余市で異父兄や伊藤整の文学的影響を受け育ち、18歳で上京。安易な理解を拒絶する最先端の翻訳や詩作で昭和モダンを颯爽と駆け抜け、24歳で夭折した左川ちか。2022年4月『左川ちか全集』(書肆侃侃房刊)を島田が上梓し、昨年11月〜今年1月には北海道立文学館で回顧展が開かれた。関心の高まりからか関連書籍や雑誌の特集も目立つ。同時代また後代の左川論を、川村と島田の緻密な検証と校訂により集成したのが本書である。前掲の『全集』とともに左川研究の基礎となる貴重で決定的な書物である。
編者 川村湊・島田龍
出版 藤田印刷エクセレントブックス
発行 2023年11月10日
価格 3300円(税込)
北海道で発掘された7200万年前から2万年前に絶滅した恐竜、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類の化石から、色鮮やかな絵で蘇った動物たち。その歴史や生態を、当代一流の古生物学者や学芸員の的確でわかりやすい解説やコラムで理解できる、画期的な図鑑が誕生した。ボールペンで描かれた化石標本の実物大細密画からは、質感、重量感や手触りまで伝わってくる。想像も交えた生態画のカラー図版は、子どもの頃見た恐竜の絵本をブラッシュアップしたような親しみやすいもので、幼児からマニアまで楽しめるだろう。
編者 「北海道絶滅動物館」編集委員会
作画 浩而魅諭
出版 北海道新聞社
発行 2024年3月16日
価格 2750円(税込)