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「塩狩峠」は三浦文学の中でも人気が高い。明治42年2月28日にあった事故を題材にした作品。列車の連結器が外れ、最後尾車両が逆走。脱線の危機を、乗り合わせた青年、長野政雄が自分の身を線路に投げだして列車を停止して止めた実話を基にしている。現場近くのJR塩狩駅は無人駅だが、近くには「長野政雄氏殉職の碑」が建つ。小説内では長野は「永野信夫」で、結納のため札幌に向かう途中で日中という設定。実際の事故は夜だった。今も2月28日には塩狩のユースホステルや和寒町によるキャンドルナイトが行われている。
恵庭市にあるすずらん乗馬クラブは今年で創設43年目を迎える。積もった雪の向こうに、乗馬を楽しむ人の姿が見える。数頭の馬が規則正しく円形の馬場を回っている。リアルなメリーゴーラウンドみたいだ。例年にない大雪で、遠くからは鞍に乗った人と馬の頭しか見えないほど雪は深い。聴こえるのはリズミカルな馬の足音と、指導員の声、馬の呼吸。周りには平原が広がる。JR恵み野駅から徒歩10分のところにあるとは信じられない。
表紙の司馬遼太郎さんの言葉は、こう続く。「とくにオホーツク海岸がいい。幸い一九九二年正月二日、叶えられた。夕刻、千歳空港に着いた」 この旅に同行したのが、週刊朝日編集部の村井重俊さん。表紙にある道庁近くの横断歩道で村井さんと司馬さんが交わした洒脱な会話は、「街道をゆく オホーツク街道」に載っている。1971年に始まり、司馬さんが亡くなる1996年まで連載された「街道をゆく」の、5人目にして最後の担当者。1983年に入社し、1989年から担当となった。
帯広の中心部から東へ約10キロ、車なら20分ほどで音更町の十勝川温泉に着く。この地域を西から東に流れる十勝川の北側、平野の中に現れる温泉地は「モール温泉」で名高い。温泉地から緩やかな斜面を登った丘の中腹に、真新しい建物がある。「十勝ラクレット モールウォッシュ」チーズの熟成庫だ。
1971(昭和46)年12月15日水曜日。 札幌オリンピックを50日後に控えた札幌の街に、初めて地下鉄が走った。南北線の真駒内〜北24条間の12.1Kmが開通。この日は大通駅で開通セレモニーや招待乗車が行われただけで、営業運転は翌16日木曜日の朝からだった。全国の都市の中では4番目、東京以北で初めての地下鉄が開業した。
表紙の写真は、厚岸のアサリ漁の風景だ。左側はカキとアサリ漁を営む大澤水産の大澤茂人さん。右側にいるのは田中一真さん、魚のバイヤー(買付け人)だ。美味しい北海道の海の幸を求めて全道を動き回り、漁師さんに直にコンタクトし、現場を見せてもらう。普通のバイヤーと違うのは、常に漁の様子を取材し動画や写真に収めるため、カメラを手放さないことだ。
札幌から車で約90分、小樽からさらに西へ進むと仁木町に着く。隣の余市町と共に果樹栽培が盛んなところだ。トマトやサクランボが有名だが、とあるブドウ園で北海道らしからぬ風景に出会った。ブドウ棚からいっせいに垂れ下がっているのは、青色の袋がかかった見るからに大きそうなブドウ。生産者に袋を外してもらうと、現れたのは輝くような黄緑色、はちきれんばかりの実がついたシャインマスカットだ。これまで北海道ではできないと言われた大粒ブドウ。ついに北海道にも大粒ブドウの時代がやって来るのか。
どろだらけの豚たち 帯広から太平洋岸の南へ向かって車を走らせること約1時間、幕別町忠類にある「エルパソ牧場」に着く。斜面のある30ヘクタール(サッカーコート約42面分)の敷地に、常時約800頭の豚が放牧され、「どろぶた」の名で出荷される。出迎えてくれたのは、豚のイラストと「どろぶた」の文字がついた紺色のオーバーオールを着た、牧場主の平林英明さんだ。
苫小牧市の住宅街、一見ふつうの住宅ように見える建物だが、玄関をくぐると、高級日本料理屋に足を踏み入れたような、なんともいえない優しい香りに包まれる。 ここは鰹節や昆布などの卸業者「永見」。今年で創業60年を迎える。店を切り盛りするのは、2代目で社長の桃井一元(かずもと)さんと、弟の赴(たけし)さんだ。一元さんは、聞き慣れない資格だが「だしソムリエ」の最上級資格、1級のさらに上の「協会認定講師」を北海道で初めて取得した、だしのプロフェッショナルだ。「だしソムリエ協会」が認定している。日本のだしだけでなく、西洋料理、中華料理等、世界のだしの知識も問われる。
昨年夏、一片の小さなニュースが目に留まった。世界のお茶を販売する「ルピシア」が、本社(本店所在地)を東京からニセコに移転する、というのだ。ルピシアといえば、さまざまな種類の紅茶や緑茶、ブレンドティー、ハーブティーや関連商品などを扱うお茶の専門店で、札幌の地下街にもお店がある。日本全国にもショップは多数、ハワイ、フランス、オーストラリアにも店舗があり、世界に展開している。薄くて丸い、かわいらしい缶に入ったパッケージはおなじみだ。