朝日IDをお持ちの方はこちらから
AFCのログインIDをお持ちの方(2024年7月31日までにAFCに入会された方)はこちらから
新規入会はこちらから(朝日IDの登録ページが開きます)
札幌市民交流プラザ2階にある札幌文化芸術交流センターSCARTSは、美術館や劇場とは異なる、実験的かつ分野横断的なアートを対象とした施設。札幌市はユネスコ創造都市ネットワーク加盟後、文化政策に力を入れ、老朽化したニトリ文化ホールの代替劇場建設と共に、作り手や観客を支援する場としてSCARTSを構想。アートマネジメント人材育成やまちづくり支援など、独自の機能を持つ公的アートセンターとして誕生した。
2025年4月22日
凍てつく冬空に、星が瞬き始めた午後5時30分。札幌・シアターキノの斜め向かいにある小学校の校舎は、煌々(こうこう)と明かりが灯っていた。机に向かうのは、数人の大人たち。年齢も国籍もバラバラ。でも、和気あいあいとした雰囲気で、何だか楽しそうだ。ここは、札幌市立星友館中学校。道内で初めて設置された、札幌市の公立夜間中学である。
2025年3月17日
昨年12月22日、まちのあちこちにクリスマスツリーやキラキラしたオーナメントが飾られるなか、向かったのは札幌市郊外にある札幌市下水道科学館。1階のホールに入ると、中央に置かれた大きなテーブルの上に、カラフルなおもちゃが所狭しと並んでいる。音の出る絵本、オルゴール、ワンと鳴く犬のぬいぐるみ、電池式の動く恐竜、ラジコンカー……。
2025年2月17日
旭川から大雪山系に向かって北東へ約15キロ。東川町は人口約8600人の町。北海道の地方にありながら、移住者も多く1993年の7000人強から今に至るまで人口が増えている珍しい自治体だ。そんな町の郊外に、ユニークな学びを提供する場所がある。「コンパス(Compath)」という「学校」だ。 小学校でも中学校でも高校でも専門学校でも大学でもない。通っても卒業証書は出ないし、資格も取れない。
2025年1月20日
午後7時。札幌駅北口にある公共施設エルプラザの一室。今日は祝日にも関わらず、貸会議室の一室に大学生たちが6人集まっていた。週一回行われている、北海道大学新聞編集部の定例会議だ。編集部には21名が所属し、中心的に活動するのは11名だ。学部の1〜2年生が多い。部長で法学部2年生の赤松陽菜子さんが司会を務めて、会議が進行していく。
2024年12月16日
私たちの日本語 日本語学習ボランティア 北見 YMCA いろはの会
社員寮の共同キッチンには、エスニックレストランのようなアジアの香りが漂っていた。料理をしていたのは、北見日産自動車にメカニックとして勤務しているベトナム人男性7名。何名かで、あるいは1人で、それぞれが自分の好きなものを作っている。一緒に食べているのは、彼らに日本語をボランティアで教えている「北見YMCAいろはの会(以下いろはの会)」の中原久美子さん。
2024年11月18日
「幌加内には二度雪が降る」と言われる。一度目の雪はもちろん冬。北海道でも有数の豪雪地帯。1978年は非公式ながらマイナス41.2度という日本最低気温を記録した極寒の地でもある。 二度目の雪は夏。7月下旬頃から、町に広がるそば畑が、そばの白い花で真っ白に覆われる。その見事な風景を楽しみに、訪れる観光客も多い。 旭川から幌加内町中心部まで、北西方面に車で約50分。人口約1200人の過疎の町。
2024年10月21日
ふるさとの山を国立公園に日高山脈襟裳十勝国立公園が誕生 中札内と日高山脈
とかち帯広空港から南へ、畑の中のまっすぐな道を車で走ると遠くに山が見え始めた。日高山脈だ。峻険な峰々が畑の向こうにせり上がり、大地を見下ろすように左右に連なっている。中央に位置するのが十勝幌尻(ポロシリ)岳(1846メートル)。
2024年9月17日
帯広から北西方向に約32キロに位置する鹿追町は酪農や畑作が盛んな町だ。大雪山国立公園の南の端、然別(しかりべつ)湖があり、十勝らしい大地の広がりの中にあるこの町は「過疎」に指定されている。そんな町に、30年以上続いている「山村留学」制度があると聞いて訪ねてみた。全国の小中学生が親元を離れ、1年間(延長も可)同町の瓜幕(うりまく)小学校、または瓜幕中学校に通う。
2024年8月20日
不動産屋のはずなのだが、写真付き の「3LDK、駐 車 場 付 き、○○万 円」と いう貼り紙はそのガラス窓にはない。函 館山の麓に広がる「旧市街」と呼ばれる 函館の観光スポット、坂があり教会が立 ち並ぶ地域に調和するようにこじんまりと したオフィスがある。店にいたのは蒲生 寛之さん。祖父の代から 50 年以上続く、 宅 建 業・株 式 会 社 蒲 生 商 事 の 常 務 取 締 役 だ 。
2024年7月17日
昼休みの小学校の教室はにぎやかだ。午前中の授業が終わり、一息つくお昼頃。そして、ちょうどお腹がすいたころに漂ってくるおいしそうな匂い。そう、給食の時間なのだ。訪れたのは倶知安町立東小学校(表紙の写真)。頭に色とりどりの三角巾をつけた子どもたちがにぎやかに動き回る。教室の黒板前が配膳場所だ。給食当番が、おかずを取り分ける。この日の献立は、塩ちゃんこ汁、焼きサバ、ホウレンソウともやしの磯和え、ご飯、牛乳だった。5月だったので地元産の食材はまだ少なかったが、お米は倶知安産、豆腐はニセコ、ダイコンは函館。牛乳は仁木町の倉島乳業のものだ。その他の食材も国内産で、外国産食品はサバだけだ。
2024年6月17日
メディアを考える若者座談会の第2弾です。第1回は本誌第215号(2022年7月)で「Z世代と新聞〜若手新聞記者と大学生が話してみた」として特集しました。
2024年5月20日
びよよーん、と響く独特の音色。アイヌ民族の特徴的な楽器として真っ先に思い浮かぶのが、竹製の楽器「ムックリ」だ。弁の振動を口腔で響かせる「口琴」と言われる楽器だ。全長約15センチ、幅は太いところで約2センチ、途中から1センチほどに細くなる。真ん中に切れ目が入っていて、これが動いて弁となる。
2024年4月16日
仕事柄、名刺はすぐにたまる。デジタル化してしまうのが常なのだが、今回の取材でいただいた名刺は、ちょっと長いあいだ手元に置いておきたくなった。和紙や特別な紙でできているからだ。手に触れたときの紙の感触は、やっぱりいいものだ。紙という「モノ」の力を感じる。ということで、今回は北海道で作られる和紙の話だ。
2024年3月19日
夕張郡長沼町。大きな空、広がる大地、札幌から1時間以内で、典型的な北海道を思わせるような風景に出合える。もともと、そして今も、ここは農業が産業の中心の地帯だ。大豆の生産量は北海道一を誇る。 観光名所となるような、山や海や湖がある訳ではない。人口約1万人。そんな小さな町に、およそ15店のカフェ、5店のベーカリー、10店の雑貨屋があり、観光客入込数は年間約185万人と、ここ数年で倍近くに伸びている。人気の道の駅「マオイの丘公園」は通年にぎわい、春から秋にかけては近隣農家の新鮮な野菜を買いに来る人も多い。
2024年2月19日
午前4時、十勝・幕別町のとある公園の駐車場。漆黒の暗闇の中、照明に照らされて、何か見たこともない物体が浮かび上がっている。透明なビニールのようなものでできた気球だ。気球の下には丸いカプセルのようなものがついていて、何本ものロープで地上に係留されている。気球には近くのトラックに積まれたボンベからヘリウムガスの注入が続いている。
2024年1月15日
札幌市南区常盤にあるプレハブ2階建ての建物が「三島木工」の工房だ。1階の引き戸をがらりと開けた瞬間から、ふわりと木の香りに包まれる。1階には丸のこやカンナの大型機械が鎮座し、ところどころに長さ2メートルを超えるような木材が無造作に立て掛けられている。細かい作業を行う2階の仕事場からは、かけっぱなしのラジオの音が聞こえる。急な鉄製の階段を上って2階に行くと、作業着に身を包んだ職人さんが1人で手を動かしている。三島俊樹さん。2024年3月に80歳になる。
2023年12月18日
札幌から一路北へ。JRなら宗谷本線で名寄まで行き、バスに乗り換えて20分。高速なら道央道を終点の士別剣淵で降り、名寄を通って下川町に着く。約3時間。内陸の町、東京23区と同じくらいの面積があり、その約90%が森林だ。現在の人口は3000人弱。かつて1960年のピーク時には1万5000人強だった。北海道の地方にある町村と同じように人口減と高齢化が進んでいる。 7年ほど前から町が本腰を入れはじめたのが移住政策とタウンプロモーションだ。「移住コーディネーター」という肩書きを持った、移住専門の町のスタッフも人いる。
