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アイヌの人たちは湖のことを「ト」とよびました。「ととき」は湖のゆったりとした時を楽しむシリーズ。毎月道内の湖畔の風景をお届けします。一息つきたいあなたへ、湖畔時間の便りです。ちょっとひと休みしましょう。
必ず「霧の」という枕詞がつくほど、摩周湖と霧は関係が深いらしい。だが、この日はよく晴れていた。夏に訪れたときも快晴だった。
晴れの日の摩周湖は美しい。第一展望台には多くの観光客が訪れ、観光バスが何台も止まる。聞こえる言語も多彩だ。皆、眼下の急斜面の下に佇む静かな湖を見下ろす。
湖はそもそも立ち入り禁止だが、岸辺から切り立つ急斜面は人を寄せ付けず、湖畔というのどかな言葉が当てはまりそうな場所も見当たらない。太古の火山の噴火で吹き飛んだ山頂に穴が開き、水がたまったカルデラ湖、という説明が腑に落ちる。湖面には世俗の気配は微塵もない。
見事な夕焼けの日だった。湖の反対側に日が落ちる。夕日を受けた遠くの斜里岳が赤く染まった。夕焼けのオレンジ色がだんだんと力を落とし、展望台のざわつきも消えていく。
冬季でも第一展望台まで道路は通じ、レストハウスも通年営業。冬の摩周湖の眺望が楽しめる。
阿寒湖の温泉街から弟子屈に続く国道241号を約20分ほど走ると、道路脇に双湖台という場所がある。名前の通り、ここから二つの湖が見えるらしい。読む