道産小麦粉に特化したショッピングサイトを出店
若き社長・楠本幸貴さんが率いるアルナチュリアは、室蘭の総合業務用食品卸くすもとフーズのネット通販部門から 生まれた会社。2011年にグループ会社として独立した。
くすもとフーズは1958年に製あん業として創業し、10年後に食品卸売業へ移行。時代に合わせて取扱商品を増やし続け、10万点以上を扱うようになった。ネット通販に進出したのは、東京のIT業界で働いていた幸貴さんがUターンし、経営に加わった2006年のこと。北海道産小麦粉専門の店と掲げたサイト『北海道のめぐみ』を、まず楽天市場に出店した。
「くすもとは膨大な数の商品を扱っていますが、じゃあ強い商品って何だろう?と社内で考えた結果、道産小麦粉なら全国で勝負できるんじゃないかと。それで僕がネット通販を任されたわけです」。
アルナチュリア設立後は、ヤフー、アマゾン、本店(自社サイト)と矢継ぎ早に出店。商品構成もさらに充実させてきた。
子どもに食べさせたいパンケーキミックスが完成
道産小麦粉の取扱商品は、現在約80品目。産地限定小麦粉にも力を入れ、江別市・片岡農園の「はるゆたか100%」をはじめ、6種類をそろえる。ほかに製菓・製パン材料なども扱う。
「道産小麦粉は、いろいろな面で優れていますが、一番の魅力は加工したときの食感、味わいだと思います。もちもちしていて、かめばかむほど甘みが出てきますね」と楠本さん。また、産地限定小麦粉については、「この人が作ったお米と知ると、食べる楽しみが増すじゃないですか。僕は同じことを小麦粉でやりたいんです」と熱く語る。
さらに楠本さんは、パンケーキミックスの開発に挑んだ。会社設立後に長男が誕生したことが後押しになり、「子どもに食べさせたい安心な商品」と、コンセプトが明確になったという。
社内で試作と試食を重ねた結果、道産薄力粉「きたほなみ」、道産の砂糖、アルミニウムフリーのベーキングパウダーを使った自信作が完成。2012年12月に発売すると、パンケーキブームの影響もあり、女性のリピーターがどんどん増えていった。
手作りの楽しみをまずはパンケーキから
同社の『北海道パンケーキミックス』で作ったパンケーキは、ふわふわ&しっとり。道産小麦粉ならではのもちもち感や甘みもたまらない。ブームが落ち着いた今も売れ行きは変わらず、リピート率は68%(※注)。コンセプト、おいしさ、価格、対応の全てが支持されている。
「自分で作ったもの、家族や友達と一緒に作ったものは、おいしさが違います。パンケーキなら手軽に手作りを楽しめますよ」と楠本さん。この機会にぜひ焼きたてを味わって、道産小麦粉のおいしさをかみしめてほしい。
※注/2016年12月における購入者の68%がリピーター
●アルナチュリア株式会社
室蘭市母恋南町2丁目4-15
TEL0143(25)6850
→ウェブサイト
日本の小麦粉自給率は約14%。その自給率を支えるのが北海道で、国産小麦粉の60%以上を生産している。現在、主に栽培されている道産小麦は約10品種。収穫後農薬(ポストハーベスト)不使用のため安心安全で、総じて香りや味が強いといえる。また、グルテンの含有量が高いため膨らみやすく、もちもちした食感をもたらす。
アルナチュリアは道内の製粉メーカー5社全ての製品を扱い、品ぞろえはネットショップ最大級。産地限定やプライベートブランドも含め、現在80品目以上をラインアップする。このように小麦粉製品は種類が多く、一般消費者には分かりづらい。そこで同社のサイト『北海道のめぐみ』では、選び方をサポートするコンテンツも充実させている。
アルナチュリア道産小麦粉累計出荷量(『北海道のめぐみ』オープン~2016年12月末)
【強力粉】食パン 10,667,008斤分(食パン1斤あたり小麦粉200g と換算)
【薄力粉】ケーキ 5,826,798台分(6号ケーキ1台あたり小麦粉100gと換算)
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室蘭で発見!食事系パンケーキもおいしいカフェ
SOCOTRA CAFE
ソコトラ カフェ/室蘭市高砂町5丁目18-2 TEL090(5983)3422
ここはハワイアンパンケーキと本格エスプレッソを味わえる室蘭工業大学そばの人気スポット。窒素ホイップのノンシュガークリームが特徴のデザート系パンケーキは8種あり、ふんわり軽いおいしさ。そして「本日の食事系パンケーキ」は驚きのおいしさ。キンピラ、キムチ、チリビーンズなど、さまざまな国の料理とのコラボメニューが登場する。「パンケーキって、こんなに自由な食べ物なんだ ! 」と気付かせてくれる、すてきなカフェだ。
2017年2月26日 特集150号 ※記事の内容は取材当時のものです。