2023年11月20日
帯広から南東方向に約50キロ、太平洋の海岸線に突き当たったところに、「十勝発祥之地」の石碑がある。ここは豊頃町の大津海岸。明治の頃、ここから開拓民たちが上陸し内陸に向けて大地を拓いていく足がかりとした場所だ。今は、厳冬期に十勝川から流れ出る氷が浜に打ち上げられる「ジュエリーアイス」が見られる場所として知られ、大津漁港もある。
2023年10月16日
摩周湖の第一展望台がたいそうきれいになった、と聞いて出かけてみた。最後に訪れたのはもう10年近く前だろうか。駐車場に隣接するおみやげ屋の建物の屋上。コンクリートの床に鉄の柵。おみやげ屋もよくある観光地の雑然としたイメージだったと記憶している。 さて、久しぶりの摩周湖である。弟子屈町の阿寒摩周国立公園内にある。駐車場は昔のままだ。だが建物の玄関の横はすっきりして、そこに「摩周湖カムイテラス」の文字があった。そう、これが新しい展望台の愛称らしい。
2023年9月19日
北海道を代表する観光地、小樽。その目玉は何といっても小樽運河だろう。コロナも落ち着き、運河の周辺は観光客でごった返している。2023年は運河が完成してから100年目となり、さまざまな行事も予定されている。その節目の年に、小樽の町を歩いた。
2023年8月21日
道南の渡島半島真ん中あたりのちょっと細くなったところ、その日本海側に八雲町の熊石漁港がある。5月下旬のある日の早朝、漁師用のツナギのカッパを身につけた人たちが三々五々集まって来た。漁港の埠頭のそばの海には直径20メートルほどのいけすが2つ並んでいる。これから始まるのは、このいけすで養殖されたトラウトサーモンの水揚げだ。
2023年7月18日
不定期シリーズ「住めば都」。今回は十勝北部に位置する上士幌町を訪れた。北海道の中でも早くから移住政策に取り組んできた自治体だ。 初夏を思わせる十勝晴れの空の下、表紙の写真を撮るために集まってもらったのは道外から上士幌に引っ越して来た人たち。場所は移住を希望する人たちのために町が作った体験住宅の前だ。家の前には牧草地が広がり、遠くには山並みが見える。
2023年6月19日
北海道の初夏を告げる野菜といえば、アスパラは欠かせないだろう。みずみずしい緑の茎、甘みとほのかな苦味。さっと茹でて、軽く炒めて。鮮度が落ちるのが早い作物だから、採れたてのアスパラを食べられるのは北海道民の特権ともいえる。 北海道を代表する農作物といえるアスパラが本格的に栽培されるようになったのはそれほど古い話ではない。話は昭和初期に遡る。一人の熱心な研究者がいた。その名を下田喜久三という。地元では親しみを込めて「下田博士」と呼ばれる。1895(明治28)年岩内に生まれた。東京薬科大の前身、東京薬学校を卒業し、家業の肥料店を手伝うかたわら農家に化学肥料の使い方を指導していた。1913(大正2)年の大規模な冷害を体験した下田は、北海道の風土にあった冷害に強い作物を作る必要を痛感した。そこで目をつけたのがアスパラだった。
2023年5月16日
札幌市清田区にある平岡公園は梅の名所として知られる。園内には約1200本の梅が植えられ、北海道でも有数の規模の梅林だ。閑静な住宅街の中にある広大な公園で、面積は66.4ヘクタール。東京ディズニーランドの約1.3個分の広さがある。公園の真ん中を道央自動車が貫通しているのもユニークだ。梅林があるのは西地区と言われる高速道路の南西側だ。春の訪れとともに、梅の咲き誇る季節がやってくる。
2023年4月18日
札幌圏の空港といえば新千歳空港が思い浮かぶが、もう一つの空港が「丘珠(おかだま)」だ。正式名を「札幌飛行場」という。年間の旅客数約27万人(2019年)、札幌市営地下鉄東豊線栄町駅から約1.5キロの距離にあり、札幌都心にも近い。道民にはプロペラ機の空港としてなじみが深いかもしれないが、2016年からは積雪期を除き定期便でFDA(フジドリームエアラインズ)がジェット機を運航している。新千歳という大空港に隠れて目立たない存在ではある。そんな丘珠空港を訪ねてみた。
2023年3月20日
オリンピックでの北海道勢の活躍もあって、すっかり人気のスポーツとなったカーリング。北海道は日本でも競技人口がいちばん多く、日本カーリング協会に所属するチームも、カーリング場の数も日本一だ。日本でカーリングが最初に行われたのは、1977年の池田町が最初だったと言われる。
2023年2月20日
2022年8月末日現在、北海道庁のデータによれば北海道には約515万人が暮らす。人口のピークは1997年の約570万人で、以降人口は減り続けている。全国の人口のピークは2008年だったので、北海道は時代に10年先駆けて人口減少局面に入ったと言える。同時に進むのが札幌圏への人口集中だ。1970年には北海道の人口の約5分の1が札幌圏に集中していたが、現在はそれが4割を超え2分の1に迫ろうという勢いだ。
2023年1月16日
牛は草を食べる動物だ。自然界では穀物は食べない。日本で人気が高い脂ののった霜降り牛肉は、たっぷりと穀物を与えて育てた結果だ。つまり、人間の手助けがないとできない牛肉だ。その餌となる穀物などの飼料は、そのほとんどを海外からの輸入に頼っている。その供給が途絶えれば、霜降りの和牛を作ることは相当難しくなるだろう。そして、昨今の世界情勢による飼料価格の高騰で、その心配が杞憂とも言っていられない状況にある。 輸入飼料に頼らずに、国産の飼料のみで肉牛を育てる牧場は圧倒的な少数派だが、その重要なプレーヤーが、道内にある二つの大学の牧場だ。
2022年12月19日
10月のとある秋晴れの土曜日、一体の野外彫刻の周りに十数名の人が集まっていた。ふつうの鑑賞者と明らかに雰囲気が違う。手に手にブラシや歯ブラシ、バケツやぞうきんを持ち、ホースや脚立、ガスバーナーまで用意されている。帽子をかぶった男性の説明を聞きながら、彫刻にホースで水をかけ、ぞうきんでふき取り、ブラシで汚れを落としていく。
2022年11月21日
「漢方」ってなんだろう。漢方は、5~6世紀以降に中国から伝わった医学に、日本独自の要素を加えて作られたわが国固有の医学体系だ。江戸時代後期にヨーロッパから伝来した西洋医学はこれに対して「蘭方」と言った。漢方で使われる薬は「漢方薬」。西洋医学の薬を信奉しがちで、「漢方薬って本当に効くの」と思っているとしたら、ちょっとだけ、ここから始まる話を聞いてほしい。
2022年10月17日
1922(大正11)年8月1日、札幌、函館、小樽、旭川、釧路、室蘭の道内の6市は一斉に市制が施行された。今年はその100周年にあたる。 表紙の写真は当時道内で最大の人口を誇った函館で、市制施行記念行事が行われた「旧函館区公会堂」の2階大広間だ。(「区」は当時は「區」)。
2022年9月20日
午前3時半、ほとんど車の走ってい ない札幌の街。札幌市中央区北12条西20丁目の一角に、札幌ドームの約2.5倍の敷地を占める札幌市中央卸売市場がある。ここのゲートをくぐるとそこは別世界。場内は市場用の荷物運搬車(通称「モートラ」「ターレ」)が天然ガスエンジンの音を響かせながら縦横無尽に走り回る。番号のついた帽子をかぶった人たちがせわしなく行き来する。時折聞こえる大きな声。これから始まる競りの準備だ。
2022年8月15日
1990年代半ばから2010年頃までに生まれた世代を「Z世代」というらしい。年齢でいうと、27歳からティーンエージャーくらいまでになる。生まれたときからインターネットやスマホが身の回りにあることから「デジタルネイティブ」世代とも言われる。
2022年7月19日
本誌が手元に届く6月中旬頃、恵庭のまちは花があふれる季節を迎える。 表紙の写真は同市の花苗業者「サンガーデン」の温室の中。作業しているのは同社の専務取締役・山口展正さんだ。6月25日から恵庭市で開かれる「北海道ガーデンフェスタ2022」(以下「ガーデンフェスタ」)に向けて、花苗の出荷準備に追われていた。
2022年6月20日
高校生からのメッセージ 〜SDGs QUEST みらい甲子園
道東の酪農地帯、中標津。中標津農業高校の実験室で、生徒たちがペットボトルに入った赤い液体をゼリー化する実験をしていた。液体の正体は光合成細菌だ。詳しい説明は省くが、光合成ができる細菌で、これを野菜栽培に利用できないかと研究している。
2022年5月16日
