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画像:AFC アサヒファミリークラブのロゴマーク

>HOME >映画と握手 >「赤いハンカチ」(2024/8/20)

赤いハンカチ(1964年)

監督:舛田利雄
ロケ地:北海道内(ダム工事現場、漁港)

  裕次郎さんは、今日もホームに立っていた。

 夏の太陽がまぶしい7月半ば、小樽駅の4番線に私はいた。ここは通称「裕次郎ホーム」。1978年5月にNHK番組のロケで石原裕次郎が降り立ったことを伝える等身大パネルが設置されている。

 映画やテレビ、歌謡曲と、昭和の日本を明るく照らした石原裕次郎(1934~87)。今年は生誕90周年の記念イヤーであり、北海道ゆかりの主演映画「赤いハンカチ」を本コラムで紹介しようと準備していたところ、市立小樽文学館が裕次郎に関する展示会を企画!(7月13日~8月25日、観覧無料)さっそく足を運んだというわけだ。

 「石原裕次郎と海陽亭」と題した会場には、レコードや書籍、グッズのほか、貴重なプライベート写真が多数展示されていた。というのも、海陽亭とは小樽屈指の老舗料亭。女将たちは家族ぐるみで船会社・山下汽船の支店長だった裕次郎の父、人気俳優となった裕次郎と親交があったことが明かされていた。

 海陽亭との深い縁(何でも、多忙を極めたデビュー3年目、裕次郎が撮影所から〝失踪〟した行き先も海陽亭だったとか!)もさることながら、これだけの資料を提供したのが、まだ30代の年若い〝裕次郎ファン〟というのも驚きだった。小樽在住の会社員・佐藤星児さんだ。

 佐藤さんによると、父に連れられ、オープン直後の小樽・裕次郎記念館に行ったのが5歳の頃。その後、13歳の時にラジオから流れてきた裕次郎の歌「嵐を呼ぶ男」に衝撃を受け、地元・旭川の図書館で裕次郎の資料を探し集めるように。調理師学校を卒業して調理師免許を取得すると、縁あって、なんと海陽亭の札幌店(現在は閉店)に就職! 3代目女将、故・宮松芳子さんや夫の故・重雄さんから裕次郎の思い出話を聞きながら働いたという驚きの経歴の持ち主だった。「裕次郎さんの器の大きさや人柄に惹き付けられます。海陽亭で働いたのは2年ほどでしたが、毎日が贅沢で最高でした!」と話してくれた。

 さて、佐藤さんと同じく、裕次郎をリアルタイムで知らない私だが、この機会に出演作の一部を一気見してみた。デビュー作「太陽の季節」から「狂った果実」「ジャズ娘誕生」「幕末太陽傳」「俺は待ってるぜ」「嵐を呼ぶ男」「錆びたナイフ」「風速40米」「山と谷と雲」「鉄火場の風」「銀座の恋の物語」「赤い谷間の決斗」「夜霧よ今夜も有難う」……見れば見るほど、驚いた。青春ドラマにミュージカル、時代劇、アクション、メロドラマ。さすが希代の大スター! 映画=エンターテインメントの喜びを一手に体現するような活躍ぶりではないか。

 多彩な作品群の中でも、映画「赤いハンカチ」の存在はひときわ輝いていた。ある過失を悔やみ、北海道で肉体労働に明け暮れる元刑事(裕次郎)が、過去を取り戻すサスペンス。惹かれ合う人妻(浅丘ルリ子)との関係も美しく、彼が劇中で何度も口ずさむ主題歌(1962年リリースの同名ヒット曲)が哀愁たっぷりに物語を盛り上げる。

 映画ロケ地にこそならなかったが、駅のオブジェや今回の展示が示すように、裕次郎と小樽の町が〝相思相愛〟なのも嬉しい。文学館からの帰り道、裕次郎が好んだアジサイの花が道端で咲き誇っていた。

