ソ連時代に「アンドレイ・ルブリョフ」「惑星ソラリス」などで名を馳せ、亡命後「サクリファイス」の製作、公開後に54歳で早逝したアンドレイ・タルコフスキー。わずか8本の作品は今でも映画界のみならず様々な芸術家たちに愛され、新たに再生産され続けている。忍澤は各作品を多面的かつ極めて精緻に分析し、監督が散りばめた意図や仕掛けや謎をじっくりと腰を据えて探り、新たな解釈を与えることに成功している。ファン必読書といえるだろう。
著者 忍澤勉 出版社 寿郎社 発行 2022年1月15日 価格 2860円(税込)
思わず「ほうっ!」と唸ってしまった。地域の文化を深掘りする面白さが誌面にあふれている。まずは五番舘、小樽の大國屋、丸ヨ池内。この3店の直近に至る歴史を豊富な画像とともに詳述する。そして1970年代前半の丸井今井、三越、東急、松坂屋などの店内案内図が現れ、後半は全国各地のものまで掲載されている。さらに今は忘れ去られた地域の小さな「百貨店」も。まとまりには欠けるかもしれぬが、見飽きない百貨店のミニ百科事典だ。
編者 塚田敏信 出版社 まち文化研究所 発行 2022年6月30日 価格 1100円(税込)