「塩狩峠」は三浦文学の中でも人気が高い。明治42年2月28日にあった事故を題材にした作品。列車の連結器が外れ、最後尾車両が逆走。脱線の危機を、乗り合わせた青年、長野政雄が自分の身を線路に投げだして列車を停止して止めた実話を基にしている。現場近くのJR塩狩駅は無人駅だが、近くには「長野政雄氏殉職の碑」が建つ。小説内では長野は「永野信夫」で、結納のため札幌に向かう途中で日中という設定。実際の事故は夜だった。今も2月28日には塩狩のユースホステルや和寒町によるキャンドルナイトが行われている。
2022年4月18日
恵庭市にあるすずらん乗馬クラブは今年で創設43年目を迎える。積もった雪の向こうに、乗馬を楽しむ人の姿が見える。数頭の馬が規則正しく円形の馬場を回っている。リアルなメリーゴーラウンドみたいだ。例年にない大雪で、遠くからは鞍に乗った人と馬の頭しか見えないほど雪は深い。聴こえるのはリズミカルな馬の足音と、指導員の声、馬の呼吸。周りには平原が広がる。JR恵み野駅から徒歩10分のところにあるとは信じられない。
2022年3月22日
表紙の司馬遼太郎さんの言葉は、こう続く。「とくにオホーツク海岸がいい。幸い一九九二年正月二日、叶えられた。夕刻、千歳空港に着いた」 この旅に同行したのが、週刊朝日編集部の村井重俊さん。表紙にある道庁近くの横断歩道で村井さんと司馬さんが交わした洒脱な会話は、「街道をゆく オホーツク街道」に載っている。1971年に始まり、司馬さんが亡くなる1996年まで連載された「街道をゆく」の、5人目にして最後の担当者。1983年に入社し、1989年から担当となった。
2022年2月21日
帯広の中心部から東へ約10キロ、車なら20分ほどで音更町の十勝川温泉に着く。この地域を西から東に流れる十勝川の北側、平野の中に現れる温泉地は「モール温泉」で名高い。温泉地から緩やかな斜面を登った丘の中腹に、真新しい建物がある。「十勝ラクレット モールウォッシュ」チーズの熟成庫だ。
2022年1月17日
1971(昭和46)年12月15日水曜日。 札幌オリンピックを50日後に控えた札幌の街に、初めて地下鉄が走った。南北線の真駒内〜北24条間の12.1Kmが開通。この日は大通駅で開通セレモニーや招待乗車が行われただけで、営業運転は翌16日木曜日の朝からだった。全国の都市の中では4番目、東京以北で初めての地下鉄が開業した。
2021年12月20日
表紙の写真は、厚岸のアサリ漁の風景だ。左側はカキとアサリ漁を営む大澤水産の大澤茂人さん。右側にいるのは田中一真さん、魚のバイヤー(買付け人)だ。美味しい北海道の海の幸を求めて全道を動き回り、漁師さんに直にコンタクトし、現場を見せてもらう。普通のバイヤーと違うのは、常に漁の様子を取材し動画や写真に収めるため、カメラを手放さないことだ。
2021年11月16日
札幌から車で約90分、小樽からさらに西へ進むと仁木町に着く。隣の余市町と共に果樹栽培が盛んなところだ。トマトやサクランボが有名だが、とあるブドウ園で北海道らしからぬ風景に出会った。ブドウ棚からいっせいに垂れ下がっているのは、青色の袋がかかった見るからに大きそうなブドウ。生産者に袋を外してもらうと、現れたのは輝くような黄緑色、はちきれんばかりの実がついたシャインマスカットだ。これまで北海道ではできないと言われた大粒ブドウ。ついに北海道にも大粒ブドウの時代がやって来るのか。
2021年10月18日
どろだらけの豚たち 帯広から太平洋岸の南へ向かって車を走らせること約1時間、幕別町忠類にある「エルパソ牧場」に着く。斜面のある30ヘクタール(サッカーコート約42面分)の敷地に、常時約800頭の豚が放牧され、「どろぶた」の名で出荷される。出迎えてくれたのは、豚のイラストと「どろぶた」の文字がついた紺色のオーバーオールを着た、牧場主の平林英明さんだ。
2021年9月21日
苫小牧市の住宅街、一見ふつうの住宅ように見える建物だが、玄関をくぐると、高級日本料理屋に足を踏み入れたような、なんともいえない優しい香りに包まれる。 ここは鰹節や昆布などの卸業者「永見」。今年で創業60年を迎える。店を切り盛りするのは、2代目で社長の桃井一元(かずもと)さんと、弟の赴(たけし)さんだ。一元さんは、聞き慣れない資格だが「だしソムリエ」の最上級資格、1級のさらに上の「協会認定講師」を北海道で初めて取得した、だしのプロフェッショナルだ。「だしソムリエ協会」が認定している。日本のだしだけでなく、西洋料理、中華料理等、世界のだしの知識も問われる。
2021年8月16日
昨年夏、一片の小さなニュースが目に留まった。世界のお茶を販売する「ルピシア」が、本社(本店所在地)を東京からニセコに移転する、というのだ。ルピシアといえば、さまざまな種類の紅茶や緑茶、ブレンドティー、ハーブティーや関連商品などを扱うお茶の専門店で、札幌の地下街にもお店がある。日本全国にもショップは多数、ハワイ、フランス、オーストラリアにも店舗があり、世界に展開している。薄くて丸い、かわいらしい缶に入ったパッケージはおなじみだ。
2021年7月19日
6月。北海道に初夏を告げる季節だ。まだ肌寒い日もあるけれど、からりと晴れた日、湿気のない爽やかな風を肌に感じるとき、この地に暮らす幸せを感じずにはいられない。そんなとき、どこからともなく漂ってくる甘い優しい香り。道外出身の筆者にとって、これがアカシアの香りとわかったのは住み始めて何年か経った頃だ。今では、その香りを鼻先に感じると、「ああ夏が来たな」と思うようになった。
2021年6月21日
今から約7200万年前、ユーラシア大陸の海沿いで一頭の恐竜が死んだ。 そして、その死体は海に流された。海辺で死んで高波にのまれたのか、洪水や津波があって溺れて死んだのか、知る由もない。中生代の白亜紀後期といわれるこの時代、今の北海道があるところはほとんどが海で、後に北海道を形作る陸の「かけら」があるだけだ。 恐竜の死体は海中を漂い、周りを泳ぎ回っていただろうアンモナイトやカメ、海を泳ぐ大きなトカゲや首長竜などに捕食されることもなく、海底に沈み、その上に土砂が堆積し、深く埋もれた。それから約1000万年以上が経ったころ、恐竜やアンモナイトを含む地球上の生物の多くが絶滅した。巨大隕石の衝突による気候変動が原因というのが定説だ。 仲間は誰もいなくなった。埋もれた恐竜はそんなことも知らずに、海の底で眠り続ける。ただ時だけが流れた。 約3000万年前、恐竜が埋もれた海底は地殻変動により海中からせり上がり、陸となり日高山脈の元を形づくり、約2万年前には、だいたい今の北海道の形ができたと言われる。
2021年5月17日
少年トトと映写技師アルフレードの交流を通し、あふれんばかりの映画愛を描くイタリア映画『ニュー・シネマ・パラダイス』が公開された1989年、日本にはレンタルビデオ店が出始め、映画館の数は最盛期の半分以下に落ち込んでいた。それから30年余り。テレビは大型化し、DVDや映像配信サービスなどが普及。いまや映画は、いつ・どこでも、何度でも観ることができる。とはいえ、一度でも体験した方なら、映画館で観る楽しさをご存じのはず。複数のスクリーンを持つシネコンが台頭する中、コロナ禍を耐え、北海道各地で奮闘する市民出資のミニシアター3館と老舗の単館映画館を訪ねた。
2021年4月19日
表紙の写真、テーブルを囲んでくつろぐのは、赤坂京子さんとスイス人の夫トーマス・ビュルキさん、3歳半になる娘の愛來(あいら)ちゃんだ。大きな窓からは淡い光が差し込み、隅々まで掃除が行き届いた部屋にはところどころにパッチワークのタペストリーがかけられ、とても居心地がよい。だがここは家庭のリビングではない。札幌市手稲区にあるドナルド・マクドナルド・ハウス さっぽろ(以下「さっぽろハウス」)という施設の中だ
2021年3月16日
札幌・すすきのにあるビルの2階の一角。そこだけちょっと時間がゆっくり流れているような、不思議な空間だ。長い廊下に沿った壁一面にガラスのショーケース、その中にさまざまな絵が掛けられている。「北海道画廊」の看板が控えめにかかる。画廊は5つの部屋に分かれ、計約100坪の面積がある。どの部屋の壁面も絵で埋まり、床にも額装された絵が箱に入って無造作に置かれている。
2021年2月16日
帯広から車で南東方面に海を目指すと、約1時間15分ほどで豊頃町の大津海岸に着く。ここに厳冬期だけ見られる光景がある。十勝川で凍った氷が河口から海に流れ出し、透明な氷が砂浜に打ち上げられる。この光景、実は昔からあるのだが、2012年「ジュエリーアイス(宝石の氷)」という名前がつけられ、一気に人気が高まった。
