このWebサイトの全ての機能を利用するためにはJavaScriptを有効にする必要があります。
>HOME >よみもの >「ぶらぶらと 定山渓まで ドライブ日記」(2018/9/18)

VOL8:ぶらぶらと 定山渓まで ドライブ日記

ドライブ日記
見事な石山の柱状節理

ぶらぶらと 定山渓まで ドライブ日記

定山渓を目指し、車で出かけた。

目的地に着く前に、いろいろと寄りたいところがある。急ぐ旅ではなく、ぶらぶらと、寄り道しながら、のんびりドライブ記。
(※紅葉時期の写真は昨年以前のものです)

石山から裏道へ

 札幌市中心部から国道230号を一路、定山渓に向かう。ずっと国道を走ってもいいのだが、なるべく景色のいい交通量の少ない道が好きなので、石山付近で豊平川を渡り、「石山1-4」の交差点を右に折れて裏道に入り小金湯まで行くことにする。白川の果樹園地帯を通る道だ。

見事な柱状節理

 右側に豊平川、さらにその右側に見事な柱状節理が見える。そのちょうど向かい、道路の左側にはケーキ屋さんの「エリソン」がある。地元産のフルーツを使ったスイーツの評判が高い。川岸はちょっとした広場になっている。柱状節理を見ながらケーキを食べるのもいいのだ。天人峡には及ばないけれど、ここもなかなかの迫力。よく見ると、対岸の崖に石垣がある。かつては、ここに道があり、生活道路として使われていたらしい。


八剣山ワイナリー

果樹園地帯を抜けて

 いきなり休憩したが、さてまた出発。このあたりからは果樹園が点在するエリアとなる。ところどころに直売場が現れる。紅葉の時期なら、プルーンやプラム、洋ナシ、ブドウ、リンゴだろうか。それぞれの直売場で得意なフルーツがあり、いろいろ見て回るのも面白い。スーパーでは絶対お目にかかれないようなフルーツがたくさん出ているのが楽しい。

馬もつり橋も


つり橋(白川橋)からの眺めもきれいだ。

 再び豊平川を渡り、川は今度は左側に。ほどなく行くと「ほくせい乗馬クラブ」がある。馬場を馬が走っているのが見える。ヨーロッパスタイルの乗馬。体験もできる。

 ここから先、定山渓までは道路はほぼ真西に向かって進む。

 もうちょっと進むと豊平川対岸沿いの十五島公園に渡る歩道のつり橋(白川橋)に通じる小道があるが、つり橋の手前まで車で入る道は非常にわかりにくい。地図等でご確認を。このつり橋の上から見える川と紅葉の雰囲気もけっこう好きなのだ。

「プレミアムプレス」(紙版)からの続きはここからです。

旧簾舞通行屋で歴史に触れる

 この道をさらに小金湯方面へ進む。道からは見えないが、左側に白川浄水場へ通じる道路がある。大都市札幌の水供給の8割をまかなうという巨大施設。母なる豊平川に集まる雪の恵みを改めて感じる。

 浄水場付近を通りすぎると、また橋を渡る。ここに藻岩取水堰と呼ばれるダムがある。橋を渡ると、左手に入る旧道がある。この旧道沿いに、札幌市指定有形文化財となっている旧黒岩家住宅(旧簾舞通行屋)と看板がある。かつて開拓使によって作られた街道を通行する人たちのための休憩所、昔の「道の駅」といったところだろうか。札幌市内に残された唯一の通行屋で、無料で見学ができる。裏は緑地になっている。

 通行屋の前をさらに進み、住宅街の中に入って行ったところにある「うどん山菜 塩屋」は、隠れた人気店。自家製の塩と腰のあるうどん、地元の山菜や食材をふんだんに使った「塩屋定食」を食べたい。

八剣山エリアは遊びがいっぱい


八剣山は頂上が特徴

 さて、もう一度先ほどの道路に戻ろう。さらに小金湯方面に向かって進む。

ほどなく、右側に八剣山が姿を見せる。正式名を観音岩山といい、頂上付近だけがむきだしの岩場になっていて、八剣山の名前もうなずける。果樹園が多いエリアである。

 八剣山トンネルを抜けると、右側に入る道路がある。ここを右折して、八剣山果樹園へ。釣り堀や食堂があり、奥には「ワイルドムスタングス」という乗馬の楽しめる施設がある。引き馬から森の中を行く乗馬まで、いろいろな体験メニューがある。ウェスタンスタイルの乗馬で、カウボーイハットやブーツも貸してくれる。

