった。あぶみはゆらゆらするし、どうしても馬の首あたりに手をついてしまう。慣れると脚の動作だけでうまくできるようになるらしい。濱田さんが言っていた「股関節を使うから運動としてもとてもいいんですよ」という言葉を思い出す。

 「ほれ、起きろ!」と指導員の声。どうやら退屈になった馬がうつらうつら眠ってしまったらしい。ヘタな乗り手でごめんね。でも最後までおとなしく付き合ってくれた馬に感謝。

 後で調べてみたら、このセレスエンブレム、競走馬としても三勝をあげていた。あんなスピードで走っていた馬だったことにちょっと驚く。今はゆっくりと余生を過ごしている。

濱田桂子社長
すずらん乗馬クラブの濱田桂子社長

往年の名競走馬も

 すずらん乗馬クラブにいる馬の中には、競馬ファンなら誰でも知っているような馬もいる。見に来るファンも多いという。最近入ってきたばかりというちょっと細めの馬が馬場を走っていた。まだ調教前というこの馬は「サナティオ」号。あの「ディープインパクト」の子どもだ。6戦1勝して競馬を引退した。

 厩舎ではベテランの厩務員が馬をていねいに手入れしている。引き取った馬は最後まで面倒を見るのがこのクラブの方針。処分した馬は1頭もいないのが自慢だ。

 「24頭みんな、死ぬまでここで暮らします。せっかく縁があって来た生き物ですから」と濱田さん。

 「緑の中で、馬に触れて、息抜きする人たちを見るのがいい。ようやくそんなクラブになれた気がします」。
(文・写真:吉村卓也)

競馬ファンにはなじみ深い名前も多い
競馬ファンにはなじみ深い名前も多い

2022年3月22日 特集211号 ※記事の内容は取材当時のものです。

ここからは特集に関連して会員の皆さんからよせられたコメントをご紹介します。

『動物とのつきあい方』

12ページ中1ページ目

家庭菜園をしていましたが、そんなお庭に穴がポコポコ空いていることがあって、目視したことはないけれど、モグラがいるようでした。植物に影響が出たことはないけれど、そんなピンチと隣り合わせかもと思ってやめてしまいました。また、よく野良猫がやってきます。以前飼ってたペットのウサギとよくケンカしていました…。癒されたかったです。(うさこさん)

6歳の俺様な男の子のネコがいます。
臆病で、でも強気で、そして鈍臭いところがまた可愛い息子です♥
常に、家族の中心的存在です。(ぴのこだっくさん)

近所の地域猫とよく戯れてます、(マスタクさん)

動物園で動物見るの好きです!(さくらもちさん)

動物園が近いので、家族と動物を見に行きます!(りんごさん)

愛犬3匹と悠々ライフで癒されています。
小さい我が家ですが、ペット可の住宅で愛犬の部屋を完備し自由に過ごさせてあげています。
留守中でも3匹でじゃれあい楽しく遊び、ぺってカメラを設置して様子を把握し声掛けもします。(櫻子さん)

近所の畑に現れる野良猫と戯れるのが毎日の楽しみの一つです。たまにタヌキや雀も現れるので見ていてほっこりしてます。(まるさん)

楽しみにしています。(まっちゃんさん)

SNSなどでねこの動画をよく見ています(ぺらるたさん)

ネコがかわいいっ🥰(エリカさん)

うちにはネコが3匹いて、みんな保護ネコで引き取った子たちです。
みんな寂しがり屋で甘えん坊で、帰宅すると出迎えてくれて、名前を呼ぶとすぐ来てくれる。
イヌみたいなネコです(笑)(リナさん)

うちではモルモットを2匹飼っています。最近はヒーターを卒業してケージの端にひっついたり牧草の上で寝転がったりしています。(あやあやさん)

犬、猫は好きですが死んだ時がつらいので飼いません(ronさん)

北海道に住んでいた頃は熊に遭遇なんて事も1度ありましたしキタキツネにも遭遇したことありますが関西に来て山間部でもないので熊もキタキツネにも出会う事もありません。そもそもキタキツネは奈良にはおりませんが・・。その代わりと言っては何ですが奈良公園には鹿が物凄い数放し飼い状態で奈良公園から30分位の我が家の前にも鹿がいることもしばしばあります。コロナ以降観光客もいなくて鹿も少しやせています。(KANTON$さん)

