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>HOME >地域を知る一冊 >「海炭市叙景」(2023/5/16)

佐藤泰志(小学館文庫)
海炭市叙景

VOL.61 登場する地域:海炭市(函館)

 1990年、私は函館の高校に赴任した。その同じ年に佐藤泰志は自殺した。インターネットもない時代、その第一報は地元の新聞からだったが、そのときまで彼の名前さえ知らなかった。何度か芥川賞の候補に挙げられながら、ついには受賞することなく自死した函館出身の佐藤。私の故郷の作家太宰治と彼の人生が重なる。

 この小説は函館に住んでいたら、すぐにそれが函館だとわかる架空の街「海炭市」で生きる兄妹、夫婦から夜の女といった市井の人々を連作で描く。それぞれの物語は独立しているが、いくつかの物語は前の物語とゆるいつながりがあって、全体として海炭市≒函館の80年代が描かれる。ときはバブル。ただこの小説に登場する人々は概して貧しい。いまにつながる函館いや日本経済の衰微をも予言しているかのようだ。「函館」の夜景について、第一物語の「観光客たちが無邪気に喝采するほどの夜景ではない」という一文がそれを端的に示している。

 函館山らしき山で兄が行方不明となる第一物語のトーンは暗いが、最後のジャズ喫茶をめぐる話は村上春樹風の軽やかさで、モダン都市函館というこの街が持つもうひとつの顔が描かれる。

泊 功(函館工業高等専門学校教授)

※評者の肩書きは執筆当時のものです

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地域を知る一冊 バックナンバー

地域を知る一冊 vol.74 2024年6月17日

海に生くる人々(葉山嘉樹)

「室蘭港が奥深く廣く入り込んだその太平洋への湾口に大黒島が栓をしてゐる。雪は北海道の全土を蔽ふて、地面から雲までの厚さで、横に降りまくった。」読む

地域を知る一冊 vol.73 2024年5月20日

遠い地平・劉廣福(八木義徳 )

『遠い地平』(1983年刊行)は、9編の短編で構成された自伝的連作小説だ。老境を迎えた筆者が、現在と過去を行きつ戻りつしながら、室蘭、札幌、樺太、満州、東京を舞台とした若き日の波瀾万丈の生き様を回想している。読む

地域を知る一冊 vol.72 2024年4月16日

明日の僕に風が吹く(乾 ルカ)

1つの失敗をきっかけに不登校になった有人は、憧れの叔父の強引な勧めにより、北海道の照羽尻島の高校に通うこととなる。読む

地域を知る一冊 vol.71 2024年3月19日

そらちむらのだいぼうけん(作:かたやまじゅんいち 絵:しまざきふうか)

「絵本は子どもが読む本」「ひらがなや言葉を覚えるために読んだ」「展開が急だが、その隙間を想像して楽しむもの」。高校生に「絵本」の印象を聞くと、おおよそこのような答えが返ってきた。読む

地域を知る一冊 vol.70 2024年2月19日

ともぐい(河﨑 秋子)

河﨑秋子が『ともぐい』で直木賞を受賞した。私が河﨑と初めて出会ったのは、2013年桜木紫乃の直木賞受賞祝賀会が札幌で開催されたときである。読む

地域を知る一冊 vol.69 2024年1月15日

ひかりごけ(武田泰淳)

高校に在職し、国語の授業を行ったり、図書館の担当になったりしていたころにずっと「ぜひとも高校2年生以上の多くの人に読んでほしいなあ」と思っていた一編がありました。読む

地域を知る一冊 vol.68 2023年12月18日

羆撃ち(久保俊治)

本書は、現在も道東地方に住む著者が、大学卒業後に専業のハンターとして生活を始め、アメリカのハンター養成施設への留学を経て、ヒグマやエゾシカを獲る日々を描いたノンフィクションである。読む

地域を知る一冊 vol.67 2023年11月20日

羊をめぐる冒険(村上春樹)

突然の失踪劇から5年後、「鼠」から手紙があった。同封された羊の写真を人目につくところに出して欲しいという。読む

地域を知る一冊 vol.66 2023年10月16日

チーム・オベリベリ(乃南アサ)

開墾のはじめは豚とひとつ鍋  六花亭の銘菓『ひとつ鍋』の由来となった句だから知っている人も多いと思う。帯広開拓の苦労を伝える句である。読む

地域を知る一冊 vol.65 2023年9月19日

宮沢賢治「旭川。」より(あべ弘士)