 八剣山果樹園の先には、「八剣山ワイナリー」がある。八剣山を背中に、2階建ての赤い建物が映える。さまざまなブドウを栽培し、独自のワイン醸造を試みている。ワイン、ジュース、ジャム、等を販売している。ここから見える八剣山は雄大だ。天気がよければ、頂上付近の岩場を登山者が歩いているのが見えるだろう。


カフェと石窯パンのお店 あゆんぐ

 八剣山ワイナリーの先を右に折れる。この先に何かあるのだろうかと思うようなところだが、しばらく進むと右側にログハウス風の建物が見える。石窯焼きのパンを提供するカフェ「あゆんぐ」だ。軽食メニューの他、パンだけを買うこともできる。9月30日にはここで「小さな森カフェ」というイベントが予定されている。食事や雑貨やフリマを楽しむイベント。10時〜16時まで。

 さらに先に進むと、突き当たりが八剣山パークゴルフ場だ。南区にはパークゴルフ場が多いが、ここのコースからの眺望はその中でも一、二を争うものだろう。果樹園の中にコースが作られていて、春先にはサクランボ狩りをしながらパークゴルフを楽しめる。プレーは普通の運動靴でOK、クラブも貸してくれるので、全くの初心者でも心配なし。どのコースから入っても出てもよいので気軽だ。


カフェと石窯パンのお店 あゆんぐ

小金湯のピリカコタンを見てみよう

 外遊びを終え、再び定山渓方面へ車を走らせる。小金湯温泉の手前の信号を左折すると国道230号に合流するのだが、ちょっとまた寄り道。ここをまっすぐ進み、小金湯エリアへ。温泉施設が2件あり、どちらも日帰り入浴ができる。奥にある「松の湯」は古くからある老舗だ。

 もう一つ、ここで外せないのは「サッポロピリカコタン」。札幌市のアイヌ文化交流センターだ。駐車場のそば、アイヌの人たちが使った外洋船「イタオマチプ」が見事に復元されて飾られている。その他、屋外展示として、住居の「チセ」も展示されており、中に入って見ることもできる。

 建物の中には展示ホールがある(入場料大人200円)。アイヌの人たちが使っていたさまざまな生活用具、装飾品、衣類、等が展示されている。特筆すべきは、展示物に手を触れることができること。隣の図書室にはアイヌ関連の図書のコレクションが豊富だ。ゆっくりとアイヌ文化に浸ることができる場所だ。


アイヌ文化交流センター(サッポロピリカコタン)

いざ定山渓へ

 ずいぶんと寄り道をしたが、小金湯の信号を右折して230号に合流する。もう一つだけ寄り道するとすれば、この交差点のところにある「小金湯さくらの森」は広々とした駐車場と緑地のある新しい公園だ。名前の通り、多くのサクラの木が植えられている。

 さて、ここからは230号に合流し、定山渓へ。短いトンネルを2つ抜けると車で10分ほどで定山渓温泉に着く。この季節、国際スキー場を経て小樽へ抜ける道路は定山渓の錦橋で工事のため、通行止め。この先の定山渓大橋を渡る道路に迂回しなくてはいけないので注意が必要。

 札幌市中心部から定山渓まで、普通なら車で1時間前後の行程だが、紅葉の季節、特に週末は渋滞が激しい。くれぐれも時間には余裕を持ってお出かけください。

 私たちは定山渓に着いてからは趣向を変えてレンタサイクルに乗り換えて回ってみた。定山渓大橋のそばにある「ロケール」で電動アシスト自転車の貸し出しを行っている。定山渓にはけっこう坂もあるので、とても楽ちんでした!

カフェ崖の上のぜんざい、おいしかった!

