子どもの頃、郵便受けに朝刊を取りに行くのが好きでした。外に出た時のひんやりとした新鮮な空気を味わいながら、朝に一番乗りできたようなお得な気分になれる、私の一日の始まりの習慣でした。また、中学生の頃には「天声人語」をノートに書き写して学ぶ宿題が毎日あり、少々難しい政治や経済用語に苦労した思い出も。
少し前までは「新聞を読んでいるお父さん」は、多くの家庭の中でもお馴染みの光景で、「昔からの習慣」として毎日手にする身近な媒体であった新聞ですが、ネット時代の今、各家庭の中から姿を消しつつあります。
文部科学省が2021年8月に発表した調査で、「新聞離れ」が小学生にも当てはまる事が示されています。小学生の閲読率は3割程度、新聞を全く読んでいない小学生は7割にも達しています。そもそも家庭で新聞を購読しなくなり、新聞のない環境で成長する子どもが大半を占めているというのが実情です。
そんな中、今の10代にとって「ラジオが新鮮で面白い」と聞いて驚きました。
スマホで好きな時間に好きな音楽を聴くのが当たり前の10代にとって、YouTube動画など、スマホだと自分の選んだ好きな曲しか聴けないが、ラジオは知らない曲と出会えるところが「新しい」「楽しい」というのです。
情報もスマホで簡単に手に入る時代、好きな時間に好きなものを見られる10代にとって、新聞は「読まない」のではなく「読んだことがない」のだと思います。
今の時代、ネットか新聞か?という白か黒かの考え方ではなく、ライフスタイルの中に5分でも10分でも触れてもらえる時間を作り、その中に「なるほど」「へえ」という感情が一つでもあれば「習慣」になっていけるのでないか。これはメディアの多様化で「テレビ離れ」が指摘される我々の業界も同様の課題です。
我が家では、小学生の子ども達が朝日新聞の「しつもん!ドラえもん」をチェックするのが習慣です。かわいいドラえもんのイラストと共に「都道府県は全部で47あるね。どこが最後に加わって、今の47になったのかな?」など、大人でもパッと答えられないような身近な質問が書かれていて、その答えは新聞の中に。宝探しのような気持ちで新聞をめくりながら、その途中で目に留まる見出しや記事も読んでいる様子。「ねえねえ、この漢字なんて読むの!?」ちょくちょくお皿を洗っている私のところへ持ってくるので家事の手を止められてしまうのが、私にとっては若干悩ましいですが、子どもの興味が広がることへの手伝いになるのであれば仕方ない(笑)
HTBアナウンサー 森さやか
夕方の情報番組「イチオシ‼」のメインMCに。
2児の母。北海道でがんばる人を応援できたらと、地域活動などを取材している。ワークライフバランス・コンサルタント。絵本セラピスト。
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