いったいヒグマは増えているのか減っているのか、なぜ市街地に出没するのか、どうすれば共生できるのか?酪農学園大学の佐藤教授はヒグマの生態を30年以上にわたって研究してきた。こうした問いに、最新の成果とともに答えてくれる一冊だ。「(ヒグマと人間との)軋轢を減らすためには人が行動を変えるしかない。」そう、答えは単純だが、解決は難しい。専門的人材を育成し、地域の実情に即した解決策を実行する体制作りが、今必要なのだ。
著者 佐藤喜和 出版社 東京大学出版会 発行 2021年7月15日 価格 4400円(税込)
朝日新聞道内面の歌壇選者作になる最新歌集。さりげない日常の感慨やそこから立ち上る幼き頃の光景と思い、感覚から、原発事故や地震などの時事。その詠む範囲は広く、転調に導く詩句や表記法はリズムの多様さをもたらす。「立ち止まるまた歩き出す人間が犬に従ふあやふき國に」「何を祈るそれさへ湧かぬ地震後の三日目手稲山の濃き濃き茜」2017年出版のエッセイ集『右折します』(旭図書刊行センター 1,728円)も併せて読まれたし。
著者 林多美子 出版社 私家版 発行 2021年6月1日 価格 2300円(税込)