本書は、宮沢賢治が残した心象スケッチ「旭川。」をもとに、絵本作家のあべ弘士氏が創作を加えた絵本である。読む

地域を知る一冊 vol.64 2023年8月21日

人生という旅(小檜山 博)

書は1999年から2004年までJR北海道の車内誌に連載された内容を書籍化したもの。筆者自らの人生を書き綴ったエッセー集。読む

地域を知る一冊 vol.63 2023年7月18日

ヒグマとの戦い(西村 武重 )

縁あって道東の中標津町で10年ほど暮らした。著者が拓いた養老牛温泉にも何度か足を運んだことがある。読む

地域を知る一冊 vol.62 2023年6月19日

我が精神の遍歴(亀井勝一郎)

亀井勝一郎は函館出身の思想家・文芸評論家で、『我が精神の遍歴』は自身の「精神の自叙伝」として書かれたものである。読む

地域を知る一冊 vol.61 2023年5月16日

海炭市叙景(佐藤泰志)

1990年、私は函館の高校に赴任した。その同じ年に佐藤泰志は自殺した。インターネットもない時代、その第一報は地元の新聞からだったが、そのときまで彼の名前さえ知らなかった。読む

地域を知る一冊 vol.60 2023年4月18日

雪に撃つ(佐々木 譲)

佐々木譲は夕張出身の直木賞作家。彼は多くの道警シリーズ作品を発表しているが、『雪に撃つ』もその中の一つ。主な舞台は雪まつり開催を翌日に控えた札幌である。読む

地域を知る一冊 vol.59 2023年3月20日

宮沢賢治詩集(谷川徹三編)

遠くなだれる灰光と/貨物列車のふるひのなかで/わたくしは湧きあがるかなしさを/きれぎれ青い神話に変へて/開拓紀念の楡の広場に/力いっぱい撒いたけれども/小鳥はそれを啄まなかった読む

地域を知る一冊 vol.58 2023年2月20日

詞華集 野男のうた 自選二〇〇首(時田則雄)

帯広市在住の歌人・時田則雄は、身のまわりの物事にふれて体が感じとることを、きれいごとから遠く離れた言葉にしようとする。読む

地域を知る一冊 vol.57 2023年1月16日

夏子の冒険(三島由紀夫)

松浦夏子は東京生まれの20歳。彼女は突然「修道院に入る」と宣言した。「我儘娘」と形容される彼女は美貌の持ち主ゆえ、言い寄る男たちが数多くいる読む

地域を知る一冊 vol.56 2022年12月19日

菜の花の沖(司馬遼太郎)

 淡路島の貧農の家に生まれた高田屋嘉兵衛は、生来の反骨心から島を出、兵庫の廻船問屋の船員を経て独立し、巨大な船を入手して蝦夷地と兵庫とを結ぶ商いを手がけるようになる。読む

地域を知る一冊 vol.55 2022年11月21日

宮沢賢治全集Ⅰ(宮沢賢治)

そのまっくろなしぶきをあげて/わたくしの胸をおどろかし/わたくしの上着をずたずたに裂き/すべてのはかないのぞみを洗ひ/それら巨大な波の壁や/沸きたつ瀝青と鉛のなかに/やりどころのないさびしさをとれ読む

地域を知る一冊 vol.54 2022年10月17日

漂砂の塔(大沢 在昌)

北方領土の架空の孤島が舞台のフィクション。時は2022年、島にはレアアースの漂砂鉱床があり、採掘、製造するために設立された、日本、ロシア、中国の合弁会社の日本人が事件に巻き込まれる。読む

地域を知る一冊 vol.53 2022年9月20日

泥流地帯 続 泥流地帯(三浦綾子)

大正15年5月、十勝岳が大噴火を起こし、その火砕流は巨大な泥流となり、10キロ離れた上富良野町の畑や開拓集落を飲みこんだ。読む

地域を知る一冊 vol.52 2022年8月15日

流氷への旅(渡辺 淳一)

 ある年の1月、主人公の竹内美砂は、東京の自宅から流氷研究所のある紋別を訪れ、父親の友人に紹介された当所研究員である紙谷誠吾に流氷見学を依頼した。読む

地域を知る一冊 vol.51 2022年7月19日

肉弾(河﨑秋子)

 キミヤは狩猟を趣味とする父親に半ば強引に伴われ、立ち入り禁止区域である摩周湖のカルデラの底に下りていった。読む

地域を知る一冊 vol.50 2022年6月20日

弁当屋さんのおもてなし ほかほかごはんと北海鮭かま(喜多みどり)