自分は動物を飼っていませんが、友達の家とかで動物に触れ合う機会が会った時は毎回人同様に優しくして無理に警戒心を与えさせないようにしてます。
(マホーンさん)

私は、セキセインコを飼っているのですが、セキセインコが自分の事を人間と思っているのか人間の真似ばかりするので、毎日、ご飯の時間を揃えたり、ご飯の内容もインコが食べれる物があったら、一緒に食べるようにしています!また、歯磨きをしたがるのでインコ用に歯ブラシを渡したら、一生懸命、噛む姿が可愛すぎました!(ゆきだるまさん)

最近一歳になる息子がようやく犬を覚え、見かけるたびワンワンと言います。
猫が好きみたいで、にゃーにゃー泣くおもちゃを気に入っていてにゃーにゃー泣くたび、ケラケラ笑っています。動物好きのかわいい子に育って欲しいです。(まるさん)

友達や仲間の様に付き合っています!(レンスキさん)

30年前に、露天の金魚すくいで娘たちがすっくってきた金魚が、今の金魚鉢で孵化を続け4代目を迎えたんのですが、最後の1匹になってしまいました。夏場は京極町の吹き出し公園の水を求めて、冬場はスーパー等でナチュラルウォーターを買い求めて育てていましたが、病気等で最後の1匹です。少しでも長く付き合いたいものです。(としちゃんさん)

ネコと暮らしています。飼っているというよりお世話させていただいているという感じです笑笑(ゆずむぎさん)

車を運転している時の鹿や狐などは焦りますね。
引かないように自分もスピードの出しすぎに気をつけています、(山茶花さん)

優しさを持って付き合いたい(りょうちんまるさん)

ハムスターなら小旅行できるし散歩もいらす、癒しもあり可愛がれます。
初心者にはむいてるなあ。勝手に赤ちゃんできてましたけど(クロッピさん)

ネコが一匹います。もとは野良猫でフラ~つとやって来て、とても人懐くこく、いつの間にか当然のように家ネコになりました。
とても利口で、自分でドアを開け自由に家中を移動、最も快適な場所に占拠しています。(hiro0931gさん)

犬や猫を飼いたいのですが、アレルギーがある為、飼えないのです。
ですので、テレビで動物特集などがある場合、画面を見て
癒されております。(Malibuさん)

うちはフェレットを2匹飼っています。子どもが産まれる前は結構ゲージから出して遊んでいたのですが産まれてからは子どもが寝てからしかだせません。噛む事があるのとそこらへんにおしっこをするので子どものおもちゃなどにかかったら大変だからです。それでもゲージの外から子どもは良く名前を呼んで眺めたりしています。元々1日のほとんど寝て過ごす動物なのでちょうど良い距離感なのかもしれません。(むむぬぬちゃんさん)

テレワーク主流の毎日。気まぐれなネコたちが庭を通り過ぎている景色を見ながらテレワーク。写真を撮ろうとしてももちろん逃げる!そんなネコたちが大好きです。(cervejaさん)

実家でシベリアンハスキーを飼っていました。他界してしまったのですが、いつも私の足にじゃれてきて、とてもかわいい子でした。体は大きいのですが、とてもおとなしかったです。癒されていました。(うさぴょんさん)

子どもの頃は農家でしたので、ウサギや鶏、猫や鯉などあらゆる小動物を飼っていました。家の中のペットではなく、外で飼っていたのでトイレのしつけやペットフードなどさほど気にせずにいましたが、今は家族の一員として世話をしなければならず、難しさも感じます。亡くなった時に悲しみを考えたりもします。我が家は皆猫派なので、テレビで動物の番組を見るたび、「飼いたいなぁ」という子どもたちに、少し揺れるこの頃です。(ひできさん)

いいえ(ヒデ55さん)

12ページ中1ページ目(340コメント中の30コメント)

先頭へ戻る