2021年1月18日
北海道の小豆は国産シェア9割。秋が涼しいと、小豆は渋み少なく色は赤く熟すから、道東、十勝は名産地だ。 だが、作付面積は減っている。2019年、北海道菓子工業組合は行政やホクレンと小豆の供給について話し合った。 「北海道産小豆使用」という事実が、お菓子のブランド価値にも関わるからだ。
2020年12月21日
シュトレン?シュトーレン? クリスマスの季節、すっかりなじみ深い食べ物になりました。日本では「シュトーレン」が一般的でしたが、原語のドイツ語に近いのは「シュトレン」。記事中では「シュトレン」で統一しました。お店でもまちまちで、記事以外では商品名としての呼び方にならっています。
2020年11月16日
まだ残暑が厳しい9月5日、札幌・すすきのにある成田山新栄寺のホールには、笑い声が響き渡っていた。いつもは荘厳な読経の声が流れる場所が笑いの場になったのは、ここで「第26回狸寄席」が開かれていたからだ。コロナ禍により、予定していた今年前半の開催ができず、コロナ対策をして7月に今年初めての寄席を行い、今回は今年2回目だった。久しぶりに味わう「リアル」な演芸。席の間隔を空け、収容人数も減らしての開催だったが、演者も観客もこの空気感を待っていたかのように、会場は生き生きとしていた。
2020年10月19日
いつもと違う2020年の夏が終わった。コロナ禍で、2月に北海道に緊急事態宣言が出されて以来、私たちの生活は大きく変わり、あれよあれよという間にさまざまな行事や予定が中止となった。オリンピックは行われず、札幌の夏を駆け抜けるはずだったランナーたちの姿も見られなかった。もう一つの夏の風物詩、第 102回全国高等学校野球選手権大会も中止となった。いつもなら、小誌が折り込まれる朝日新聞が主催している大会でもあり、連日大きく紙面をにぎわせていたことだろう。 高校野球は注目を浴びがちだが、夏休みは高校のスポーツや文化に関するさまざまな大会が集中する。予定通り行われたものはほぼないだろう。高校生活最後の夏の集大成がかなわず卒業する3年生も多い。実際の高校生たちはどんな思いでこの夏を過ごしたのだろう。いくつかの高校を訪ねてみた。
2020年9月23日
ワインの魅力は、風土、品種、作り手の、3つの個性の織りなす味。日本ワインの中でも、北海道産ワインは独自の気候を生かした味わいで評価されています。特にGI(地理的表示)認可も追い風になり、その人気は高まる一方!北海道産ワインに詳しいソムリエのセレクトで、今飲んでみたい7本をご紹介します。
2020年8月18日
感染症予防で外出自粛を余儀なくされ、思いがけず自宅で過ごす時間が増えた。せっかくそんな時間ができたのだから、それを有効に使ってふだんなかなか手がつけられない片付けでもしてみよう、と思った。お世辞にも片付け上手とは言えないが、時間はたっぷりあるからできるだろう、と。 で、やってみました!が、片付かない……。 ああでもない、こうでもないと、いろいろな方法を考えて整理してみたつもりでも、物があふれて収まらない。箱を使って区分けをしようとしてみたら余計モノが増えたような気がして、しまいにはさっき片付けたものをどこにしまったか忘れる始末……。 そんな訳で、これは片付けのプロにそのノウハウを聞いてみようと、今回の特集となりました。
2020年7月20日
COVID-19による緊急事態宣言下で過ぎた今年の春。大人も子どもも、それぞれに日常を営もうと頑張った。普段なら、春の落ち着かない気分はおしゃべりや一杯のコーヒーで何とかなる。でも今は、自分をいたわるちょっとした何かが必要だ。久々の外出で立ち寄った花屋さんをきっかけに、北海道の花業界の今が見えてきた。
2020年6月16日
釧路町で、黄色の壁に「激安!」と書かれた派手な建物が「スーパーひろせ睦店」だ。外見ではわからないが、ここは地元の人気店。特に鮮魚売り場は品揃えがよくてお値打ちと定評だ。ある人はホッキを一山むいてもらい、マスを半身、干しガレイを3枚…という調子で、1人が買う量もすごい。数人に声をかけると、「よその買物の後、魚を買いにここへ来る」とか、「本州の知人や家族に送る」などと教えてくれた。実は居酒屋や民宿でも、ここで魚を仕入れると聞いた。
2020年5月18日
室蘭のまちに、どこか心惹かれる。白鳥大橋、ドルフィンウォッチング、室蘭やきとりやボルト人形のボルタ。特に工場の風景は、鉄のまち室蘭の代名詞。その室蘭が近い将来、水素のまちに変わっていくらしい。「次世代のエネルギーは水素」という話は耳にする。ならば生活者としてはおおまかな仕組みくらいは知りたいし、第一、なぜ室蘭だったのかが気になる。室蘭市経済部の佐々木善幸さんに依頼して、水素貯蔵技術(というらしい)を持つ日本製鋼所に見学に行くことにした。
2020年4月20日
白老町の「地域おこし協力隊」隊員で、町内で民泊施設「東町ハウス」を営む林啓介さんとオルガさん夫妻。同町では「多文化共生」をテーマにしたパッチワークづくりが盛んだ。アイヌ文様の刺繍を中心に、いろいろな刺繍がつながっていく。右側にあるのはオルガさんの出身地、ロシアのサンクトペテルブルグの刺繍サークルのもの。壁にかけられたイナウ(木幣)はアイヌの儀式に使われるもの。アイヌのルーツを持ち、アイヌ文化を発信している友人が作ってくれて、取り付けてくれた。
2020年3月17日
日本のイチゴの旬が冬になって久しい。本来の実りは春から初夏。だが今は、プランターと温室で季節をずらして育てる方法が主流だ。例えば、東京・大田市場のイチゴ取扱量が増えるのは12月~5月で、これは札幌市中央卸売市場も同様だ。ではなぜ、冬がピークなのか。
2020年2月17日
函館山から見下ろすと、足下から渡島半島に向かって扇型に陸地が広がる。トンボロ(陸繋島)という珍しい地形だ。扇の手元から要(かなめ)のあたり、函館山の西の裾地が「西部地区」。ここが江戸末期から開港時代に栄えた旧市街地で、今も歴史的街並みで知られる。一見、過去のものに見えるこの地区には、地元っ子の暮らしや価値観が息づいている。それらを体現してきた、2人の市民の話を聞いた。
2020年1月20日
明治半ばから昭和初期にかけて、小樽の町は繁栄を極めた。外国貿易港として経済も人口も札幌の先を行っていたこの町には、全国から職人達が集まった。家具、建具、仏壇、服飾、金具、菓子…。今も「職人坂」という地名が市内に残る。時代とともに職人達の数は減り、自分の代限りという職人達も多い。そんな中、1992年には「「小樽職人の存在を知らしめ、職人芸と地場産業の発展を目指す」ことを目的に「小樽職人の会」が結成された。そして今、職人という生き方に、若い世代が注目している。小樽に2軒を訪ねた。
2019年12月16日
秋も深まった恵庭市の田んぼの一角、歓声をあげながら稲刈りをする子どもたちの姿があった。刈っているのは「赤毛」。寒すぎて米はとれないと言われていた道南以北の北海道で、最初に実った米だ。 この「赤毛」の栽培を明治初期に成功させたのが、中山久蔵。カマを手に稲を刈っていた子どもたちは、この中山久蔵を題材に、歌、語り、ダンスで地域の歴史を伝える「現代版組踊(くみおどり)・中山久蔵翁物語」を上演するグループ「チーム絆花(はんか)」のメンバーだ。
2019年11月18日
北海道の産業の歴史を語るとき、炭鉱は外せない。戦後日本のエネルギー政策を支え、たくさんの人が働いた。その多くが集中していたのが空知地方だ。 1961年には、空知地域だけで最大112の炭鉱があった。1960年代には石狩炭田の産炭量は九州の筑豊を越え、日本一の生産量を誇った。その後、国内のエネルギーは石油中心に転換され、炭鉱は次々に閉山。1995年、歌志内にあった空知炭鉱の閉山で、この地区の炭鉱は歴史の幕を閉じた。
2019年10月21日
札幌の隣町、当別町の道の駅には「北欧の風」というサブタイトルがついている。町内には丘ひとつがまるごと北欧デザインの住宅地「スウェーデンヒルズ」があるし、姉妹都市はスウェーデンのレクサンド市という林業の町。とはいえ、なぜ道の駅まで北欧?とちょっぴり疑問を抱きつつ、まず当別町役場に行ってみた。
2019年9月17日
白石区栄通にあるイタリア料理店「グロリア」。定休日だというのに、店の前は子どもの自転車であふれている。今日は月二回、ここが「にじ色こども食堂」になる日なのだ。夕方5時半、ボランティアがから揚げやサラダを盛り付けてテーブルへ運ぶと、店内はおいしい匂いとおしゃべりで、にぎやかになった。
