ピックアップ映画「悪は存在しない」５月３日公開

　「ドライブ・マイ・カー」から３年、濱口竜介監督は石橋英子（企画・音楽）とタッグを組み、新たな試みの映画を誕生させた。
　冒頭、雪の中。森の木々たちを仰ぎ見るような視線が、いつかしらまるで天上から覗かれているようなそんな心持ちになってくる。
そして物語は始まってゆく。

　長野県の水挽町。自然が豊かな高原に位置し、東京からも近く、移住者が増えてきている。
　代々そこで暮らす男と小学生の娘。水を汲み、薪を割り、自然に囲まれた慎ましい暮らしをしている。そこへある日、彼らが住む近くにグランピング場を作る計画が持ち上がる。コロナ禍のあおりを受けた芸能事務所が政府から補助金を得て計画したものだった。森の環境や町の水源を汚しかねないずさんな計画に住民たちは動揺してゆく…。

　「ここは鹿の通り道だ」男はいう。そこには男が自然との間に折り合いをつけながら、守り生きてきた深い思いがあった。映画を観ながら私たち誰もが無関係ではいられなくなるような、心揺さぶられる物語です。

ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞（審査員グランプリ）・国際批評家連盟賞受賞。
© 2023 NEOPA / Fictive

2024年4月中旬～

４月１２日～
「プリシラ」（アメリカ・イタリア　１１３分）
４月１３日～
「ゴッドランド」（デンマーク・アイスランド他　１４３分）
「映画 〇月〇日、区長になる女。」（日本　１１０分）
「フジヤマコットントン」（日本　９５分）
「落下の解剖学」（フランス　１５２分）
「夜明けのすべて」（日本　１１９分）
４月２０日～
「ビニールハウス」（韓国　１００分｝
「ミューズは溺れない」（日本　８２分）
４月２６日～
「エドガルド・モルターラ　ある少年の数奇な運命」
（イタリア・フランス・ドイツ　１３４分）
４月２７日～
「マンティコワ -怪物-」（スペイン・エストニア　１１６分）
５月３日～
「悪は存在しない」（日本　１０６分）
５月４日～
「人間の境界」（チェコ・ポーランド・ベルギー・フランス　１５２分）
「ストップ・メイキング・センス」（アメリカ　８９分）
「ノスタルジア」（イタリア・ソ連　１２６分）
５月１１日～
「正義の行方」（日本　１５８分）

シアターキノ
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