文&イラスト 新目七恵(あらため・ななえ) ライター、ZINE「映画と握手」発行人。小樽海陽亭は現在閉店していますが、小樽市指定歴史的建造物指定の木造建築2階建ての建物は小樽港を見下ろす高台に健在。ちなみに、熱烈ファン・佐藤星児さんのイチオシ裕次郎映画は「夕陽の丘」(※本コラム59回で紹介)と「黒部の太陽」。好きな曲は「きりがありませんが」と前置きした上で、「おれの小樽」と「昭和たずねびと」を挙げてくださいました

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映画と握手 バックナンバー

映画と握手 vol.69 2024年9月17日

砂の器(1974年)

「砂の器」に北海道の場面なんてあったっけ? そう思われる方もいるのでは。確かに「砂の器」といえば、読む

映画と握手 vol.68 2024年8月20日

赤いハンカチ(1964年)

裕次郎さんは、今日もホームに立っていた。  夏の太陽がまぶしい7月半ば、小樽駅の4番線に私はいた。読む

映画と握手 vol.67 2024年7月17日

糸(2020年)

中島みゆきの歌と私が〝出会った〟のは、社会人になりたての頃だった。「時代」「ファイト!」「悪女」――。先輩社員がカラオケで歌う、読む

映画と握手 vol.66 2024年6月17日

キッチン(1989年)

函館に行くと、必ず足を運ぶ場所の一つが「カフェやまじょう」。なぜなら店主の太田誠一さんは、知る人ぞ知るロケコーディネーター。読む

映画と握手 vol.65 2024年5月20日

家族(1970年)

いよいよ2025年4月、日本国際博覧会(大阪・関西万博)が開幕する。55年ぶりの大阪開催として話題だが、前回の1970年、大阪万博に熱狂する日本で作られた映画が、「家族」だ。読む

映画と握手 vol.64 2024年4月16日

硝子のジョニー 野獣のように見えて(1962年)

消灯し、真っ暗になった函館山ロープウェイ山頂展望台のクレモナホール。読む

映画と握手 vol.63 2024年3月19日

春との旅(2010年)

大学生の頃、祖父と同じ町に暮らしていた。強面で寡黙な祖父だったけれど、孫の私には優しくて、手料理をよくご馳走してくれた。読む

映画と握手 vol.62 2024年2月19日

ユーパロ谷のドンベーズ(1985年)

「俺、山口登。紅葉沢小学校3年。もうすぐ4年です。これ、俺の姉ちゃん、知香(ちか)。体は大きいけど、運動神経は俺よりよっぽど鈍い」読む

映画と握手 vol.61 2024年1月15日

雪に願うこと(2006年)

「馬が出る映画を集めた〝馬映画祭〟をやりたい!」と映画好きの先達が言っていたけれど、もし開催するなら絶対に上映してほしい1本が、「雪に願うこと」。読む

映画と握手 vol.60 2023年12月18日

乳房よ永遠なれ(1955年)

《母を軸に子の駆けめぐる原の晝(ひる)木の芽は近き林より匂ふ》  帯広市中心街からほど近い緑ヶ丘公園の一角に、歌人・中城ふみ子の歌碑を見つけたのは、3年前の秋のこと。読む

映画と握手 vol.59 2023年11月20日

夕陽の丘(1964年)

数年ぶりの函館駅前は、少し閑散として見えた。秋晴れの9月末、猛暑を乗り切った自分へのご褒美として、函館に行ってきた。読む

映画と握手 vol.58 2023年10月16日

空の穴(2001年)

帯広出身・熊切和嘉監督の最新作「658㎞、陽子の旅」(2022年)が、第25回上海国際映画祭(2023年6月)で最優秀作品賞、最優秀女優賞、最優秀脚本賞の3冠に輝いた。読む

映画と握手 vol.57 2023年9月19日

居酒屋兆治(1983年)

