今は昔、昭和の風景を一つ。早朝に新聞受けに新聞が入るコトンという音がします。家の中で早起きした誰かが、それを取りに行きます。素直な子どもがいれば、それは子どもの役割だったりもします。食卓に届いた新聞を取って、お父さんはトイレに行ってしばらく出てこないこともあります。その後、新聞はお父さんの朝ご飯のお供になります。その横でテレビのニュースや朝ドラがかかっているかもしれないですね。新聞を独占されてしまった家族は、仕方なくテレビを見るか、お父さんが新聞を読みながら、ぶつくさヤジを飛ばすのを仕方なく聞いています。
お父さんの興が乗ってしまうと、新聞を持ったまま職場に行ってしまうこともあるでしょう。昭和のサラリーマン達は満員電車の中で新聞を十折りくらいに手のひらサイズに折り畳み、極小空間でも軽業師のように活字に目を走らせるのが得意でした。かくして一日を過ごした新聞は、夕刻家庭に持ち帰られ、家族は夕刊を読んだあとに皺だらけの朝刊を読むことになります。ただしお父さんが朝刊を持って帰るのを忘れなければ……。ああ、昭和は遠くなりにけり。
もちろん今はこんな専制君主的なお父さんは絶滅危惧種でしょう。だいたい新聞はお父さん専用の読み物ではありません。お母さんもお兄ちゃんもお姉ちゃんも、おじいちゃんもおばあちゃんも読みます。そして、この「新聞が一つしかない問題」はデジタルによって根本的に解決されたのです!
朝日新聞デジタルの有料会員(ダブルコース、プレミアムコース)は、同居の家族ならば同じIDで4人まで利用できます。ログインの順番を待つ必要はありません。4人まで、同時アクセスが可能です。家にいるときはもちろん、通勤や通学中、出張中や旅行中、いつでも読めます。
もう一ついいのがスクラップ(切り抜き)機能。家族が切り抜いた新聞の裏に読みたい記事があったのに!ということがありません。前回ご紹介しましたが、この機能を利用すれば、切り抜きたい記事は瞬時にデジタルのマイページに保存されます。あとで切り抜こう、でも忘れる、がありません。そしてこの副産物としていいなと思うのが、家族の共通スクラップブックができることとです。「あれ、こんな記事がスクラップされている。なんだろう?」と、家族の会話にもつながるかもしれません。
さらに面白く使えそうなのが、スクラップに付けられるメモ機能です。スクラップした記事に、自分の感想や考え、何でもいいのですが、メモを付け加えることができます。
例えばこんなのはどうでしょう?
最近、中学校の制服に名札をつけることについて、学校とPTAの間で意見の相違があったという記事があり興味深く読みました。先生達は名札をつけるのが子供たちが悪いことをしない抑止力になるといい、親は個人の情報が特定されるのについて懸念しているけれど、話がかみ合わない、という内容でした。面白かったのでポチッとスクラップ。メモに「昔は名札付けるの当り前だったなあ。そういえば今の中学生はつけてないんだっけ?」
こんなメモに家族が反応してくれたら面白いですよね。これもデジタルならではの新聞の使い方だと思います。
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