2019年8月27日
朝6時、パン職人の石田誠次さんは「ベーカリーイシダ」で仕事を始める。生地を仕込みながら、8時の開店時間までひとりでパンを焼く。食パンやバゲットが窯に入るのは昼11時。20分弱で焼き上げて売場に並べると、お客さんが焼きたてを喜んで買っていく。キャンバス布にフランスパン生地を並べ、クープ(切れ目)を入れるしぐさは静かで正確だ。工学部卒業で神戸発祥の有名ベーカリーチェーンで働き、2015年に生まれ故郷の名寄にUターンして開業した。
2019年7月17日
5月初旬、午前3時。まだ暗い寿都(すっつ)港に、まばゆい集魚灯をつけた漁船が一隻二隻と戻ってくる。陸に揚げられた発泡スチロール箱の中に、爪の先くらいから人差し指ほどまでの小魚がサイズごとに収まっている。寿都で“しらす”と呼ばれるイカナゴの稚魚だ。
2019年6月17日
<p> パッと目立ってわかりやすいのが人気者。これは卵の世界も同じらしい。店の卵売場で聞くと、赤玉で味の濃い卵がよく売れるそうだ。そんな中に「あっさりうまい」卵があると聞いて、道北の下川町へ会いに行った。</p> <p> 札幌から約220km、車で3時間と少し。山を遠く見渡す平原に田んぼや小麦畑が広がり、空気が冷たく澄んできた頃、下川町に入った。資源循環を厳しく評価する「森林認証」を取得した、森の町。人口約3300人のこの町にあべ養鶏場が創業したのは1962年だ。半世紀以上前、夏と冬の寒暖差60度にもなる気候に合う鶏種探しから始めたという。天然原料を発酵させる餌で飼うことから、卵は酵素卵と呼ばれていた。2016年にこの養鶏場を事業継承し、「下川六○(ロクマル)酵素卵」として販売しているのが現営業部長の村上範英さん。前職は飲食会社のバイヤーで、この卵に惚れ込んだ張本人だ。</p>
2019年5月20日
<p> “老舗”が「時代をまたぐような長命な産業」という意味ならば、北海道に老舗が少なくても無理はない。けれど、江差の街はちょっと訳が違う。現在、いにしえ街道と名付けられた街並みの問屋蔵や商家に足を止めると、200年、300年という来歴が記されていて、気分はつい、遥かな時代に向いていく。本州向けの魚油や魚粕の原料であるニシンが集まり、それらの漁を取りしきる家々と廻船問屋が儲けに儲け、様々な人々がぶつかりあいながら活躍した日々がこの場所にあったのだ。今回紹介する五勝手屋本舗は、江差隆盛の歴史の一部でもあり、今なお活躍する老舗菓子店だ。</p>
2019年4月16日
<p>私たちが食べているチーズは、大きく2種類ある。一度熱を加えて溶かし固めたプロセスチーズと、菌の働きで熟成していくナチュラルチーズだ。北海道は国産チーズの9割以上を作っていて、大手メーカーの工場のほか、ナチュラルチーズ工房も100以上あるという。工房製のナチュラルチーズには個人の考えや個性がはっきりと表れる。つまり「チーズは人なり」だ。ならば、私の大好きなチーズを作る人に会いに行ってみよう。</p>
2019年3月18日
<p> 炭坑町として栄えた夕張市。急激な人口減や財政破綻と、ネガティブな話題ばかりで注目されることも多い。町は大きくその姿を変えたが、変わらないものもある。豊かな自然、冷水山、町を流れる夕張川、そして、北沢食品の豆の缶詰だ。</p> <p> 北沢食品の創業は大正10(1921)年。夕張メロンの誕生が昭和36(1961)年だから、それよりずっと前から地元産の農産物加工を担ってきた会社だ。</p> <p> 社名を株式会社北沢食品工場といい、工場は創業時から今と同じ、夕張の南清水沢地区にある。コンパクトシティーを目指す夕張で、将来中心となる地域として計画されている場所の一つだ。訪れたとき、木造の工場は冬の一休みの時期に入っており、きれいに掃除された内部はひっそりとしていた。</p> <p> 案内してくれたのは社長の谷全(たにまた)悦夫さんだ。</p> <p> 近代的なハイテク工場のイメージとは対極にあるような、歴史を感じる建物。白く塗られた木の柱、年期の入った缶詰の機械、豆を煮る大きな釜が並ぶ。ほとんどが手作業だが、1日約7000缶くらいは生産できるという。</p>
2019年2月18日
<p> このベーコンは軟らかくやさしい味だ。脂身部分も少なめで、よくある塩辛いベーコンとは一味違う。小樽の静かな住宅街の一角に、このベーコンづくりの現場がある。薫製室は加工場のコンクリートの階段下のスペースを手作りで改装したもの。壁は長年煙にさらされ、タールが玉のようになってはり付いている。木製の扉の隙間から、白い煙にのって薫製特有の香りが漂ってくる。この小さな部屋に入った豚肉はベーコンに、サーモンはスモークサーモンとなる。</p>
2019年1月21日
<p> かつて北海道ではニシンが大量に獲れた。日本海に面する留萌も、もちろん例外ではない。 留萌にある田中青果は、今はニシン漬けを始めとする漬物類が主力商品となっているが、元々八百屋と花屋だった。現社長は二代目の田中欽也さん。妻の美智子さんも「統括本部長」として、営業や商品の開発を担当する。</p>
2018年12月17日
<p> 札幌駅地下街の、ちょっとこじゃれた生活雑貨の店の入口に、かわいいミルク缶が並んでいた。部屋のインテリアによさそうな、酪農王国北海道を象徴する小さなミルク缶。でもその中に入っているものは洗濯洗剤なのである。</p> <p> 「北海道だからミルク缶に洗剤かぁ」とそのアイデアに感心しつつ、商品ラベルに小さな字で書かれた1行に目が止まった。販売者「とみおかクリーニング」、その所在地「中標津」。</p>
2018年11月19日
<p> 10月7日、札幌の中心部に「さっぽろ創世スクエア」(北1条西1丁目)が全面オープンした。26階建ての「高層棟」と、9階建ての「低層棟」がある。高層棟はオフィス棟で1〜7階はテレビ局のHTB(北海道テレビ放送)が豊平区南平岸から本社を移転し、入居した。</p> <p> 低層棟の「札幌市民交流プラザ」には、愛称hitaruと呼ばれる「札幌文化芸術劇場」とSCARTS(スカーツ)と呼ばれる「札幌文化芸術交流センター」、「札幌市図書・情報館」が入る。</p>
2018年10月15日
札幌の中心部から約30キロ。定山渓温泉は言わずと知れた「札幌の奥座敷」だ。豊平川の川岸からわき出るお湯が、建ち並ぶホテルや旅館にふんだんに供給される。ナトリウム塩化物泉。透明で、なめるとしょっぱい。
2018年9月18日
帯広から南へ、えりも岬方面へ車を走らせ約1時間、広尾町に入るとまもなく、大森ガーデンの看板が国道の右側に見えてくる。 入口のカフェ建物横にあるゲートからガーデンへ。芝生の小道沿いに植えられた草花はどれも落ち着いた色合いだ。歩く道沿いには背の低いもの、そこから離れるに従ってだんだんと背の高いものへと、しっかり計算されて植えられている。ほとんどが冬を越す宿根草だ。
2018年8月20日
札幌の円山球場、旭川のスタルヒン球場に愛着を持つ北海道人は多い。札幌ドームに主役の座を譲ったとはいえ、道内の野球ファンや関係者にとって、ここが数多くの思い出をはぐくんだ特別な場所であることは変わらない。
2018年7月17日
夕張は山深いところだ。石勝線の新夕張駅からの支線が北に延び、夕張駅に至る。この支線に沿うように町や農地が広がる。少し開けた場所には、ずらりと並んだビニールハウスが見える。この中で、北海道のメロンのトップブランド、夕張メロンが育っている。
2018年6月18日
札幌軟石は北海道の古い建物や倉庫の壁などに多く使われている石だ。歴史的建造物には多く使われているが、その優しく軟らかな風合いは再び脚光を浴び、新しいカフェやレストラン、アパレルショップの装飾などに使われるようになってきた。
2018年5月21日
昔、ジンギスカンといえばこれだった。そう、あのまん丸の、薄い、あれである。 「ロール肉」と呼ばれる成形された肉だ。昨今の技術の進歩で、低温のまま凍らせずに流通できるチルド冷蔵の「生ラム」が人気となり、ロール肉は見ることが少なくなった。でも、やっぱりジンギスカンは丸いあれじゃなくちゃ、という熱い思いも聞こえてくる。
2018年4月15日
すべてはアトピーだった娘のために 2人の娘がぜんそくでアトピーだった。夜中、かゆみで暴れ回るわが子を前になす術もなく、自分を責めた。肌を出す服は着たがらなかった。半袖も駄目だった。「これじゃ結婚もできない」という娘の言葉がつらかった…[続きを読む]
