AFC アサヒファミリークラブ

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『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』
(1973年) 監督:山田洋次』

 「テキヤ殺すにゃ刃物は要らぬ。雨の3日も降りゃあいい」。映画「男はつらいよ」の主人公・車寅次郎(渥美清)は、ご存じ啖呵売の露天商。冒頭の粋な言葉通り、雨は“天敵”。ましてや、雪はもってのほか。そもそも“冬は南へ”がフーテンの鉄則(?)だから、厳冬期の今、寅さんが向かうとすれば、九州か沖縄だろうか。

 雪とは無縁の寅さんだが、北海道には何度も訪れている。札幌、共和(小沢)、函館、小樽、支笏湖、奥尻、羊蹄山、釧路、知床…。とりわけ、網走を舞台にした第11作「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」は、歴代マドンナのなかで私が最も好きなリリー(浅丘ルリ子)が初登場する作品だ。

 リリーはドサ回りのキャバレー歌手。網走行きの夜汽車で一人涙する姿を寅さんが見かけ、翌日、網走橋でレコードを売る寅さんに彼女から声を掛けてきたのが出会いの始まりである。聞けば彼女も流れ流れの渡り鳥。境遇の似た2人は、船着き場で家族に見送られる漁船を眺めながら、ほんの一時、心を交わす。

 「私達みたいな生活ってさ、普通の人達とは違うのよね。(中略)つまりさ、あぶくみたいなもんだね」

 胸中を吐露したリリーに、寅さんがどう答えたかは観てのお楽しみ。ともあれ、根無し草の2人が旅先で目を向けたものは、美しい風景でも、美味しい食事でもなく、その土地に根差して生きる人の営みというのがやるせない。

 2人のドラマは、函館で再会を果たす第15作「寅次郎相合い傘」へと続く。船越英二を加えた3人組が小樽を目指す珍道中は、何度観ても楽しい。憎まれ口を叩き合う寅さんとリリーは誰が見てもお似合いなのに、なかなか結ばれないのがもどかしいところ。その先は、第25作「寅次郎ハイビスカスの花」&第48作「寅次郎 紅の花」をご覧あれ。こちらは沖縄が舞台だが、「紅の花」では年を重ねた2人が北海道の思い出を語る。私は偶然、このシーンを道内の長距離バスのモニターで見て、思わず泣いた。自分が暮らすこの土地が、寅さんとリリーの大切な場所だということに胸が一杯になったのだ。

 そういえば、「男はつらいよ」シリーズを「48回も男が振られるなんて残酷だ!」と怒っていた映画好きの先達がいたけれど、「忘れな草」のリリーの言葉を借りると、「本気で惚れた経験」が48回もあるなんて、寅さんは誰より幸せ者ともいえるのではないだろうか。惚れた相手にはいつもジェントルマンな寅さんが、北海道でリリーに見せる優しさは、広い大地の片隅で肩を寄せるような、温かさと寂しさを含んでいる。

 さて、今年は「男はつらいよ」誕生からちょうど50年。なんと、22年ぶりの新作が12月27日に公開されるという。DVDで全作を一気観した“遅れたファン”だけに、劇場のスクリーンで寅さんに会える日が、今から待ち遠しい。

イラスト&文 新目七恵(あらため・ななえ)
“三度の飯より映画好き”の札幌在住フリーライター。NPO法人「北の映像ミュージアム」所属。子どものころチャップリンに爆笑し、大学生のときロック・ミュージカルの金字塔「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」に衝撃を受ける。函館の地方紙記者時代に佐藤泰志小説の映画化第1弾「海炭市叙景」に携わり、“北海道と映画をつなぐ”ことがライフワークに。2016年からZINE「映画と握手」を個人発行し、北海道マガジン「カイ」サイトでもミニコラム「映画と握手」を連載中。最近のお気に入りは清水宏監督とインド映画!

