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>HOME >特集一覧 >VOL164「ジンギスカンの原点、ここにあり」
特集「ジンギスカンの原点、ここにあり」の表紙の写真です

ジンギスカンの原点、ここにあり

今や貴重な「半頭巻き」


ああ、たまらなく
あの肉が食べたい…

 昔、ジンギスカンといえばこれだった。そう、あのまん丸の、薄い、あれである。

 「ロール肉」と呼ばれる成形された肉だ。昨今の技術の進歩で、低温のまま凍らせずに流通できるチルド冷蔵の「生ラム」が人気となり、ロール肉は見ることが少なくなった。でも、やっぱりジンギスカンは丸いあれじゃなくちゃ、という熱い思いも聞こえてくる。

 ラム(子羊)よりもマトン(成羊)がいい、という人もいる。タレに漬け込んでから焼くのがいいという人もいれば、そのまま焼いてタレはあとからつけるに限る、という人もいる。タレはこっちのメーカーがいい、いやあっちがいい、いや自分で作るのがいい、と、ことジンギスカンに関しては北海道民の思いは深い。(その思いの数々は、「投稿塾」をご覧ください)


いろいろな部位の肉をラップにのせ、くるくるっと巻いて、ぎゅっと締める。あっという間に巻き上げる、手早い作業だ。この後、冷凍する。旭川の斉藤フーズで。

北海道に羊がいた訳

 ジンギスカンの名前の由来は諸説があるが、なぜ北海道民が羊肉を好んで食べるようになったのかははっきりした歴史的背景がある。

 昭和初期、北海道では多くの羊が飼育されてきた。羊毛を取って防寒用の衣服に使うためだ。主に冬の軍服の需要に備えるためだったと言われ、国策として羊が飼われてきた。戦後、輸入品や化学繊維の普及でその需要がなくなり、北海道では多量の羊が余った。その羊は食用に回り、安価に大量に市場に出回った。これまであまり食べたことがなかった羊肉のおいしさに開眼した北海道民は、道内の羊をあっという間に食べ尽くす。クセのある羊肉の臭みを緩和するため、さまざまなタレが考案されたであろうことは想像に難くない。

 


道産から輸入肉へ

 羊はすっかりいなくなってしまったが、羊肉のおいしさは忘れられず、最初は主にニュージーランドからのマトン、その後はラムと、羊肉の輸入は続き、オーストラリアが最大の輸入元となった。かくしてジンギスカンは北海道のソウルフードとなり、今日に至っている。

 さて、ロール肉の話に戻る。なぜ丸いのか?

 羊は体が小さく、豚や牛に比べてひとつの部位の量が少ない。いろいろな種類の肉が少量ずつ出る。だったらひとまとめにして巻いてしまえ、となったのがどうやら始まりのようだ。

 最近はショルダーと呼ばれる部分のみを使うロール肉がほとんどだが、かつては「半頭巻き」と呼ばれる、すべての部位を全部使って巻くものが多かった。屠殺した羊を「枝肉」という骨がついたままの肉の塊にするときに、ちょうど背中の真ん中から左右半分にするので「半頭」と呼ばれる。肩から脚まですべての部位が取れる。

 

半頭巻きは希少

 今回ご紹介するのはその「半頭巻き」だ。一般消費者向けに販売されることはほとんどなく、ジンギスカン料理専門店でのみ使われることが多い。

 販売元の大金畜産の増原薫さんに話を聞いた。約半世紀、羊肉を専門に扱ってきたベテランだ。

 

半頭巻きの大きなマトンのロール肉を手にする大金畜産の増原薫さん。羊肉を扱って50年。

ジンギスカン鍋は大人数で囲むのが楽しい。

無駄なく使う、
が原点

 「どうしたら無駄を出さずに肉をまんべんなく使えるか、というのがロール肉の始まりでした」と増原さんはいう。大金畜産はこのロール肉の製法を普及させたパイオニアでもある。

 「こんな大きなロール、最近はすっかり少なくなりましたよ」と手にしたのはマトンのロール肉。直径は15〜17センチほど。重さ9キロ。一般的なラムロールが約5キロなので倍近い。