手前みそで恐縮だが、AFC「映画と握手」上映会第3弾(6月、札幌・共済ホール)で観た「幸福の黄色いハンカチ」(1977年、山田洋次監督)は、実に面白かった。読む

映画と握手 vol.56 2023年8月21日

生きとし生けるもの(1955年)

突然だが、もしも10万円が手に入ったらどうするだろう。買い物、旅行、生活費? そしてお金を使った後、それが全くの手違いで、処理した人が責任を負ったと知ったら?読む

映画と握手 vol.55 2023年7月18日

植村直己物語(1986年)

世界的冒険家・植村直己についてほとんど知識を持たなかった私が、映画「植村直己物語」に興味を抱いたのは、おびひろ動物園で「植村直己記念館(氷雪の家)」を偶然見つけた十年ほど前のこと。読む

映画と握手 vol.54 2023年6月19日

さよならくちびる(2019年)

あいみょんの歌を、最近よく口ずさんでいる。現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説「らんまん」の主題歌ではなく、この映画の挿入歌「誰にだって訳がある」の方だ。読む

映画と握手 vol.53 2023年5月16日

サムライの子(1963年)

 「サムライ」といっても、刀を差したお侍のことではない。札幌や旭川、函館など北海道各地にかつてあった、ごく貧しい人たちが集住した場所=通称・サムライ部落のことである。読む

映画と握手 vol.52 2023年4月18日

『さよなら』の女たち(1987年)

「さよなら」という言葉を、今まで何度口にしただろう。最近めったに使わなくなったのは、「もう会えないかも」という別れのニュアンスが、日常では少し大げさに感じるからかもしれない。読む

映画と握手 vol.51 2023年3月20日

四月物語(1998年)

この春、何人の若者が北海道から旅立つのだろう。進学や就職など事情はそれぞれだろうけれど、知らない土地で新生活を始めるドキドキ感は変わらない。読む

映画と握手 vol.50 2023年2月20日

チャンネルはそのまま!(2019年)

「PICU 小児集中治療室」「日本統一 北海道編」「続 遙かなる山の呼び声」と、昨年は北海道ロケドラマが豊作だった。読む

映画と握手 vol.49 2023年1月16日

大地の侍(1956年)

最近観た日本の青春SF映画に「未来では映画文化が過去のものになる」という設定が出てきて驚いた。と同時に、「タイパ」「ファスト映画」なる言葉が生まれる昨今なら、あり得るかも…と悲しくなった。読む

映画と握手 vol.48 2022年12月19日

すばらしき世界(2021年)

タトゥー(刺青〈いれずみ〉)を入れた若い女性を、近所の銭湯で見かけたことがある。読む

映画と握手 vol.47 2022年11月21日

ブルークリスマス(1978)

 恐れ多くて近付けない。けれど、一度はお会いしてみたい憧れの脚本家、倉本聰さん。読む

映画と握手 vol.46 2022年10月17日

遙かなる山の呼び声(1980年)

北海道の牛乳を毎朝飲んでいる。子どもの頃から当たり前だったこの味が、実はものすごく美味しくて、たくさんの努力と苦労の上に成り立っていることを知ったのは大人になってから。読む

映画と握手 vol.45 2022年9月20日

飢餓海峡(1965年)

68年前の1954年9月、北海道は悲痛な思いに沈んでいた。26日に到達した台風15号が、函館港に停泊中の青函連絡船「洞爺丸」など5隻を転覆・沈没、さらに日本海に面した岩内町に大火をもたらしたのだ。前者は死者1430人に上り、後者は町の3分の2を焼き尽くす大惨事となった。読む

映画と握手 vol.44 2022年8月15日

椿姫(1988年)

タクシーに乗ると、運転手さんの自己紹介プレートがたまに掛かっていて、「趣味」の欄に「映画」とあると、つい声を掛けたくなる。読む

映画と握手 vol.43 2022年7月19日

荒い海(1969年)

