「え? 飛行機を使うの?」。帯広在住の私。昨冬、網走に流氷観光に行こうと、乗り換え案内サイトで公共交通機関のルート検索をして驚いた。出てきたのが、約160㌔逆方向の新千歳空港に行き、飛行機に乗って女満別空港を経由するルートだったからだ。
自分で時刻表をめくって納得した。一番早い列車で帯広を出ても、網走到着は夕方5時17分。乗り換えの釧路駅で、網走行きの列車まで3時間17分も待たされる。ちなみに飛行機利用だと網走着は午後2時22分だった。
車なら、網走までは約200㌔、4時間というところか。だが、厳冬期、ツルツル路面に心砕きながら長距離を運転する気になれず、結局、今回の旅行は諦めた。
帯広に住んでいて、鉄道の利用に不便な思いをすることが多い。
真冬に、約180㌔離れた滝川に出張しようとした時。本来なら根室線で直通だが、途中の東鹿越―新得間が2016年夏の台風災害以来、不通になっている。代替バスは乗り継ぎが悪すぎた。車は峠越えが不安だ。なので、一度、特急で札幌まで出て、函館線で滝川まで行くことに。約120㌔の遠回りとなった。
特に、この不通区間を含む根室線・富良野―新得間は、来年3月末での廃止が決まってしまった。帯広から旭川に行く最短の鉄路でもあったのだが、これでさらに不便になる。
私は、かつて新婚旅行でスイスに行ったことがある。主要都市、観光地へは鉄道網が張り巡らされていて、外国人は周遊切符で乗り放題。ダイヤもよく考えられていて、どこへ行くにも不便を感じなかった。外国人旅行者にとってバスやレンタカー利用は少しハードルが高いだけに、鉄道で気軽に移動できるスイスがすっかり好きになった。
外国人観光客の誘致を推し進める北海道にとっても、道内各都市の移動に便利な鉄道システムをつくることは有益なはずだ。また、高齢化社会が進む中、冬季の運転に自信のない人にとっても、貴重な都市間移動手段になる。
だが、今、北海道の鉄道の将来像は、採算性だけが注目されて、活用方法はあまり議論されていない気がする。実に、もったいない。
朝日新聞帯広支局長 中沢滋人
豊頃町を昨年12月中旬に初めて訪れた。目的は、町で唯一のスーパーが閉店したのちに、町の要請を受けてセイコーマートが出店したことを取材するためだ。読む
阿寒湖(釧路市)の大きなマリモは自然の神秘が生み出した植物だ。長さ3~4センチの糸状の藻がからまりあい、波の力で回転して直径20センチを超えるまで成長する。読む
新聞記者になって18年経つが、ここまで読者と密にやり取りした経験はなかった。紙面購読者を対象に開催している「朝日新聞デジタル体験会」に11月25日、記者として初めて登壇した時のことだ。読む
野生のヒグマをみたい。とはいえ、「ヒグマと会わないために」と書いてる手前、筋の通らない行動はできない。 読む
発生から9月で5年になった北海道胆振東部地震で、山の大規模表層崩壊があった厚真町吉野地区に通って、農業を営む早坂信一さん(58)を取材した。読む
「え? 飛行機を使うの?」。帯広在住の私。昨冬、網走に流氷観光に行こうと、乗り換え案内サイトで公共交通機関のルート検索をして驚いた。読む
夏の甲子園は慶応(神奈川)の優勝で幕を閉じました。今大会、北北海道の担当を務めました。読む
今年の春に北海道報道センターに着任しました。前任は東京本社のコンテンツ編成本部。読む
ヒグマの目撃情報が相次ぐこの時期、決まって思い出すのが、5年前、本島から20キロ以上を泳ぎ利尻島に渡ったあの若い雄のヒグマのことだ。当時は利尻島を担当する稚内支局長だった。読む
2002年、当時の北海道報道部で取材指揮や紙面編集の責任を負うデスク(次長)5人の末席に連なっていた私は夏の高校野球を担当した。読む
同郷の歌人石川啄木ゆかりの函館に赴任して、真っ先に行ってみたかった場所がある。立待岬にある一家の墓でも、代用教員を務めた小学校でもない。「乞食(こじき)」の供養塔だ。読む
ふとした街の風景を見落としていないか。運転に集中しなければいけない車や、トンネルを走り続ける地下鉄を使っていると、時折、そんなふうに思う。読む
夏の甲子園で、宮城県の仙台育英高校が優勝してから約2カ月。北海道では、春の甲子園出場を目指す20校が戦う、秋季全道大会が終わりました。読む
札幌勤務で単身赴任となって半年になる。たまたま北大に通っていた長男の近くに住もうと、大学からほど近いところに部屋を借りた。読む
5月1日、札幌ドームでラグビー早明戦があった。北海道ラグビーフットボール協会が招待し、北海道では9年ぶりとなった対決にまつわる話を紹介したい。読む
記者の原稿をチェックするデスクという仕事をしているので、どうしても細かな言葉の使い方が気になるものです。読む
やっとだ。札幌市内に残る雪はどんどん少なくなり、街に明るさが戻ってきた。赴任して3月末でちょうど2年。今年こそ、マスクを外して札幌の街中を散策したい。読む