全文を読むにはログインしてください。

メールアドレス
パスワード
自動ログイン

よみもの バックナンバー

よみもの vol.30 2024年3月19日

オクラホマが北海道に笑いで感謝を伝えます

HTBでオクラホマ初の冠ゴールデン番組放送決定! オクラホマが北海道に 笑い で感謝を伝えます読む

よみもの vol.29 2023年3月20日

パイロットが語る地方路線の魅力

大学生のときに、JAL(日本航空)が自社養成でパイロットを募集することを新聞で知り、へぇこういうのもあるんだ、と思い応募したのがきっかけです。読む

よみもの vol.28 2022年6月20日

オススメ映画紹介 『峠 最後のサムライ』

 幕末の長岡藩は、会津を征伐しようとする新政府軍の進軍路にあった。その藩に忽然と現れ、藩の独立と「武装中立」を頑なに推し進めようとしたのが河井継之助(つぎのすけ)だ。読む

よみもの vol.27 2022年6月20日

オススメ映画紹介『瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと』

この映画は僧侶であり国民的作家で、昨年亡くなった瀬戸内寂聴を描いた希有なドキュメンタリーだ。読む

よみもの vol.26 2022年1月17日

十勝川温泉ってどんなとこ?

 十勝川温泉は十勝平野の中にこつぜんと現れる温泉地だ。「温泉地」という言葉からイメージされるような山や渓谷というものはない。読む

よみもの vol.25 2020年11月16日

ドイツのクリスマスは「自分の心に近づく」季節

シュトレンの本場、ドイツではクリスマスをどう過ごし、どんなときにシュトレンを食べるのだろう。札幌在住でNPO法人・八剣山エコケータリング代表のビアンカ・フュルストさんに聞いてみた。読む

よみもの vol.24 2020年11月16日

オリジナリティのある新しいシュトレン2選

北海道のパンやお菓子の店にはシュトレンがすっかり定着した。毎年楽しむ人が増えた証といってもいいだろう。そうした中、お客の幅が広がるにつれ、オリジナリティのあるシュトレンも登場している。読む

よみもの vol.23 2020年5月18日

魚商いの原点と和商市場

釧路市の住宅街で偶然、行商する人を見つけた。リヤカーの主は、新木トシ子さん。お天気の日の昼ごろ、和商市場あたりからひと回りするという。住宅や店の前で停めるたびに人が出てきて、おしゃべりしながら買物が始まる。読む

よみもの vol.22 2020年4月20日

鐵の素クッキー

 箱に入っているのは、茶色い鉄鉱石、黒い石炭、白い石灰石の三種類、を模したクッキーだった。箱の中にそれらの本物を写した写真が入っているが、クッキーの写真かと思うほどそっくりだ。鉄鉱石はココア、石炭は黒ゴマ、石灰石はきな粉味だ読む

よみもの vol.21 2020年4月20日

解体寸前の方針変更、残った円形校舎

  室蘭市にあり、2014年に閉校した室蘭市立絵鞆(えとも)小学校に円形の校舎が2棟並んで建っている。一棟は教室、もう一棟は体育館で、昭和30年代に建てられた体育館棟は老朽化のため、解体の方針が出ていた。読む

よみもの vol.20 2020年3月17日

​白老に住んだ版画家、川上澄生

 昭和20(1945)年3月、第2次大戦のさなか、栃木県から戦火を逃れて、1人の版画家が妻の親類のいる白老に引っ越してきた。​その名を、川上澄生という。読む

よみもの vol.19 2020年3月17日

白老、飛生(とびう)に集うアーティストたち

​ 白老町に、飛生(とびう)という場所がある。今は「字竹浦」という地名になったが、「飛生」は町内会や川の名前に残る。人家も少ないところだが、かつてここには「飛生小学校」があった。読む

よみもの vol.18 2020年2月17日

札幌生まれの昔イチゴ その名も「さとほろ」

昭和の頃、札幌のイチゴは甘酸っぱくて柔らかかった。市内の果樹園は今もイチゴを栽培するが、果肉がしっかりした品種が主流。そんな中、わずか数軒が作る「さとほろ」という品種がある読む

よみもの vol.17 2019年11月18日

遺跡を訪ねる(恵庭・千歳)