四方を海に囲まれた北海道。漁業生産量は全国の約2割を占め、漁業従事者数も日本一の「水産王国」とあって、ロケ作に漁師が登場することも少なくない。読む

映画と握手 vol.42 2022年6月20日

愛と憎しみの彼方へ(1951年)

「黒澤明が世に送り出した珠玉の名作が、今、甦る!」と銘打った「黒澤明DVDコレクション」(朝日新聞出版)のラインアップに、未見の北海道ロケ映画「愛と憎しみの彼方へ」を見つけたのは今年初めのこと。読む

映画と握手 vol.41 2022年5月16日

ハナミズキ(2010年)

タイトルだけで、切なくも艶のある、あの独特な歌声がよみがえる。映画「ハナミズキ」は、大ヒットした一青窈の同名曲をモチーフに制作されたラブストーリー。読む

映画と握手 vol.40 2022年4月18日

塩狩峠(1973年)

今年生誕100年を迎える旭川生まれの作家・三浦綾子(1922-99)。彼女原作の映画は、文壇デビュー作「氷点」(1966年、山本薩夫監督)を皮切りに、「われ弱ければ 矢嶋楫子伝」(2022年、山田火砂子監督)まで6本。読む

映画と握手 vol.39 2022年3月22日

銀のエンゼル(2004年)

週に2、3回はコンビニに行く。仕事の資料を印刷したり、支払いを済ませたり。最近は、店限定のスナックが欲しくて数店舗を探し歩いたこともあった。読む

映画と握手 vol.38 2022年2月21日

管制塔(2011年)

稚内生まれのロックバンド、Galileo Galilei(ガリレオ・ガリレイ)をご存じだろうか。2010年、10代の若さでメジャーデビューすると、CMソングやアニメ主題歌で一躍人気となった道産子アーティスト。読む

映画と握手 vol.37 2022年1月17日

白痴(1951年)

高校生の時「七人の侍」の面白さに衝撃を受け、20代で「生きる」を観てさめざめと涙を流した私が、同じ黒澤明監督の「白痴」を知ったのは10年ほど前。札幌に引っ越した30代始めの頃だった。読む

映画と握手 vol.36 2021年12月20日

鉄道員 ぽっぽや (1999年)

「幌舞(ほろまい)駅」のホームには、小雪がちらついていた。札幌で遅い初雪が降った11月下旬、南富良野町に向かった。読む

映画と握手 vol.35 2021年11月16日

馬喰一代(1951年)

岩見沢にあったばんえい競馬場の仕事に祖父が携わり、今や世界で唯一の開催地となった帯広で育った私だが、馬を身近に感じたことはなかった。読む

映画と握手 vol.34 2021年10月18日

ガチ☆ボーイ(2008年)

ロケ地にこだわる私が言うのも可笑しいが、映画の魅力は俳優によるところも大きい。読む

映画と握手 vol.33 2021年9月21日

おろしや国酔夢譚(1992年)

歴史にまったく疎いので、史実を題材にした映画を避けてきた私が、この「おろしや国酔夢譚」を紹介したくなったのは、道内唯一の人形浄瑠璃公演一座・さっぽろ人形浄瑠璃芝居あしり座の公演「大黒屋光太夫ロシア漂流記」(2021年2月)を観たから。読む

映画と握手 vol.32 2021年8月16日

満月 MR.MOONLIGHT(1991年)

300年後の北海道はどうなっているのだろう。町のありようも、人の暮らしぶりも、きっと様変わりしているだろうけれど、正直言って想像出来ない。読む

映画と握手 vol.31 2021年7月19日

きみはいい子(2015年)

「母親」になって早7年。演技だと分かっていても、子どもが親に痛めつけられるシーンは苦手だ。読む

映画と握手 vol.30 2021年6月21日

網走番外地(1965年)

田中邦衛が亡くなった。享年88。ドラマなら、富良野ロケ「北の国から」で演じた子ども思いの実直な父・黒板五郎をまず思い浮かべるが、北海道ロケの映画にも、意外とたくさん出演している。読む