 恋人の裏切りに遭い、失意のまま転勤先の札幌に移り住んだ25歳のOL、小鹿千春。読む

地域を知る一冊 vol.49 2022年5月16日

わたしの忘れ物(乾ルカ)

 私の忘れ物は、何か?今となっては何を忘れたのかも忘れてしまっている、そういう不確かなものを求める物語だ。読む

地域を知る一冊 vol.48 2022年4月18日

羊と鋼の森(宮下奈都)

2016年の本屋大賞受賞作。作者が家族とともに北海道の新得町で山村留学していた頃に書かれた作品である。読む

地域を知る一冊 vol.47 2022年3月22日

道ありき(三浦綾子)

『道ありき』は教科書の墨塗りの場面から語り出される。皇国思想を教え込まれてきた彼女は何の疑いもなく軍国主義教育を実践してきた。読む

地域を知る一冊 vol.46 2022年2月21日

丘の上の賢人 旅屋おかえり(原田マハ)

昨年末、二年ぶりに躊躇いながら帰省した。この御時世、旅をしたくてもできない人は大勢いる。読む

地域を知る一冊 vol.45 2022年1月17日

塩狩峠(三浦綾子)

 明治時代、士族の家系に生まれた「信夫」がキリスト教を信仰するに至るまでが、幼少期から青年期を通して丁寧に語られる。読む

地域を知る一冊 vol.44 2021年12月20日

一握の砂(石川 啄木)

余りにも有名な歌集『一握の砂』。啄木生前唯一の歌集であり、故郷渋民村だけでなく、北海道全土、函館から札幌・小樽、そして釧路と新聞記者の生活をしつつ詠んだ数々の名歌が刻まれている。読む

地域を知る一冊 vol.43 2021年11月16日

海峡の光(辻 仁成)

 函館を舞台にした小説と言えば、最近は佐藤泰志を思い浮かべる方が多いかもしれない。読む

地域を知る一冊 vol.42 2021年10月18日

俺と師匠とブルーボーイとストリッパー(桜木紫乃)

今春、釧路を訪れた。夕暮れ時、高校時代の通学路をたどった。幣舞橋を渡り、出世坂を上る。幣舞公園から街を見下ろす。読む

地域を知る一冊 vol.41 2021年9月21日

網走まで(志賀直哉)

「北海道で御座います。網走とか申す所だそうで、大変遠くて不便な所だそうです。」残暑厳しい8月の午後4時、上野発青森行の汽車。主人公の男性「自分」に行き先を訊かれた子連れの女性が答えた。読む

地域を知る一冊 vol.40 2021年8月16日

神の涙(馳星周)

作者は浦河町出身。2020年、『少年と犬』で直木賞を受賞したのは記憶に新しい。読む

地域を知る一冊 vol.39 2021年7月19日

監獄ベースボール(成田智志)

都道府県魅力度ランキング第1位。北海道を故郷と呼べることを、誇らしく感じる。雄大な大地の恵み、数々の絶景。読む

地域を知る一冊 vol.38 2021年6月21日

原野から見た山(坂本直行)

「山はどこから眺めても、またいつ眺めても美しいものだ」。この筆者の言葉に思わず頷く。読む

地域を知る一冊 vol.37 2021年5月17日

砂澤ビッキ 風を彫った彫刻家(札幌芸術の森美術館)

 本書は2019年に札幌芸術の森で開催された「札幌美術展 砂澤ビッキ-風-」を記念して出版された美術書である。読む

地域を知る一冊 vol.36 2021年4月19日

海の祭礼(吉村 昭)

 幕末、ペリーを始め多くのアメリカ人やイギリス人が来日する中、森山栄之助は彼らと英語で自由に話すことが出来た。読む

地域を知る一冊 vol.35 2021年3月16日

しんせかい(山下澄人)

 「富良野」という名前を聞くと、田舎での自給自足暮らしみたいなものをイメージする人が一定数いるようだ。読む

地域を知る一冊 vol.34 2021年2月16日

〈旭山動物園〉革命(小菅 正夫)

 滝川育ちの私にとって、子供の頃「旭山動物園」は近くて遠い、贅沢な場所だった。読む

地域を知る一冊 vol.33 2021年1月18日

セバット・ソング(谷村志穂)

大沼湖畔に実在する児童自立支援施設をモデルにした駒ヶ岳学院が物語の舞台だ。暴力、触法行為、性非行、虐待や養育放棄などさまざまな理由で家庭から離された子供たちが家庭的な寮生活をおくりながら、自立をめざしている。読む