 「1枚のせたらジンギスカン鍋がいっぱいになっちゃうね」と笑う。


手巻き、でした

 どうやって作っているのか。このロール肉を製造している旭川市の食肉加工、卸会社の斉藤フーズを訪ねた。

 ひんやりとした加工場の中、ステンレスの机の上に広げられたラップの上に、さまざまなマトンの部位を並べる。ロース、バラ、モモ、ショルダー、レッグ、などなど。なるべく均等の厚さになるように配置して、えいやっと巻き上げる。

 機械で巻いているのかと思ったら、手巻きなのである。ラップを何枚か重ねてさらに巻き上げ、ぎゅっと締める。2〜3分で巻き上がる。手早い。両端を中に押し込んで最後に端をピンで留める。空気を抜くためにプツプツとラップの上から穴を空けて、完成。あとはマイナス30度くらいの冷凍庫に2日くらい入れ、冷凍保存したものをスライスし、おなじみの丸い形の肉になる。


いろいろな部位
入ります

「手で巻いているのは日本だけじゃないでしょうかね。海外だと筒に入れて成形したものはあるんですが、なかなか均等に部位が入らない。手巻きは、どこを切ってもいろいろな部位が入るので楽しめますよ」と、斉藤フーズの板橋守社長は話す。


マトン、ラム
食べ比べ

 今回の商品は、この「半頭巻き」をマトンとラムのセットで。タレに漬け込んでもよし、焼いてからタレをつけて食べるもよし。スーパーや肉屋さんでも手に入りにくい、昔ながらのロール肉の食べ比べをぜひお楽しみください。


いちばん簡単な食べ方

ジンギスカン鍋を温め、ラードをのせて油をなじませる。モヤシ、タマネギ、キャベツなどの野菜を鍋にのせ、火が通ってきたら肉をのせ、焼けたら好みのタレにつけて食べる。ロール肉は焼くとバラバラになるので網焼きには向かない。鍋がなければフライパンやホットプレートでもももちろん可。これを外でやると「ジンパ(ジンギスカンパーティー)」となる。

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『ジンギスカン』

ここからは特集に関連して会員の皆さんからよせられたコメントをご紹介します。
面白かったコメント、私も同じ!と思ったコメントは、ぜひいいね!を押してください。

1ページ

道外の方は臭みがきついと言って敬遠される方も多いようですが、私はむしろ臭みのあるほうが好きで、ラムよりはマトン派です。味付けよりも冷凍の丸い肉を、ベルのジンギスカンのたれで食べるのが大好きです。

くろぱんさん

一度だけ、前に勤めていた会社の女性社員全員で、ジンギスカンを食べに行ったことがあります。

ぴのこだっくさん

高校の修学旅行で食べたジンギスカンが美味しくなくてビックリして、そこから遠のいていましたが、北海道に住んでる友達が本場の有名なジンギスカンを取り寄せて作ってくれたのが本当に美味しくてまたビックリしちゃいました!!
それからジンギスカン大好きになりました!

まいさん

九州在住なのですが、まだジンギスカンを食べたことがありません。

あっしゅさん

子どもの頃から親がよくジンギスカンをやってくれました。でも、なぜか鍋で野菜と焼いて、汁が出て煮るジンギスカンでした(笑)

chikaさん

本州ではジンギスカンのタレを見つけるのは難しい

ナンゴウヨンさん

何かの打ち上げには、まずジンギスカンが候補に上がる!それくらい馴染みのあら食べ物です。

やすなりさん

ジンギスカンが辛すぎて吐きました。

笑顔日和さん

北海道に旅行した時に初めて食べました。大阪ではスーパーにも売られていないし、お店も少ないので、もっと増えてほしいです。

チカリンさん

りんごをすってオリジナルだれを作るのですがそれでないと食べれないくらい大好きです。
もちろんお店の場合はお店のたれも充分美味しいですが、家でとなると市販のものよりその家庭の味としての我が家のたれは自慢です。

しまりすさん

子どもの頃、近所に松尾ジンギスカンがあり、よく食べに行っていました。ジンギスカンについて、北海道ならではなど思ったこともありませんでした。給食にも出ますし…そして、最近近所に再び松尾ジンギスカン(宮の森店)が登場し、行ってみました。子どもの頃に行ったお店と違い、小奇麗になっていてちょっと複雑…。お味もちょっとおしゃれになった感じがしました。それでも、やっぱり食べ慣れた味はおいしかったです。

izumiさん

今まで一度も食べた事がないのでとても興味があります。どんな味かな?