映画と握手 vol.29 2021年5月17日

ガメラ 2 レギオン襲来(1996年)

太古に生きた恐竜の化石が数多く発掘され、注目を集める北海道。映画に関して言えば、空想上の巨大生物“怪獣”が何度か上陸し、スクリーンの中の道民をパニックに陥れている。読む

映画と握手 vol.28 2021年4月19日

アイヌモシリ(2020年)

映画館の暗闇で、久しぶりに心が震えた。ワンシーンごとにヒリヒリした痛みを感じ、場内が明るくなってもすぐに席を離れたくないような深い余韻に打たれた。読む

映画と握手 vol.27 2021年3月16日

ハルフウェイ(2009年)

中学生・高校生のときめく恋心や切ない青春を描く、いわゆる“キラキラ映画”にいまいち乗れないのは、私自身それほどキラキラした覚えがないからかもしれない。読む

映画と握手 vol.26 2021年2月16日

ジャコ萬と鉄(1949年)

今年は見ることができるだろうか。ニシンの放精で海が白く濁る現象「群来(くき)」を。読む

映画と握手 vol.25 2021年1月18日

南極料理人(2009年)

いつか南極に行きたい。無謀と笑われそうな夢を、わりと本気で抱いている。読む

映画と握手 vol.24 2020年12月21日

駅 STATION(1981年)

居酒屋のカウンターで、男と女が酒を酌み交わしている。男は通りすがりの一見さん、女は店のママだ。読む

映画と握手 vol.23 2020年11月16日

喜びも悲しみも幾歳月(1957年)

千葉・犬吠埼(いぬぼうさき)灯台など国内4カ所の灯台が国の重要文化財に指定されるという。読む

映画と握手 vol.22 2020年10月19日

田んぼdeミュージカル(2003年)

黄金色の稲穂のじゅうたんが、風に揺れていた。9月中旬、家族でぶどう狩りをした帰り道、後志管内赤井川村で目にした光景だ。読む

映画と握手 vol.21 2020年9月23日

魚影の群れ(1983年)

9月11日は女優・夏目雅子さんの命日だった。35年前、27歳の若さでこの世を去った彼女が、あふれんばかりの輝きを刻んだ1本が、マグロ漁を巡る人間ドラマ「魚影の群れ」だ。読む

映画と握手 vol.20 2020年8月18日

シムソンズ(2006年)

言うだけ野暮だと思うけれど、新型コロナウイルス感染症の流行がなければ、今頃は東京五輪の興奮冷めやらぬ時期だっただろう。読む

映画と握手 vol.19 2020年7月20日

羊と鋼の森(2018年)

ピアノに縁はないけれど、ピアニストに憧れている。プロでなくても、「ピアノが弾ける」「音符が読める」と聞けば尊敬の眼差し。読む

映画と握手 vol.18 2020年6月16日

君よ憤怒の河を渉れ(1976年)

伝説の映画に期待し過ぎて、肩透かしを食うことがある。高倉健さんファンには申し訳ないけれど、彼が主演した「君よ憤怒の河を渉れ」もそのひとつ読む

映画と握手 vol.17 2020年5月18日

挽歌(1957年)

気に入った小説に出会うと、映画化するなら誰をキャスティングしたいか夢想するクセがある。読む

映画と握手 vol.16 2020年4月20日

モルエラニの霧の中(2019年)

モルエラニ」とは「小さな下り坂」という意味のアイヌ語で、「室蘭」の語源のひとつ。読む

映画と握手 vol.15 2020年3月17日

森と湖のまつり(1958年)

実在した樺太(サハリン)アイヌを主人公にした歴史小説『熱源』が直木賞に選ばれた。読む

映画と握手 vol.14 2020年2月17日

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018年)