地域を知る一冊 vol.32 2020年12月21日

縄文の思想(瀬川拓郎)

勉強は進学・就職の道具で、学問は経済に貢献するものという風潮がある。この本を読んで、そのことを考えた。読む

地域を知る一冊 vol.31 2020年11月16日

四龍海城(乾ルカ)

道東、竜ノ岬海岸に浮かぶ塔を舞台に描かれるひと夏のストーリー。濃霧に包まれる道東には、私たちが生きている時間と空間の編み目をいともたやすくゆがめ、境界をあいまいにさせる不思議な魅力がある。読む

地域を知る一冊 vol.30 2020年10月19日

七帝柔道記(増田俊也)

(おそらくは)あなたの知らない柔道がある。勝負が膠着しても「待て」がかかることはない。「有効」や「効果」もない。読む

地域を知る一冊 vol.29 2020年9月23日

物語のおわり(湊かなえ)

 湊かなえといえば、『告白』や『母性』などに代表されるように、ミステリーをイメージされる方も多いだろう。読む

地域を知る一冊 vol.28 2020年8月18日

蛇行する月(桜木紫乃)

 中年男性と駆け落ちした須賀順子の生きざまを、道立湿原高校時代の同級生たち、駆け落ちされた妻、さらには順子の母、それぞれの目を通してオムニバス形式で綴った作品である。読む

地域を知る一冊 vol.27 2020年7月20日

別れの後の静かな午後(大崎善生)

本書は6編を収録する短編集で、随所に北海道ゆかりの人物が登場する。作品ごとに趣向は異なるが、当欄では冒頭作「サッポロの光」を紹介したい。読む

地域を知る一冊 vol.26 2020年6月16日

ンブフルの丘(澤田展人)

交通事故で同乗していた女性を死なせてしまい、厭世的な毎日を送る亮次。幼少期に母親から虐待を受けて、感情を上手く制御することのできない恭介。読む

地域を知る一冊 vol.25 2020年5月18日

挽歌(原田康子)

「挽歌」は釧路を全国的に有名にした記念碑的作品である。主人公の兵藤怜子は23歳。読む

地域を知る一冊 vol.24 2020年4月20日

凍てつく太陽(葉真中顕)

 500ページを超えるこの小説は、教養小説・青春小説・警察小説・冒険ミステリー小説など多様で多義的な様相を呈している。読む

地域を知る一冊 vol.23 2020年3月17日

熱源(川越宗一)

  19世紀後半、縦糸として「樺太・千島交換条約」によって故郷樺太を追われ北海道の対雁(ついしかり、江別市)に移住させられた樺太アイヌのヤヨマネクフと、横糸として露国に奪われた祖国ポーランドを解放するために「皇帝暗殺計画」に加担し流刑となったピウスツキとの両者が、樺太で運命的な出会いを経て、民族研究と共にアイヌの「学校」建設など、紆余曲折の歴史ロマンを織りなす「大群像劇」の小説である。読む

地域を知る一冊 vol.22 2020年2月17日

馬を洗って…(加藤多一)

 札幌市職員として「芸術の森」建設にも関わるなどした異色の児童文学作家 加藤多一 氏の作品。読む

地域を知る一冊 vol.21 2020年1月20日

そこのみにて光輝く(佐藤泰志)

 「出会い」という言葉に対して果たして私たちはどれほど深く考えたことがあるだろうか。読む

地域を知る一冊 vol.20 2019年12月16日

鉄道員(ぽっぽや)(浅田次郎)

 〈あなたに起こる やさしい奇蹟〉  こんなキャッチフレーズで売り出された、直木賞受賞の処女短編集。読む

地域を知る一冊 vol.19 2019年11月18日

アイヌ歳時記: 二風谷のくらしと心(萱野茂)

 アイヌ出身者としてはじめて国会議員となった萱野茂氏が、約70年の暮らしの中で体験してきたアイヌの行事や出来事をまとめたのが、この本だ。読む

地域を知る一冊 vol.18 2019年10月21日

バーにかかってきた電話(東直己)

 アジア最北の歓楽街すすきのを舞台に、探偵「俺」を主人公に映画化された小説。読む

地域を知る一冊 vol.17 2019年9月17日

カシオペアの丘で(重松清)

物語の舞台は北海道の北都市、架空の街である。かつて炭鉱で栄えた街、炭鉱事故という悲しい歴史を背負う街、そして大観音が見守る街。読む

地域を知る一冊 vol.16 2019年8月27日

あい─永遠に在り(高田郁)