ふくタローさん

ジンギスカンを初めて食べた時、牛肉とは違う
美味しさを味わえてビックリしました。自宅では
中々頂けない味なので、旅行先でジンギスカンが
あれば、よく食べています。

レイチェルさん

ジンギスカンを初めて食べた時、牛肉とは違う
美味しさを味わえてビックリしました。自宅では
中々頂けない味なので、旅行先でジンギスカンが
あれば、よく食べています。

レイチェルさん

ひとり暮らししてからはよくラム肉、もやし、ピーマンをフライパンで簡易のジンギスカンにして食べてます

アロエさん

2ページ

ジンギスカンは匂いが気になるイメージだったのですが食べてみて美味しくて大好きになりました。

ゆいあろさん

ジンギスカンにはアイヌネギ

kurenai01さん

我が家は生粋の道産子夫婦です。二人の生活になってからは、もっぱら、ホットプレートのでのジンギスカンです。冬でも夏でも食べた後は空気の(匂いかな)入れ替えをしてスッキリと食べていますよ。 

ひいらぎるいさん

ジンギスカン、大好きで自宅でもホットプレートで作りながら食べることが多いです。家族がそろう週末に多いです。
ご飯(白飯)よりも我が家はうどんを入れることが多いです。うどんに味付けジンギスカンの味がついて美味しいです。
今、興味があるのは、鹿肉。ジンギスカンのようになればいいなと思いますが、価格が高い。もっと食べる機会があれば。生協の店頭でしか、売っているのは見たことがないので、価格安く、もっと見かけるようになるといいなと思います。

ジンギスカンは、家族の団欒にいいと思います。

ぷよぷよさん

本州の大学に通っていたころ。
味付けジンギスカンが食べたくて実家から郵送してもらいました。
貧乏学生で部屋に冷蔵庫が無く、暑い部屋に置いておいたら一日で発酵してバレーボル状のパンパンに!
それでも食べましたね。酸っぱかったけど(笑)

ピカード艦長さん

私は人生において一度もジンギスカンを食べたことがありません。もちろん北海道に住んでいないのであり得る事実です。だからラム肉も見たことがないです。たぶん北海道に住んでいる人なら理解できないことかもね

たぶえむたぶさん

臭いイメージだったので、初めて食べた時美味しくてびっくりしました。

ぽっちさん

東京に就職した息子が、彼女を紹介したいと連れてきたときにジンギスカンの話になり、彼女にどうも苦手で…と告白されましたが、恐る恐る口にしてから美味しいと言ってくれました。
今ではすっかり北海道のジンギスカンのファンです。(^0_0^)

marumoさん

関東にはジンギスカンが売っていません。あまり食べる習慣もないので食べたことがありません。今度ぜひ食べてみたいです。

ああ091さん

本州人なのでスーパーにラム肉は皆無ですよー
人生でジンギスカンを食べたのは松尾のジンギスカン1回だけです。

シスカルメンさん

本州人なのでスーパーにラム肉は皆無ですよー
人生でジンギスカンを食べたのは松尾のジンギスカン1回だけです。

シスカルメンさん

本州人なのでスーパーにラム肉は皆無ですよー
人生でジンギスカンを食べたのは松尾のジンギスカン1回だけです。

シスカルメンさん

本州人なのでスーパーにラム肉は皆無ですよー
人生でジンギスカンを食べたのは松尾のジンギスカン1回だけです。

シスカルメンさん

以前職場の先輩が北海道土産を買ってきてくれました。
それはなんと「ジンギスカンキャラメル」!!
職場の人で1つづつ食べたのですが、かなり独特の味でした。

ぬしゅてぃもんさん

ジンギスカンが大好きですが、関東のスーパーにはほとんどおいていません。
北海道の浦幌町からふるさと納税をして取り寄せしています。また北海道旅行に行った際に食べたジンギスカンの味はおいしくて忘れられない思い出です。

りんりんさん

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