バナナは夜食にぴったりだけれど、眠たい深夜、食べたいと人に頼まれたらどうだろう。相手は重度の身体障害者で、自分はボランティア(映画の中では主人公に「ボラ」と呼ばれる)の介助者だ。読む

映画と握手 vol.13 2020年1月20日

海炭市叙景(2010年)

「人生のベスト映画は?」と聞いては相手を困らせている私だが、逆に質問されると真っ先に挙げるのが、映画「海炭市叙景」だ。読む

映画と握手 vol.12 2019年12月16日

Love Letter(1995年)

メールやSNSが当たり前の今だからこそ、直筆の手紙は嬉しい。それがたとえ、不格好な文字やつたない文面だったとしても。読む

映画と握手 vol.11 2019年11月18日

氷点(1966年)

秋も深まる10月半ば、家族を誘って旭川へ行ってきた。この地が生んだ作家、三浦綾子(1922~99年)の功績を伝える「三浦綾子記念文学館」を再訪するためである。読む

映画と握手 vol.10 2019年10月21日

女ひとり大地を行く(1953年)

ちょうど67年前の今頃、夕張炭鉱は興奮に沸いていた。なぜなら、〝ベルさん″の愛称で親しまれる人気女優・山田五十鈴が、自分たちと同じ坑夫姿で映画撮影に励んでいたからだ。読む

映画と握手 vol.9 2019年9月17日

探偵はBARにいる(2011年)

本物の探偵には会ったことがないけれど、映画に出てくる探偵は格好いい。といっても私が好きなのは、どこかおどけて三枚目、でも、ここぞという時には強くて優しい、哀愁漂う探偵だ。読む

映画と握手 vol.8 2019年8月27日

コタンの口笛(1959年)

「コタン」とは「集落」を意味するアイヌ語で、最近では朝の連続テレビ小説「なつぞら」主題歌の歌詞に登場して新鮮な思いがした。読む

映画と握手 vol.7 2019年7月17日

結婚 佐藤・名取御両家篇(1993年)

「浦河の大黒座」といえば、昨年創業100周年を迎えた道内最古の老舗映画館だから、ご存じの方も多いだろう。読む

映画と握手 vol.6 2019年6月17日

社長忍法帖 (1965年)

美人に弱い恐妻家の社長(森繁久彌)、気配り上手な常務(加東大介)、真面目一辺倒の技術部長(小林桂樹)、なまりが強烈な豪快社員(フランキー堺)。読む

映画と握手 vol.5 2019年5月20日

点と線(1958年)

ミステリーに疎い私でも、タイトルだけは知っていた「点と線」。原作は、作家・松本清張が初めて手掛けた長編推理小説で、雑誌の連載が終了したその年のうちに映画化して話題を集めたのが本作だ。読む

映画と握手 vol.4 2019年4月16日

ギターを持った渡り鳥(1959年)

“マイトガイのアキラ”と聞けば、この作品を思い浮かべる方も多いのではないだろうか。日活黄金期の看板スター・小林旭の代表作であり、一世を風靡した「渡り鳥」シリーズの第1作。読む

映画と握手 vol.3 2019年3月18日

銀の匙 Silver Spoon (2014年)

北海道の農業高校を舞台にした同名人気マンガの実写映画化。青春学園ものとはいえ、内容はよくある恋愛系でも、スポーツ系でもない。読む

映画と握手 vol.2 2019年2月18日

幸福の黄色いハンカチ (1977年)

30本以上の北海道ロケ映画に出演した高倉健。男気あるやくざや、実直な仕事人など、北の果てに生きる一本気な男を魅力的に体現した彼のイメージを一言でいうなら“寡黙で不器用”。読む

映画と握手 vol.1 2019年1月21日

男はつらいよ 寅次郎忘れな草 (1973年)

「テキヤ殺すにゃ刃物は要らぬ。雨の3日も降りゃあいい」。映画「男はつらいよ」の主人公・車寅次郎(渥美清)は、ご存じ啖呵売の露天商。読む

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