朝日IDをお持ちの方はこちらから
AFCのログインIDをお持ちの方(2024年7月31日までにAFCに入会された方)はこちらから
新規入会はこちらから

2年前に亡くなった父に300万円の借金があることが分かりました。父は生活保護を受けていて財産は全くないと思っていたので、突然、督促状が届いて戸惑っています。私が肩代わりするしかないのでしょうか? それとも、相続放棄をすれば返済せずに済みますか?(宮城県在住、50代女性)
亡くなった父の借金については、家庭裁判所で相続放棄の手続きをすることで返済せずに済む可能性があります。ただ、2年前に亡くなっているとのことで、相続放棄の3カ月の期限が問題になる可能性が高いため、弁護士に相談することをおすすめします。
相続放棄とは、被相続人(亡くなった人)の預貯金などのプラスの財産および借金などのマイナスの財産のいずれも一切相続しないための手続きです。そのため、ご相談者は相続放棄をすることで借金を相続せずに済むことになります。
ただし、相続放棄は原則として「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内」にしなければなりません。この場合の「相続の開始があったことを知ったとき」とは、主に被相続人の死亡を知ったときです。そのため、ご相談者がお父様が亡くなったことを2年前の当時に知っていた場合、すでに3カ月の期限を過ぎていることから、原則として相続放棄はできないと考えられます。
ただし、被相続人が亡くなったことを知ってから3カ月過ぎている場合であっても、必ずしも相続放棄を諦める必要はありません。裁判例(最判昭和59年4月27日)が例外的に相続放棄をする余地を認めているためです。
具体的には、下記の要件を満たす場合には、財産(借金)の存在を認識した(または認識しうるべき)ときから3カ月以内の相続放棄が認められています。
①被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたこと②相続財産の有無の調査をすることが著しく困難な事情があって、①のように信ずるについて相当な理由があること
ご相談者は被相続人が生活保護を受けていて財産は全くないと思っていたとのことですので、借金があることが分かってから3カ月以内であれば相続放棄が認められる可能性は十分あります。
ただし、相続放棄の手続きをする際は、家庭裁判所に対して上記の①や②の事情があることをきちんと説明することが重要です。説明が不十分であったために相続放棄が認められなかったとしてもやり直しはできませんので、きちんと考えて書面を提出するようにしましょう。 相続放棄が認められない場合は、亡くなった父の借金の返済を肩代わりすることになります。返済が難しい場合は任意整理、個人再生、自己破産などの債務整理で借金の減額や免除を検討しましょう。
相続放棄の期限が問題となる場合には、弁護士に相談してから手続きを進めることをおすすめします。弁護士に依頼することで、相続放棄を認めてもらうための例外的な事情を説得的に説明できるので、家庭裁判所に相続放棄を認めてもらいやすくなるでしょう。
債務整理というよりは相続分野の手続きですので、相続に強い弁護士に相談することをおすすめします。(記事は2026年1月1日時点の情報に基づいています。質問は実際の相談内容をもとに再構成しています)
【債務整理のとびら】
「借金に悩むあなたへ 未来にひらく選択を」をコンセプトに、朝日新聞社が運営する借金問題の解決をサポートするポータルサイト。役立つ情報をお届けするほか、借金問題の解決に取り組む全国の弁護士や司法書士を探せる機能がある。以下から自治体名をクリックすると、債務整理のとびらと提携している弁護士や司法書士に相談できる。