2018年3月18日
旭川から北東へ約30キロ、網走へ通じる国道39号線、通称「大雪国道」を車で走ると、45分ほどで愛別町に着く。人口約3,000人。「きのこの里」として名高い。愛別町ときのこの歴史は四十数年前にさかのぼる…[続きを読む]
2018年2月18日
ここはオホーツク海・紋別港。港前に建つ出塚水産は、昭和5年から80年続くかまぼこメーカーで、1階の売店は揚げたてかまぼこを味わえる観光スポットとしても親しまれています。じゅわっと黄金色に揚がった「揚げかまぼこ」を、熱々のうちにいただくと…。ふっくら弾力ある食感と、甘く自然な魚介のうま味に思わず顔がほころびます。素朴だけれど、一度食べたら忘れられない味。それが紋別名物「出塚のかまぼこ」です。あとひと月もすると紋別の海に流氷がやって来ます。さあ、豊かな海と老舗の技が織りなすおいしさを訪ね、東へ。
2018年1月21日
日本一を誇るひまわりの里で知られ空知管内北部に位置する北竜町に、2017年2月、念願のひまわり特産品が誕生しました。それが北竜町産のひまわりの種子で作った「燦燦ひまわり油」で、その特徴は、国産最上級と言える優れた機能性と品質です。血中の悪玉コレステロールを減らす働きのあるオレイン酸の含有量は、植物油の中でもトップクラス。また、健康と美容を守るビタミンEはなんとオリーブオイルの約8倍。無添加で一番搾りだけを使って製造しています。まだ広くは知られていない希少価値のひまわり油を北竜町からお届けします。
2017年12月17日
ご存じでしたか? FMラジオ局、AIR-G’ エフエム北海道が発信する、食品の高品質プライベートブランドがあるということを。その名は「北海道品質」。番組内で紹介した北海道各地の優れた食材や生産者と加工者、クリエーター等をプロジェクトでつなぎ、さらに魅力ある商品に磨き上げたり商品開発を行ったりしています。いずれも品質と安全性、デザイン性を追求した良品ばかり。ぜひ知られざる北海道の宝たちに出合ってください。
2017年11月19日
富良野がラベンダーでにぎわう7月下旬。富良野市東山地区の井上農産の農地では白いそばの花が満開でした。これは、今では幻の品種といわれる「牡丹ソバ」。かつて大正末期から昭和初期までは、北海道のそばといえばこの在来種でしたが、栽培が難しく収量も少ないことから、新品種の「キタワセ」が北海道の主流となり、次第に牡丹ソバは姿を消していきました。しかし牡丹ソバは独特の甘さがあり風味が豊か。そば通や昔のそばを懐かしむ人に今も求められています。その牡丹ソバを栽培し、加工までを手掛ける井上農産のチャレンジをご紹介します。
2017年10月13日
北見市西部に位置する留辺蘂町は小さなまちですが、白花豆(しろはなまめ)の一大生産地として知られています。作付面積も生産量も日本一で、年間約270トンの生産量は全国の60%以上を占めるほど。現在40戸の生産農家が丁寧に手を掛けながら育てています。(※)そして今、この特産品を地域ブランドとして育てる動きが出てくるなど、留辺蘂町は白花豆を取り巻く人々によって活気づいてきました。今号は、白花豆を応援し、まちおこしに携わる同町の老舗菓子店、「ふじや菓子舗」を訪ねました。※生産量、生産戸数ともに2016年度現在
2017年9月18日
こだわりのコーヒーとくつろぎの喫茶空間で愛されてきたサッポロ珈琲館が、今年、創業35周年を迎えました。1982年の創業時から本格炭焼珈琲の製造を始め、2003年からは世界各地に契約農園を持つなど、独自の道を拓き続けてきたその足跡を訪ねると…。札幌の地でコーヒーに懸け続ける情熱と、おいしい一杯が生まれる理由が伝わってきます。
2017年8月20日
良質な木材とデザイン性の追求。今や世界に誇る一大ブランドとなった旭川家具。旭川のとなり町、東神楽町の「匠工芸」はその中でも産地の基礎を作ってきた確かな技術と国内トップデザイナーの英知によって世界で愛用される家具を作り続けています。
2017年7月23日
創業以来68年。北見市民の日常と心に馴染んできた、つるつると滑らかなツムラの麺。現在は4代目社長の津村健太さんと千恵さん夫妻が、北海道オホーツク産小麦を使った地域色あふれる麺を製造しています。ラーメンやうどん、ひやむぎ…。 一つ一つに思いと物語が詰まった、株式会社ツムラの麺をご紹介します。
2017年6月25日
近年、クラフトビールが注目されています。手工芸の意味を持つ〈Craft〉。その名の通り、ビール職人が丹精込めて造る小規模醸造のビールは、作り手の意志を反映し、独自のおいしさと個性でビールファンを魅了します。「ノースアイランドビール」も2003年に産声を上げたクラフトビール。どんな味と香りを醸しているのでしょう。江別市のブルワリーを訪ねました。
2017年5月28日
“昔はどの農家の庭先にも、すももの木があって、実は子どもたちのおやつだった。あの甘酸っぱい郷愁の味を、よみがえらせることはできないだろうか”その思いから、すももの木が栽培され始めたのは30年前。今、さらべつ村の「すももの里」には約1,000本の木が広がり、すももの特産品がいくつも誕生しています。今号は、さらべつ村の村おこしを受け継ぐ一軒、「お菓子のニシヤマ」を訪ねました。
2017年4月23日
「スマイルポーク」と名付けられた北海道産の豚肉は、うまみが強く、脂身の白さが際立ち、アクがほとんど出ないといいます。しかも、その味と品質は有名シェフや農林水産大臣のお墨付きだとか。なぜ、そんなに優れた豚肉が生産できるのでしょうか?その秘密を探るため札幌から北へ約20km、当別町の浅野農場へ向かいました。
2017年3月26日
北海道産の小麦粉を使ったこだわりのパンケーキミックスが、インターネット通販で大人気となっています。開発したのは、室蘭のアルナチュリア株式会社。今回は同社を訪ね、このヒット商品の魅力に迫りました。あなたもご家庭で、おいしいパンケーキを作って味わってみませんか。
2017年2月26日
北海道弁の「なまら」は、「すごい、とても」の意味ですが、この微妙なニュアンスを伝えるのはなかなか難しいと思いませんか? ひと口目の生地に驚き、ふた口目の具に驚き、食べ終えると「なまら」がしっくりくる。そんなユニークな中華まんじゅうがあると聞き、北広島市へ向かいました。
2017年1月22日
道東地方初のウイスキー蒸留所である「厚岸蒸溜所」が、いよいよ11月から蒸留を開始。3年後の出荷に期待が寄せられています。今回はこの話題を出発点に、ウイスキーの奥深い魅力を愉しむための入り口へとご案内します。
2016年12月25日
北海道初のプロサッカーチームとして1996年に誕生した「北海道コンサドーレ札幌」はクラブ設立以来、今年で20周年を迎えました。その節目の年にふさわしく、開幕から快進撃を続けるチームをけん引するのは、野々村芳和社長と三上大勝ゼネラルマネージャー(GM)。道民に勇気と感動を与えてくれるクラブトップのお二人の夢の対談が実現しました。
2016年11月27日
さまざまなブランド肉があり、エゾシカ肉の活用も進む北海道。 そんな中で近年、滝川市特産のあいがも肉の人気がじわじわと高まっています。 ほかの食肉とはひと味違う魅力に迫るべく、 長年にわたって飼育を手掛けている滝川新生園を訪ねました。
2016年10月23日
水田が広がる富良野市の上五区に、おしゃれなデザインの看板を発見。「ジュラファーム富良野」は、ファーマー&ハーバリストのオーナーが営む農園です。新米の季節には、ここで収穫される「ななつぼし」を心待ちにしている人が多いそう。その評判を聞き、間もなく実りの時を迎える農園を訪ねました。
2016年9月25日
「君の椅子」は2006年に北海道から始まったプロジェクト。生まれてきた子どもたちに居場所の象徴としての椅子を贈り、新しい命が誕生した喜びを地域で分かち合う取り組みです。今回は、11年目を迎えたプロジェクトの今を紹介します。
2016年8月28日
道産小豆の中でも高い評価を得ている上川産の「しゅまり小豆」。そのおいしさを「あんこ」で手軽に楽しんでもらおうと開発されたのが、チューブに入った画期的な新製品『あんジャム』です。製造・販売までを手がける福居製餡所を訪ね、魅力に迫りました。
2016年7月24日
