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今回は「編集委員」という肩書きの方に話を聞きました。新聞社の編集委員ってどんな仕事をする人なんでしょう。
− 初めて「編集委員」という人にお話を伺います。そもそも編集委員って記者さんなんですか。
堀篭(以下「堀」):はい、そうです。専門分野を持って記事を書く記者のことをいいます。政治、経済、科学、スポーツなどいろいろな分野があり、ほとんどがベテラン記者ですね。私は経済の編集委員です。
− 地方にも編集委員がいるのでしょうか。
堀:経済の編集委員は国内に8人。内訳は東京3人、大阪、名古屋、西部(九州)、福島、北海道にそれぞれ1人います。
− 経済畑の取材が長かったのですか。
堀:地方支局以外では、経済部という部署に属し、日銀、金融関係、電機メーカー、流通などを担当していました。中でも金融関係が長かったですね。社会の構造的な背景を描けるのは経済ではないかと思い、希望を出して経済部になりました。
− 久しぶりの北海道ですね。
堀:初任地は函館だったので、約30年ぶりの北海道勤務です。このあいだ函館に行ってきたのですが、駅舎はきれいになったけれど、駅前の地盤沈下を感じました。みずほ銀行が撤退し、棒二森屋というデパートも無くなっていました。少子高齢化が進む日本の中でも、さらにそれが顕著なのが北海道です。産まれる子どもの数が減り、さらに他の地域に出て行く人口流失がある。これは新聞社全体で考えていかなくてはならない重要なテーマだと思いますね。
− JR北海道の廃線の記事がありました。新幹線開通で平行する在来線が廃止されたら、貨物列車が走らなくなり、物流が困るという話でした。
堀:函館本線の函館〜長万部間ですね。約30年前に担当していた地域です。この路線の廃止問題が地元で議論されていることを知りました。7市町があるのですが、それぞれの自治体では負担が大きくてとてもまかなえない。廃線やむなしとなるのが合理的な判断です。ですが、国全体として考えれば、北海道の農作物が大都市圏に届かなくなるのは困る。個々では最適の判断が全体としてはそうはならない、経済用語で「市場の失敗」とも言われますが、まさにその例でした。
− 本当にどうなってしまうのでしょう?
堀:国も問題意識を持っているので、自治体の判断を優先して廃線ということにはならないと思います。JR北海道、JR貨物、道、国土交通省の間で議論が続いていますが、この号が発行されるころにはある程度の方向性が定まっているかもしれません。(※2025年度に結論を出すことになった)
− これは他地域の新聞にも掲載されたのですね。
堀:地域色豊かなローカルニュースを全国の地域版に届けるという、全国紙ならではの企画の一貫です。
− それぞれに見出しが違ったようですね。
堀:そうなんです。見出しというのは記者のコントロールがきかないところなんです。記者が見出しをつけるとどうしても自分の思いが強くなってしまうので、見出しは第3者の目で見て、編集者が決めることになっています。
− 他に追っているテーマはありますか。
堀:寿都と神恵内の核のゴミ処理場建設の問題、千歳に建設が予定されている半導体製造工場のラピダス、ツルハドラッグを所有するツルハホールディングスが香港のファンドからアタックを受けている件などでしょうか。
− ツルハでそんなことが起きていたんですね。
堀:ツルハは道内に本社を置く企業の中で初めて売上が一兆円を超えるかもという企業なんです。そして、香港のファンドがツルハの大株主となり創業家支配に問題を提起し始めました。ファンドとツルハの両者にインタビュー取材をすることができましたが、8月上旬の株主総会まで予断を許しません。外国からの影響という点では、ニセコ地域の外国企業による森林の買い付けも問題となっています。北海道の再生可能エネルギーにも興味があります。経済の編集委員として、引き続きウオッチしていきたいと思っています。
堀篭俊材(ほりごめとしき) 編集委員 千葉県生まれ。1989年朝日新聞社入社。函館、甲府、東京、名古屋、大阪を経て、2022年4月から北海道報道センター勤務。主に経済畑が長く、北海道でただ1人の編集委員。
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