  『あい─永遠に在り』は、現在の千葉県東金に生まれ育ち、その後医師としてまれにみる精進を重ねた関寛斎の妻あいの一生の物語である。読む

地域を知る一冊 vol.15 2019年7月17日

空想教室(植松 努)

 植松電気のホームページを拝見すると「どうせ無理」を「だったらこうしてみたら?」に、人の可能性を奪わない社会を目指します、とある。読む

地域を知る一冊 vol.14 2019年6月17日

雪(中谷 宇吉郎)

 「雪の結晶は、天から送られた手紙であるということが出来る」  この有名な一節は、次のように続く。読む

地域を知る一冊 vol.13 2019年5月20日

北海道オーロラ町の事件簿 町おこし探偵の奮闘(八木 圭一)

 八木圭一は2013年、『一千兆円の身代金』で『このミステリーがすごい!』大賞を受賞しデビューした。読む

地域を知る一冊 vol.12 2019年4月16日

銀のしずく降る降るまわりに 知里幸恵の生涯(藤本 英夫)

 知里幸恵といえば登別出身で、彼女の業績とアイヌ文化を広く伝承する「知里幸恵 銀のしずく記念館」が有名であるが、旭川でも彼女の功績は広く知られている。読む

地域を知る一冊 vol.11 2019年3月18日

阿寒に果つ(渡辺 淳一)

渡辺淳一の自伝的小説。「婦人公論」に1971〜72年まで連載し、73年に中央公論社より刊行された。ヒロイン時任純子は札幌南高校の2年生。読む

地域を知る一冊 vol.10 2019年1月1日

向田理髪店(奥田 英朗)

 179市町村のうち、その8割以上が過疎地域になっている北海道民にとって、「過疎」ということばは、もはや当たり前すぎるものになってしまった。読む

地域を知る一冊 vol.9 2019年1月1日

カインの末裔(有島 武郎)

 50年程前の高校生にとって、夏休み読書感想文の定番は、短編でテーマ性のある著名な作家の小説。読む

地域を知る一冊 vol.8 2019年1月1日

青春の門 第七部 挑戦篇(五木 寛之)

 累計発行2000万部超と言われる「青春の門」だが、第7部「挑戦篇」で北海道(江差町・函館市)が舞台となっていることは意外と知られていない。読む

地域を知る一冊 vol.7 2019年1月1日

北の科学者群像[理学モノグラフ]1947-1950(杉山 滋郎)

昭和20年、東京は空襲で壊滅状態となる。しかし北海道では印刷所や製紙工場が操業を継続していた。そこで、講談社を皮切りに出版社が次々と札幌に支店を開設し疎開。読む

地域を知る一冊 vol.6 2019年1月1日

奇跡の本屋をつくりたい くすみ書房のオヤジが残したもの(久住 邦晴)

 札幌市の西区琴似にあった街の本屋さんが時代の波にどのようにあらがい、何を残していったのか、その「くすみ書房」社長・久住邦晴さんの苦闘と創意工夫、最後まで諦めずに描き続けた夢が記された本である。読む

地域を知る一冊 vol.5 2019年1月1日

毒麦の季(三浦 綾子)

 「あまり知られていない三浦作品を」とお願いし、三浦綾子記念文学館に推薦していただいたのが短編5作品を収めた本書である。読む

地域を知る一冊 vol.4 2019年1月1日

静かな大地(池澤 夏樹)

北海道と命名されて150年だという。50年前は、「開基100年」「開拓100年」と言っていなかったか。「開基」や「開拓」の文字はなぜ消えてしまったのだろう。読む

地域を知る一冊 vol.3 2019年1月1日

猛スピードで母は(長嶋有)

「北海道の女の人って、みんなそんなにワイルドなの?」とは、かつて関西の友人から私が言われた台詞だが、『猛スピードで母は』に登場する母親こそ、まさにワイルド。読む

地域を知る一冊 vol.2 2019年1月1日

北帰行(外岡 秀俊)

 「U市は札幌から二時間汽車に揺られ、そこから私鉄に乗り継いで三十分ほどの距離にある小さな都市で、世帯のほとんどが何らかの形でU炭鉱に関わっている」。読む

地域を知る一冊 vol.1 2019年1月1日

花埋み(渡辺 淳一)

 日本公認女医第1号の荻野吟子(ぎんこ)の生涯を描いた小説だが、後半部分は自身が入植した「イム(ン)マヌエル」(現今金町神丘)での生活に割かれている。読む

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