ジンギスカン文化が根づく北海道ですが、実は流通量が極端に少なく、私たちもめったに味わえない道産羊肉。「かわにしの丘 しずお農場」では、生産から加工・商品化、販売までを一貫して手掛ける士別産羊肉で、食のプロを中心に高い評価を得ています。
2016年6月26日
冷凍もなかの中に入っているのは、アイス………ではなく、なんと納豆!名前も不思議なこの食べ物は、富良野市内で製造販売されている限定グルメ。50年以上の歴史を持ち、地元出身者の中には「ソウルフード」と言う人もいるとか。それはなぜ?これっておやつなの?それともおかず? 今回は『ナゥピー』の謎を探るべく富良野を訪ねました。
2016年5月22日
北海道民のソウルフードといえば、もちろんジンギスカン。「食文化としてのジンギスカン」に着目し、2013年6月に結成されたのが『北海道遺産ジンギスカン応援隊』です。毎年4月29日は「羊肉の日」。ということで今回は同応援隊の活動を紹介しながら、羊肉のおいしさと魅力に迫ります。
2016年4月24日
北海道産の高品質な大豆を厳選し、手づくりで丁寧に仕上げた納豆を販売している札幌市東区の納豆専門メーカー・(株)豆蔵。道産大豆のおいしさを伝えるべく、新品種の開発まで手がけたという本間照蔵社長を訪ね、納豆づくりにかける情熱に迫りました。
2016年3月27日
いよいよ開業が間近に迫った北海道新幹線。乗降駅・JR新函館北斗駅がある道南の北斗市も、歓迎ムード一色です。そこで今回は、着々と受け入れの準備を進める地元の皆さんの取り組みとご当地グルメを紹介します。
2016年2月28日
サクサクとしたソフトな食感と、程良い甘さで人気のスイーツ『さっぽろキナコ焼きショコラ』をピックアップ。焼肉チェーン「徳寿」の製菓部門「パティスリーフレール」で、斬新かつおいしいお菓子を次々と生み出しているパティシエ兄弟を訪ね、その熱い思いに迫りました。
2016年1月24日
新たな道産食品として期待されている『鮭節』をピックアップ。羅臼産シロサケで作る『鮭節』の可能性にほれ込み、小樽を拠点に商品化と販売に取り組む(株)流水理の髙橋晃彦社長を訪ねました。
2015年11月22日
競争馬の産地として有名な日高で、ホエー(乳清)や地元産の昆布などを飼料に養豚業を営む(有)ひだかポーク。そのこだわりの育成法を現地で取材しました。
2015年8月23日
レアな逸品『室蘭うずらのプリン』 。2010年の発売以来、全国のスイーツ好きのハートをとろけさせています。このヒット商品を生み出した(株)室蘭うずら園を訪ね、開発ストーリーを伺いました。
2015年7月26日
ザクッとした歯応えと、あふれんばかりの真イカのうまみをひと口で堪能できる話題の新感覚グルメ『いかザンギ』。失敗の積み重ねから生まれたという看板商品の開発秘話を(株)北海道フロンティアフーズの佐孝秀輝社長に伺いました。
2015年6月28日
「安全でおいしい本物の野菜を食べてほしい!」――そんな思いから、2012年3月に富良野管内で結成された女性の農業後継者グループ『ふら農嬢』。北海道の大地や気候と日々寄り添い、本気で農業に取り組む個性豊かなメンバーの畑を訪ねました。
2015年5月24日
第五十一高砂丸の蝦名弥船長が日本海で獲った大ぶりの甘えびを、おかみさんの桃子さんが手づくりで仕上げる「酒蒸し甘えび」。2014年6月の発売以来、全国各地の物産展や食のプロから高い評価を得ているこの商品の誕生秘話を現場でお聞きしてきました!
2015年4月26日
地域振興や節税、お取り寄せグルメ、クラウドファンディングなど、さまざまな側面を持つ「ふるさと納税」がテーマです。新年度を前に、その基礎知識と道内自治体の取り組みをご紹介します。
2015年3月22日
乾燥した地域に自生し、多肉質な葉や茎に水分を蓄える多肉植物。多彩な種類と個性的な形、そして何よりも丈夫で育てやすいことから、老若男女にジワジワと人気を広げています。
2014年9月28日
迫力満点の合奏が魅力の吹奏楽。今回は道内の中学・高校の吹奏楽部で頑張っている皆さんにエールを送る応援企画です。OB・OGからのメッセージは必見ですよ!
2014年8月24日
新千歳空港への国際線の乗り入れが増えて、ますます身近になった海外旅行がテーマ。今回は各国のサービスが楽しめる空の旅、シニアに人気の山の旅に注目してみました。
2014年7月27日
北海道にも夏野菜のおいしい季節が到来。大地と太陽のパワーが詰まったみずみずしい野菜を、もっとおいしく食べたい!今回はその道のプロに、サラダのコツを聞いてきました。
2014年6月22日
北海道にもようやくアウトドアの季節が到来!!そこで今回は、定番のドライブやレジャーがうんと楽しくなる、ちょっと意外なレンタルサービスに着目。北海道をとことん楽しむ、大人のお出かけ新提案です。
2014年5月25日
伝統的なアイヌ工芸を生活空間へ──。暮らしに根ざしたアイヌアートの作り手として活躍するデザイナーの貝澤珠美さん。故郷・二風谷への思いを交えながら、アイヌ文様の魅力について語っていただきました。
2014年5月11日
近年、北海道米のブランド認知は大きく広がっています。一方で、実は北海道はもち米の一大産地でもあるのです。今回は道産のもち米と餅に着目。おいしさの秘密に迫りました。
2014年4月27日
12年ぶりに劇団四季の専用劇場が札幌に復活して3年。日本を代表する同劇団に、小樽市出身の俳優がいる。狭き門と言われる劇団四季に入団した経緯とは。道産子俳優・畠山典之さんの歩みを聞いた。
2014年4月13日
みんなの生活の中にとけこむ「お茶の時間」。札幌にも個性豊かなカフェが続々オープンしています。今回は「自分らしいカフェって何だろう?」と真剣に考えて開業した、3組のオーナーを訪ねました。
2014年3月23日
カラオケといえば身近な娯楽の代表格。特に最近のカラオケは通信機器や飲食メニューからサービス面まで、ひと昔前とは比べものにならないほど進化しています。今回は飲んで歌って楽しめるカラオケ店の最新事情に迫りました。
2014年3月9日
近頃、何かと話題のタブレット。スマートフォン(スマホ)でもない、パソコンでもない、それじゃあ一体何ができるの? 今回はそんな疑問を解決すべく、初心者にも分かりやすいタブレットの活用方法を紹介します。
2014年2月23日
生産量の少なさから「幻のタマネギ」と呼ばれ、そのブランド価値が改めて見直されている「札幌黄」。札幌市東区にあるオシキリ製麺(株)で『札幌黄ねりこみラーメン』を開発した須貝昭博さんに、発想の原点と札幌黄への思いを聞きました。
2014年2月9日
いよいよ今年7月〜9月に初開催される「札幌国際芸術祭」。世界最先端の現代アートにふれられるチャンスです。実はアートをはじめとする世界のクリエーティブカルチャーを既に18年にもわたって札幌から発信し続けてきた人がいます。オンラインマガジン「SHIFT」編集長の大口岳人さんにお話を聞きました。
2014年1月12日
好きな香りをかぐと誰もが幸せな気持ちになるもの。中でも植物由来の香りは心身を健やかに導く力も秘めています。この冬、暮らしの中にハーブや精油を取り入れてみませんか。
2013年12月22日
NHK連続テレビ小説『あまちゃん』が大ヒットした2013年。ドラマ内でのキーワードでもある「ご当地アイドル」が、ここ北海道にも存在することをご存じだろうか。今、道内で最もホットなアイドルグループ、フルーティーだ。
2013年12月8日
根室管内の別海町で、実家の酪農を手伝いながら「めん羊」を飼育する河﨑秋子さん。乳牛主体の牧場で羊飼いになることを決めた20代当時の意気込みと、良質な肉づくりへの思いを聞いた。
2013年11月10日
例えば、お気に入りの服に大きな染みをつけてしまったら。愛用のカバンの金具がひび割れたら。プレゼントされたピアスを片方落としたら……。あなたはため息とともに諦められますか?今回はそんなトラブルに対応してくれる、プロの職人を訪ねました。
2013年10月27日
今や「北海道のソウルフード」の一つになったスープカレー。 オープン14年目を迎えた『カレーショップ エス』は、店長の中根利絵さんとスタッフが力を合わせて切り盛りする人気店だ。 多くのファンに支持される独自のお店づくりについて聞いた。
2013年10月13日
場所も道具もいらず、一人で好きな時間にできる手軽な運動──それがストレッチです。 気持ちよく体を動かす習慣をつけて、体も心も健康的に! あなたも今日から、ストレッチを始めてみませんか?