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小冊子で紹介されている映画は、「海炭市叙景」(2010年、監督・熊切和嘉)、「馬喰一代」(1951年、監督・木村恵吾)、「南極料理人」(2009年、 監督・沖田修一)の3本です。

『思い出の映画館』


初めて映画を観に行ったのは、浦河の大黒座でした。街の映画館が減っていく中、今でもその灯をみんなで守っている様子を、テレビなどで見るにつけ、懐かしい気持ちになります。いまは遠く離れたところに住んでいますが、久しぶりに観に行ってみたい気持ちです。
(あさひ さん)

『探偵はBARにいる』


北海道を舞台にした映画といえば、「探偵はBARにいる」のシリーズが好きです。
北海道の作家東直己さんの原作。北海道出身の大泉洋の出演。ススキノが舞台と、道民にはたまらない演出です。主人公のやさぐれた感じ、相棒の松田龍平演じる高田とのとぼけたやりとりがおかしく、寅さんのようにシリーズが長く続いてほしいなと思います。
(ひまわり さん)

『瞬 またたき』


2010年 北川景子主演の映画です。共演は岡田将生。
道内いくつかの場所が撮影地になっていたのですが、私の故郷、新ひだか町でも撮影されていました。
懐かしい場所を、スクリーンで見つけて、嬉しくなりました。

(さっち さん)

『映画大好き!』


北海道が舞台の映画は必ずみます。
最近では「こんな夜更けにバナナかよ」をみてきました。市内でも、あれ?どこらへんかなぁとわからない場所もあり、行った事がある場所が映るとなぜか嬉しいですね。
私は釧路出身ですが、「ターミナル」が映画化された時は釧路ロケで、馴染みのある場所がたくさん映り、嬉しかったです。実際はドラマチックな事が起こりそうもないんですけどね笑
北海道PRのためにもなりますがやっぱり地元が舞台になるとまず、自分たちが嬉しいですよね!
(サリー さん)

『北海道はでっかいどう』


北海道で撮影された映画だと聴くと、よりみたいという気持ちが強くなります。
最近だと大泉洋さんが出てる映画が多い印象です。探偵はバーにいるシリーズとしあわせのパンのシリーズ。北海道は四季がきれいで、いろんな色があります。アクションなどの迫力のある映画も好きですが北海道の色彩豊かな映像を大きなスクリーンで見ると北海道がより大好きになります!映画と北海道、最高の組み合わせです!
(ちくわ さん)

『名画座・・・』


とうとう50歳になりましたが、高校生のころは古い映画3本立てで1000円とかってやっていましたよね。北24条にも映画館があって、よく一人で見に行っていました。
いまはネットやレンタルでいつでも何でも見られるので若い子が一人で古い映画を見に行くなんてなかなかないんでしょうね・・・。
(ああたん さん)

『昔話』


学生の頃は金がなく安い映画を朝から何回も納得いくまでみた、今では考えられないだろーな
(siroiwa さん)

『探偵はBARにいる』


札幌が舞台で、主演が大泉洋さんとなれば、見ない選択肢はない!と思ってたのしみにしていたことを思い出します。どんな場面を見ても、よく知った景色ばかりで、まるで映画の中の出来事が実際に起きていることなのではないかと錯覚してしまうほどでした。よく知る風景をスクリーンで観るというのは不思議な体験だなと、映画の内容は楽しみながらですが、フィクションとリアルがないまぜになり、とても貴重な体験でした。いつも観る風景を切り取った作品というのは、それだけで観る価値があるなと思いました。
(こまき さん)

『映画館の思い出』


小学校入学前だと思います。知り合いのお姉さん達に連れられて映画館デビュー!
確か「ちいさな恋のメロディ」でした。
映画館は暗くて不安な時間だったけど、
2人が協力してトロッコを運転する場面だけ鮮明に覚えています。もちろんあの挿入歌も!今聞いてもドキドキしてきますね〜。
そうあの頃、映画館入り口で大人2枚、子供1枚と言ってチケット買うのは元より、自衛隊1枚って言ってる人が!じゃあ農家1枚、教師1枚って言うのかな?って映画館に行く度に話題になったなあ。
そうそう、中学生時代お洒落して行った映画館のトイレにお財布を落としてしまい、映画の後のおやつにありつけなかった事も!
そんな思い出の地元の映画館も過疎化で無くなってしまい淋しいですね!
寅さんの映画はテレビ放映の度必ず観ています。
完成しましたら、是非映画館で観てみたいと思っています。


(フジモニ さん)

『寅さんと私』


私が子供の頃、初めて両親に連れて行ってもらった映画は寅さんでした。
テレビと違って大きな画面と音にビックリして、思わず母にもう少し音を小さくしてもらってと頼んでしまいました。
今では笑い話ですが、子供の私には切実だったようです。
なので寅さんの映画の中身は全く記憶にありません。
冬が長い北海道にとって映画は唯一の娯楽だったのでしょうね。
これからもどんどん映画を観て思い出をたくさん作りたいと思います。
(えっちゃん さん)

『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』
(1973年) 監督:山田洋次


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