朝日IDをお持ちの方はこちらから
AFCのログインIDをお持ちの方(2024年7月31日までにAFCに入会された方)はこちらから
新規入会はこちらから(朝日IDの登録ページが開きます)
札幌芸術の森美術館ではこの3月13日まで『きみのみかた みんなのみかた』と題した展覧会を開催していた。これは収蔵品の「みかた」について一つの視点を提示し、鑑賞の幅を広げようという企画である。
展示はいくつかのテーマに沿って並べられ、作者名も書いていない。これは実は大変なことである。美術品には作者名が非常に重要であって、これまで私は作者名を除いた展示というものを見たことがない。もちろん作者が分からないことはあるが、その場合は「作者不詳」というプレートがつけられるのである。一つの展示丸ごと、しかも実際は分かっている作者の名前を示さないのは余程の判断だったのではないだろうか。
そのように一端無名な存在として、作品そのものを見てほしいというのである。
また、いくつかの作品を素材にしたワークショップがあり、例えば「ポーズを真似てみよう」というコーナーでは椅子にうつぶせる裸婦に向かい合って、同じ様な椅子が置いてある。その椅子に座って同じような姿勢を真似しようとすると足の形が不思議で真似するのはとても難しいことが分かる。なぜ作者はモデルにこんなポーズをとらせたのだろう。
幾何学的な形を組み合わせた作品を真似て、自分の作品を作ろうというコーナーには、その材料として毛糸や色紙が沢山用意されている。
そして3歳から小学生の児童幼児を対象に「対話による鑑賞」の会を開き、希望者を募った所、10名ほどが希望して参加した。これは通常は温和しく鑑賞することを暗黙のうちに強いられ、あまり子供を歓迎しない傾向もある美術館としては意欲的な企画だ。
更に「ナイトミュージアム オンライン」というのはコロナ以降ごく普通になったツールを用いた催しである。オンラインでつながった100名ほどとの双方向でのやり取りをしながらの展示品のリアルタイムの鑑賞/解説と、あらかじめ用意したバックヤードの録画とを取り混ぜたものであった。これには道内はもとより、他県からの参加者もあってなかなか盛況だった。
今後このような例はますます増えていくことだろう。収蔵品の紹介と活用の新しい可能性がまた広がった。
芸術の森美術館
札幌市南区芸術の森2丁目75番地 TEL:011-591-0090
9:45~17:00(6~8月は17:30まで)美術館の入園は
閉園の30分前まで
4月29日~11月3日は無休、11月4日~4月28日は月曜日
※月曜日が祝日・振替休日の場合は翌平日
年末年始(12月29日~1月3日)
地下鉄南北線「真駒内駅」の中央バス2番乗り場から、【空沼線・滝野線】に乗車、「芸術の森入口」または「芸術の森センター」下車
北一ヴェネツィア美術館は、株式会社北一硝子が建てたヴェネツィア風の建物に本場ヴェネツィアのガラスを招いて作った美術館である。読む
この春に小樽で開館したばかりの西洋美術館にはステンドグラス、アールヌーヴォーのガラス、近代のブロンズ彫刻などの他に家具がある。読む
中札内村にある六花亭アートヴィレッジで、もっともよくそのコンセプトを表すのは相原求一朗美術館ではないかと私は思う。読む
5月15日までウポポイで開催されているテーマ展「白老の衣服文化」はウポポイの収蔵品を中心に各地の館からも貸借しての意欲的な展示である。読む
札幌芸術の森美術館ではこの3月13日まで『きみのみかた みんなのみかた』と題した展覧会を開催していた。これは収蔵品の「みかた」について一つの視点を提示し、鑑賞の幅を広げようという企画である。読む
「ステンドグラス美術館」はニトリが運営する小樽芸術村の中にある。旧高橋倉庫と旧荒田商会の歴史的建造物を再生して、小樽の古い町並みを保存する一助ともなっている。読む
道立近代美術館は、大きな企画を持ってくる所と一般的には思われている。ゴッホ展などにはたった2、3ヶ月の会期中に何十万人も入る。しかし実は5000点以上の収蔵品を持つ大きな美術館でもある。読む
札幌芸術の森野外美術館はとても気持ちの良い美術館だ。野外美術館はどこもそうかもしれない。読む
北海道立函館美術館は、道内では最も早く開けた土地柄からして古くからの文化があり、特に書に関するコレクションが充実している。読む
美術館の存立理由は世界中から借りてくる名品を展示する企画展にではなく、その館が所有する所蔵品にある。読む