2013年9月22日
「わたしたちは、時計台の鐘がなる札幌の市民です」。市民憲章の冒頭にはこう記されている。札幌市のシンボルである時計台は、国内最古の塔時計。今も現役で時を告げる鐘の音を裏方として支えているのが、三代目の塔時計保守師・下村康成さんだ。
2013年8月11日
暮らしの身近な「アシ」として活躍している自転車ですが、最近は趣味や健康づくりの一環としてサイクリングを楽しむ人が増え、車体や周辺アイテムも進化しつづけています。あなたも話題のスポーツサイクルに挑戦してみませんか。
2013年7月28日
道内のワイナリーで作られたワインと、食や観光などの北海道の魅力を多角的に発信するNPO法人ワインクラスター北海道。 代表の阿部眞久さんは現場の生産者と消費者をつなぐ「道産ワインのプレゼンター」だ。
2013年7月14日
世界的な「ジャズの街」になりつつある札幌。そこで今回は、昭和の時代から地元の人々に愛され、札幌の音楽文化を支えてきた老舗のジャズ喫茶とライブバーを紹介します。
2013年6月23日
旭川市在住の大久保友記乃さんは、和紙染めをはじめ絵画やステンドグラスなど幅広いジャンルの創作に取り組むアーティスト。 自閉症というハンディと表裏一体の不思議な能力から生まれた作品の数々は、国内はもとより海外でも高い評価を受けている。
2013年6月9日
花をプレゼントされた時のうれしさは言うまでもありませんが、室内に一輪挿しがあるだけでも、心が和んだり癒やされたりするもの。今回はフラワーショップを訪ねて、スマートな花の贈り方や、飾り方のアイディアを聞きました。今年は「花のある暮らし」を心がけてみませんか。
2013年5月26日
俳優の大地康雄さんが企画し、主演を務めた映画『じんじん』。 絵本の里・剣淵町を主な舞台に家族のきずなを丹念に描いた感動作だ。 5月18日(土)の道内先行ロードショーを前に映画づくりの原動力と舞台裏を聞いた。
2013年5月12日
縫い物、編み物、アクセサリーなど、デザインから仕上げまでを自分で手がける雑貨作りが人気です。そんなハンドメード雑貨に魅せられた人たちを訪ね、魅力を探ってみました。
2013年4月28日
レンガと田園の街、江別市野幌町にある『ノースライブコーヒー』は稚内から南は鹿児島まで顧客を持つ人気店。 地元愛にあふれる小笠原さん一家に、店づくりと街への思いを聞いた。
2013年4月14日
老若男女を問わず、睡眠のトラブルを抱えている人は多い。 「深い眠り」と「爽快な目覚め」を得るためのヒントを今秋、創業40年を迎える老舗布団店の二代目である米田創さんに聞いた。
2013年3月10日
うどんも店主もコシがある!<br />人気店のおいしい『うどん』
北海道で「麺」といえばラーメンやそばが主流というイメージですが、最近はおいしいうどんの専門店が増えて注目度も高まっています。人気店ののれんをくぐって、北のうどん文化を味わってみませんか。
2013年2月24日
シール・ラベル印刷が専門の(株)シモクニは、1921(大正10)年の創業以来、親子代々の経営が続く老舗企業。 昨年は業界組合の推薦を受けて世界ラベルコンテストに出品し、今月末の結果発表を待つばかりです!
2013年2月10日
日頃は何気なく使っている定番文具。 その使いやすさの裏に、日本のメーカーならではのこだわりが生かされています。 たかが文具、されど文具。文具ブームの今、世界に誇れる日本の製品に再注目を!
2013年1月27日
札幌市東区にある一軒家のフランス料理店『ル・プルコア・パ…』。 オーナーシェフの久保田豪之さんは、自ら仕留めたエゾシカを看板メニューとして提供する「シカ撃ち料理人」だ。
2013年1月13日
いま薪ストーブの需要が増えている。 「炎を眺めて癒やされたい」「料理に活用したい」など興味を持つ理由はさまざまだ。 今回はそんな薪ストーブの魅力と共に、導入にあたっての注意点や楽しみ方などを紹介しよう。
2012年12月23日
来年4月、札幌コンサートホールKitaraで開かれる、「ロリン・マゼール指揮 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 札幌公演」をひと足先にご紹介します。 ソリストとして出演するヴァイオリニスト・五嶋龍さんのスペシャルインタビューも!
2012年12月9日
図柄を起こして素材を選び、染めや刺繍などを加えて1枚の布に仕上げる「テキスタイルデザイン」という仕事。 北海道の豊かな自然にインスピレーションを受け「布」におとしこむ、2人の道産子女性テキスタイルデザイナーのアトリエを訪ねました。
2012年11月25日
植物の樹皮から抽出したタンニンでなめした革を使い、熟練の技で縫い上げられる「いたがき」の鞄。 創業者である父からバトンを託された新社長の板垣江美さんは、赤平市とドイツを行き来する、ローカルにしてグローバルなワーキング・マザーだ。
2012年11月11日
浦河町の野田肇介さんは、伝統的な土壁塗りの技を持つ左官職人です。 今の時代にふさわしい手法やセンスを磨いて北海道の土壁新時代に挑みます。
2012年10月28日
札幌市豊平区にある日新堂印刷は、社員5人の小さな会社ながら、環境保護につながる「エコ名刺」にかけては業界トップを独走中! 代表の阿部晋也さんは、そのパイオニアとして注目を集めている。
2012年10月14日
プロのシェフが食材ごと家庭にやって来て、 いつもの台所でレストランのような料理を次々にこしらえる。 それがケータリングサービスです。 ライフスタイルの変化に伴い、ニーズは高まるばかりとか。 北海道のケータリングをリードする二人のシェフを訪ねました。
2012年9月23日
犬と共に過ごせる宿や飲食店が、北海道内でも増えつつある。 人と犬が快適な時間を共有するために必要なことを、盲導犬育成の経験者である長崎史明さんに聞いた。
2012年9月9日
ウオーキングを楽しむ人のためのイギリス生まれの散策路 「フットパス」が、道内各地で整備されています。 今回は、誰でも気軽に楽しめるフットパスの魅力を紹介します。
2012年8月26日
とどろ北海道の土やエゾシカ革で作った打楽器「縄文ジャンベ」を演奏する茂呂剛伸さん。 今年は東京・札幌で自作ジャンベの個展を開催。メード・イン北海道の響きを轟(とどろ)かせている。
2012年8月12日
北海道の短い夏を満喫するなら、やっぱりキャンプが定番です。でも子どもたちが大きくなった、準備が面倒といった理由で遠ざかっている方も多いはず。そんな大人たちに人気なのが、手軽なデイキャンプ(日帰りキャンプ)。今回は、二人の達人にデイキャンプの楽しみ方とコツを聞きました。
2012年7月22日
キャリア・カウンセラー 後藤真澄さん 来春の大学卒業予定者にとって、 夏は就職活動の正念場。 さまよう子羊たちを、 時にやさしく、時に厳しく導く姉御、 後藤真澄さんを、人は「就活のカリスマ」と呼ぶ。
2012年7月8日
誕生日、結婚祝い、クリスマス。日々の暮らしの中で、 誰かに贈り物を選ぶ機会は1年中続きます。 ギフト選びがどうにも苦手で、毎回頭を悩ませている人も多いはず。 今回は「気持ちを伝える贈り物」を生み出す仕事に就く、3人の女性を訪ねました。
2012年6月24日
デニム地の着物に山高帽。このいでたちで路上のごみを拾い、殺陣を取り入れたパフォーマンスを披露する一世一代時代組。 またの名を「ごみ拾い侍」。以後、お見知りおきを。
2012年6月10日
本物と見まがうほど多彩で緻密なこの花々は、実は粘土で作られた造花。世界の女性を魅了しているクレイクラフトの作品です。その第一人者・宮井和子さんの展示会が5月24日から札幌三越で開催されます。あなたも驚きのアートの世界をのぞいてみませんか。
2012年4月29日
4季ぶりにJ1復帰を果たしたコンサドーレ札幌。 2012シーズンはすでに開幕し、新たな挑戦が始まっています。そこで今回は、石崎信弘監督と新加入の前田俊介選手のインタビューを中心に、今季の展望や見どころに迫ります。
2012年3月25日
道内各地の温泉地には、さまざまな伝説や昔話が語り継がれています。こうした物語を踏まえてお湯につかれば、湯けむりの向こうに少し違った風景が見えてくるかも。今回は登別と洞爺湖を中心に温泉地の伝説を紹介します。
2012年2月26日
昔ながらの季節の保存食であり、地域ならではの食文化でもある「漬物」。 最近はヘルシーな新作漬物も続々登場し、北海道発の漬物大会も話題となっています。 今回は、いま改めて注目されている道産の漬物の魅力をリポートします。
2012年1月29日
落語ってなんだか難しい? いえいえそんなことはありません。 道産子にはあまりなじみがないかもしれませんが、最近は道内での落語公演も増えています。 そこで今回は江戸の粋ならぬ北の粋。北海道の落語の世界をご案内します。大いに笑って、新年に福を招きましょう。
2011年12月25日
明るさの足りない時代が続くなか、全国的に活況を呈しているサブカルチャーがあります。 それが大道芸をはじめとするパフォーマンスの世界。 北海道でも札幌を中心に年々盛り上がりを見せています。 街と人を元気にしてくれる北のパフォーマーたちに、あなたもぜひご注目ください。
2011年11月27日
「通過する空港」から「滞在する空港」へ──。 新千歳空港は昨年から今年にかけて旅客ターミナルと商業エリアを大きくリニューアル。 機能面の充実はもとより、豊富な物販・飲食からエンターテインメントまで、まさに「北海道ショールーム」として生まれ変わりました。 今回は地元の人たちもきっと立ち寄りたくなる新千歳空港の魅力に迫ります。
2011年10月30日