明治の米作りの時期から一気に3000年ほど時を戻し、縄文の時代をのぞいてみたい。読む

よみもの vol.16 2019年9月17日

スウェーデンヒルズから始まった北欧との繋がり

当別町と北欧との関係は、日本とスウェーデンの協力により、日本にスウェーデン村を作る目的で、輸入住宅地・スウェーデンヒルズを同町に民間業者が開発したことに始まる。読む

よみもの vol.15 2019年7月17日

天塩川流域、食のプロたちが集まる「アマムの会」

 今回の特集で取り上げたパンやバターができるまでに、大きな役割を果たしたのが「アマムの会」というグループの存在だ。これは、道北、天塩川流域の農家、食品製造者、料理人など、おいしものを作っている人たちが中心となって、地域の食文化の向上と発信を進めるための団体だ。読む

よみもの vol.14 2019年6月17日

寿都町ってどんなまち?

 寿都町は積丹半島の西側に位置し、日本海に北に向けてぽっかりと口を開けたようなきれいな弓形の湾に沿って町がある。札幌から約150キロ。読む

よみもの vol.13 2019年5月20日

下川の木材で、木のいのちも喜ぶものづくり。

森と林業の町、下川。そこが産する木材を利用して木工品を作っている工房が札幌にある。チエモク株式会社。社名は社長の三島千枝さんの名前にちなむ。読む

よみもの vol.12 2019年4月16日

江差といえば江差追分と姥神大神宮渡御祭

全国、全世界に愛好者のいる民謡「江差追分」、北海道最古の神社といわれる姥神大神宮の大祭、「姥神大神宮渡御祭(とぎょさい)」。読む

よみもの vol.11 2019年3月18日

黒松内でもう一件「和生菓子 すずや」

 町外れの山の中、こんなところに和菓子屋さん?と思うような意外な場所にある、夫婦で営む小さなお店。読む

よみもの vol.10 2018年11月19日

中標津の。

「FMはな」の愛称で親しまれるコミュニティFM局が中標津町にある。正式名称は「FMなかしべつ放送株式会社」。使用周波数の87MHzから「はな」の名前がついた。読む

よみもの vol.9 2018年10月15日

創世スクエア、アート&トリビア

創世スクエアでは、屋内でアート作品に出会える。北海道ゆかりの作家4名。読む

よみもの vol.8 2018年9月18日

ぶらぶらと 定山渓まで ドライブ日記

定山渓を目指し、車で出かけた。  目的地に着く前に、いろいろと寄りたいところがある。読む

よみもの vol.7 2018年9月18日

定山渓の食事どころ

かつて、定山渓にも多くの定住人口があった時代があった。製材、営林署、豊羽鉱山、鉄道。何よりホテルや旅館の多くの従業員が、家族で会社の寮に住んでいた。読む

よみもの vol.6 2018年7月17日

「円山といえば」「カレーでしょう!」

「円山球場の名物は何か」と野球好きの知り合いに尋ねたら、「それはカレーだろう」とのことだった。野球に関係することではなくカレーなのか、と思ったが、ひとまず食べに出かけてみることにした。読む

よみもの vol.5 2018年7月17日

野球、女子もしてみむ

女子高生のやる野球なら、きっと少しゆったりしたものなのだろう、送球も山なりなんじゃないか、と思っていた。読む

よみもの vol.4 2018年6月18日

夕張に通い詰めた、亡き会長の思いをつなぐ

夕張メロンの初競りが行われた札幌中央卸売市場。競りの開始午前7時めがけて、報道陣や関係者が特設の競り会場に続々と集まり始めていた。読む

よみもの vol.3 2018年5月21日

もっと知りたい、札幌軟石。

辻石材工業株式会社の札幌軟石採掘所に行くと、軟石のでき方がよくわかる。熱がこもらなかった上の層は降り積もった火山灰がそのまま残る。読む

よみもの vol.2 2018年4月16日

自由に生きる、キャラクターたち 工房アルティスタ 永谷久也さん

札幌市の中心部、商業施設の地下に通じる階段に、30人ほどが列を作って並んでいた…読む

よみもの vol.1 2018年4月16日

ふわふわ、こんにちは。「ふわふわラムキン」作者 大家典子さん

北海道の羊の毛でできたマスコット、「ふわふわラムキン」。すべて大家(おおいえ)典子さんの手から生まれる。読む

先頭へ戻る