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「北海道で御座います。網走とか申す所だそうで、大変遠くて不便な所だそうです。」残暑厳しい8月の午後4時、上野発青森行の汽車。主人公の男性「自分」に行き先を訊かれた子連れの女性が答えた。
大沼湖畔に実在する児童自立支援施設をモデルにした駒ヶ岳学院が物語の舞台だ。暴力、触法行為、性非行、虐待や養育放棄などさまざまな理由で家庭から離された子供たちが家庭的な寮生活をおくりながら、自立をめざしている。
道東、竜ノ岬海岸に浮かぶ塔を舞台に描かれるひと夏のストーリー。濃霧に包まれる道東には、私たちが生きている時間と空間の編み目をいともたやすくゆがめ、境界をあいまいにさせる不思議な魅力がある。